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七瀬すず菜のお叱り&甘やかしボイス感想、及び七瀬の魅力の話


(2024/11/29 12:00 「5.おわりに」に追記)

1.はじめに

11月12日(火)から11月30日(土)の間、にじさんじオフィシャルストアにて「お叱りボイス」及び「甘やかしボイス」Vol.2が発売されている。過去に出た同テーマの第二弾という位置づけである。 

最初、このテーマを見た時、ボイス初心者の筆者にはピンとこない部分があった。推しに甘やかされたいというのはわかる。非常によくわかる。が、叱られたいというのは、どういうことだ…?ツンデレのツンの部分だけを味わいたいのだろうか。あるいは本当に、ガチ目に叱られたいのだろうか。特殊な性癖は世の中に沢山あるが、第二弾が出るということは、相応に底堅いニーズなのだろう。ボイスは奥が深い。

そして、七瀬すず菜(以下、七瀬。敬称略)のボイスも、お叱り甘やかし共に、ラインナップに入っている。

今回も七瀬本人の自作台本である。非常にありがたい。早速、両方(EXも)購入し堪能したので、その感想を記しておきたい。メインの感想(なるべくシンプルに記載)と、補足部分の2点に分ける。有償コンテンツのため、七瀬本人が提示しているサンプル以上のネタバレは極力控えるが、購入を検討されている方のご参考となれば幸いである。


2.感想(シンプル版)

・お叱りと甘やかしの2つのボイスが連続した内容となっている。
・時間軸はお叱りボイス→甘やかしボイスの順。
・それぞれの概要は以下の通り。 

【お叱りボイス】
・部屋の片づけを、七瀬に手伝ってもらう話。
・私生活のだらしなさを七瀬に呆れられ、小言をいただきつつもお世話され…といった、日常の一コマを切り取った内容となっている。
・叱られることは叱られるが、その度合いは強くないように思われる。
・非常に甘酸っぱい。すずふぁーむにとって、間違いなく一聴の価値アリ。
・他方で、例えば以前、同期が少しやらかした時のような「愛のある、ガチめのお叱り」を期待していると、やや肩透かしに感じるかもしれない。お叱り初級編といったところか。 
・推しとはいえ、ガチガチに詰められるのはちょっと…と躊躇されている方には、安心しておすすめできる。

【甘やかしボイス】
・部屋の片づけが終わった後の話。
・前半は他愛のない会話を交わしつつ、後半、急激に糖度が上昇する。
・ただひたすらに、七瀬に甘やかされる。
・七瀬と主人公の関係性は完全に仕上がっており、ラブコメ漫画でヒロインと主人公が結ばれた最終回を経て、その後日談を見ている感覚である。
・主人公は今すぐ、手土産を持ってママ瀬とパパ瀬に挨拶に行け。
・結納の日取りを決めろ。 

それぞれ単体で聴いても勿論問題無いが、両方セットなら最大限楽しめる。まずは1個試したいという場合のお勧めは、「甘やかしボイス」だろうか。

「お叱りボイス」は、七瀬との日常風景を見るという意味では間違いなく逸品だが、叱られガチ勢におかれては、少し鞭が弱めに感じるかもしれない。

「甘やかしボイス」は、購入者は基本的にガチガチに甘やかされることを期待するはずで、そのニーズに真正面から応える内容である。こちらはできれば、EXもセットで堪能することをおすすめしたい。

今回も非常に良かった。次回も期待大である。


3.感想(補足版)

っはァァァーーー!これすごくないですか?ッカーーーー!っはーーーーー!!これはもう、入籍済みです。間違いない。そうでなければ、甘やかしボイスの、七瀬の「あの行為」の説明がつかない。仮にそういう関係性ではない相手に、自分の〇〇を〇〇させているなら、七瀬は相当な猛禽類。あるいは、主人公が犬もしくは猫の可能性がある。もちろんワタクシは、壁として七瀬と主人公の逢瀬を見守ってるワケですが、何でしたっけアレ、たしか藤子F先生の漫画の一コマ。牢屋のお爺さんが鉄格子を握りしめて、泣きながら叫んでるやつ、あるじゃないですか。あんな感じで「吸えっ!吸えっ!吸えーーっ!」て叫んでますから。わたくし。壁として。それくらい今回の破壊力は高い。どうかしている。すずふぁーむをハートキャッチ☆彡するのもいい加減にしてほしい。七瀬ガチ恋勢は、主人公に自身を投影してこの世の春を謳歌しても良いし、七瀬BSS勢は、幸せをつかんだ七瀬を第三者視点で観察して、脳を焼かれ再起不能になったって良い。一つだけ、一つだけ不満を挙げるなら、主人公の性別を男性とみなした時の、その振る舞い。は?お前なに七瀬にデリバリー受け取らせてんの?不用心でしょ?お前が出るべきでしょ?呑気に七瀬からポテト受け取ってる場合じゃないんだが?処すが?まあそれは良いとして、七瀬のボイスは、もちろん全てがオンリーワンでありナンバーワンなんだけど、今回は特にすごい。糖度という意味では、原点にして頂点と評されるウェルカムボイスに匹敵し、最高傑作と名高い家族パロディボイスと肩を並べ、近年稀に見るクオリティと言われるお料理ボイスに負けずとも劣らない。ボジョレーか?このボイスの凄さを述べるには、そもそも、七瀬自身がなぜ素晴らしいVtuberなのか?から語らねばならぬ。過去の投稿で七瀬に対する個人評を述べたが、補完的に、こういった観点でも七瀬はむっちゃええねん、ということを記しておきたい。


読みにくいので元に戻します。

あらかじめ申し上げておくと、筆者は七瀬の配信をリアルタイムで全て追えている訳ではない。七瀬を形作るエピソードトークの、相当の部分が抜け落ちている可能性がある。

熟達のすずふぁーむ諸氏におかれては、「お前の理解、浅瀬チャプチャプやんけ」と思われる向きもあろうが、何卒ご容赦頂きたい。また、どうしても推しであるがゆえに、表現が過剰になっている部分は否めない。こちらもご笑覧頂ければ幸いである。


4.七瀬の魅力

筆者が考える七瀬の魅力は、無理やりワンフレーズに押し込めると、「等身大」である。

「等身大」という評価の1点目として、七瀬すず菜というVtuberの設定デザインと、七瀬本人の特性が上手くかみ合っている点を挙げたい。 

デザインに関しては、ややメタ的な言い方になるが、設定に無理がない。にじさんじを含むVtuber界隈では、例えばファンタジー世界の幻獣だったり、寿命数千年の超常的な存在のような、現実の尺度を大きく超えたキャラクターが存在する。かたや七瀬は、「カフェレストランの店員」である。ファンタジー路線と現実路線の、どちらがコンテンツとして優れているという話ではないが、キャラクターの解像度・没入感という意味において、七瀬は非常に自然に、その存在を視聴者の現実に溶け込ませている。

そして七瀬の特性だが、七瀬の声は、いわゆる「萌え声」ではない。「声優の高山みなみに似ている」といった配信時のコメントがあったが、同意できる。ややハスキーさを含み、良く通る、透明感のある声質だ。それは朝の風景によく似合う、爽やかなトーンではあるが、声自体に萌えの甘さがあるという訳ではない。

また、七瀬のキャラクターも、いわゆる「萌えキャラ」ではない。オタクに優しいギャルでも、僕だけにデレる生真面目な委員長でもない。どちらかと言えばオカンであったり、姐御であったり、一般的な萌えとはややベクトルを異にするキャラクターである。

現在のVtuber市場において、一定の商業的成功が見込まれる「萌え」というエッセンスを、七瀬は清々しいくらいに削ぎ落している。 

そうであればこそ、七瀬の存在は、「等身大」なのだ。先に挙げた外形的な要素だけではない。デパコスにテンションを上げ、真田弦一郎にガチ恋し、屋根裏で親戚とゲームに興じる。配信で明かされるエピソードの全てが、七瀬の解像度を高めている。「あれ、こんな感じの子、友達に/学校の同級生に/職場の同僚にいるよな」と思わせるものがあるのだ。

これは後述の、2点目の要素と併せることで、Vtuber七瀬を、非常に稀有な存在たらしめているのではないかと筆者は考えている。
 

「等身大」の2点目は、語弊を恐れずに言えば、七瀬は「超人的な技能を持たない等身大の女性」、普通の人々の代表者として活躍している、という点である。
 
現在のVtuber界隈で成功する要因を考えた時に、パッと思いつく要素が二つある。一つは「音楽面の圧倒的なスキル」、もう一つは「ゲームの圧倒的な実力」である。

もちろん他にもあるとは思うが、これらはわかりやすく人々を惹きつけるものであり、これらのスキルが図抜けている場合、高い評価と多くのファンが付いてくる蓋然性が高い。同期のすぺしゃーれメンバーで言えば、前者は早乙女ベリー・渚トラウト(歌唱力)や雲母たまこ(ギター)。後者は酒寄颯馬(FPS)だろう。

それに対する七瀬本人の実力が、決して劣っている訳ではない。むしろ、歌もゲームも、十分に、人の心に訴えるものを持っていると考える。ただ一方で、自身を「成長コンテンツ」と評している通り、そのどちらも(現時点では)他者を"圧倒する"スキルを有しているとは、七瀬自身は捉えていない。Vtuberとして成功しやすい、わかりやすく代表的なスキルを高次元で備えているか?という視点に立った場合、あえて強い表現を用いれば、七瀬は「持たざる者」の側に属している(※)と言える。 

そんな七瀬が、「持たざる者」の七瀬が、現在、快進撃を続けている。持ち前の「社会性」に代表される、コツコツと続ける真面目さ・企画力・体調管理・計画性を総動員した「おはすず」というコンテンツを中心に、破天荒なキャラクターには事欠かないにじさんじというフィールドで、しかもデビュー3か月という短期間で、着実に認知度を高め、自身のポジションを築いている。

このことに快哉を上げるリスナーは多いのではなかろうか。ある意味で、七瀬はリスナーの代表者なのだ。真面目に日々を過ごし、コツコツと仕事や生活に取り組む普通の人にとって、目立った武器を持たず、学生時代~社畜時代を通じて培ったタフネスや善性、リスナーの共感を呼ぶ一般的な感性を下敷きに、「社会性」という武器一本で突き進んでいく七瀬は、「おらが村の代表」なのだ。自らを「社会性採用」と評する七瀬が、その社会性を磨き、高め、1点突破していく。愚直に基礎を高めていった結果、それが唯一無二の武器になったという意味では、斎藤一の牙突、我妻善逸の霹靂一閃に通じるものがあろう。

大げさに言えば、「真面目に頑張る人が報われる」を体現しているのが七瀬であり、それは筆者を含む、多くの特異な才を持たない普通の人々にとって、福音とも呼べる存在なのではないだろうか。少なくとも、社畜歴がベテランの域に達している筆者には、おおいに刺さりまくった。

そこに加えて、前述した「等身大」なキャラクターである。七瀬が演じている快進撃は、突飛な、派手な、いかにも主人公然とした造形をもったキャラクターではなく、一般的で、普遍で、私やあなたの傍らに居るような、しかしそれでいて、人間的な魅力に溢れた人物によって引き起こされている。七瀬が「刺さる」リスナーが多いのも、また、「Vtuber」というコンテンツに距離がありそうな会社員・主婦層に一定のファンを獲得しているのも、納得できる背景・理由があるのだと考える。

※七瀬は自身を「特に面白いことが言えるわけでもない、特別な才能もない」と卑下しているが、実際のところ、低すぎる本人評に反し、七瀬は非常に豊かなVtuberの才を持っていると考える。
雑談の幅の広さ、ワードセンス。企画力。配信力という括りにおいて、その地力は非常に高い。
また、料理という特技に関しても、持ち前の企画力と組み合わせることで、エンターテイメント性を高め、一つのコンテンツに昇華させている。
そして何より、「配信を楽しむ才能」が飛びぬけている。この点において、七瀬の才はブッ飛んでいると思う。配信が大好き、配信しないと体調が悪くなると言う七瀬。本当のところはどうなのか、実は無理しているんじゃないか、リスナーからは真実はわからない。だが、配信を観ていると、「ああ、実際そうなんだろうな」と思う。
人の真実を観る際に大事なのは、その人が「何を言っているか」ではなく、「何をやっているか」だ。それでいくと、七瀬の「やっていること」は間違いなく配信ジャンキー、配信が好きすぎる人のソレである。
「歯を食いしばって努力する人は、同じ行為を楽しむ人に絶対勝てない」と言うが、Vtuberという職業において、多くの燃え尽きた配信者が、欲して焦がれて、それでも持ちえなかった圧倒的な才能を、七瀬は持っているのだ。


5.おわりに

だいぶ遠回りした。改めてボイスの感想となるが、前述した、等身大でリスナーの共感を刺激しまくる七瀬が、今回の「お叱り&甘やかしボイス」で、日常風景という、これまた等身大のシチュエーションを切り取ったボイスを出しているのだ。解像度を徹底的に高めた七瀬が、リスナーのお尻を叩きつつ、甘々に甘やかしているのだ。

こんなんもう、絶対に刺さりますやん…

「荒唐無稽なシチュエーションに推しと二人で臨む」といったボイスも勿論最高なのだが、七瀬の真骨頂は、こういった日常に溶け込んだシーンを、二人で穏やかに過ごすようなシナリオにあるのではないかと感じた次第だ。

なお、冒頭では「一つだけ買うなら甘やかしボイス」と述べたが、それはお叱りボイスの満足度が低いという訳では決してなく、そのシーンの甘酸っぱさも大概なレベルであると言える。「面倒見のいい幼馴染が、文句を言いながらも主人公のお世話をする」ような、少年漫画によくあるシーンを想像してもらえばいい。こっちも最高ですやん。

二つのボイスをつなげることで一つのストーリーとして完成度が上がるので、もし制約が無ければ、お叱り&甘やかしの両方のボイスを手に取ってみて欲しい。EXも是非。 一緒に、壁のシミとなって叫びましょう。

(2024/11/29 12:00 追記)
ボイスを繰り返し(色んな設定を考えながら)聴いている中で、「主人公は早乙女ベリーである」という前提で聴いてみると、また格別な味わいがあったので共有したい。真っ先に七瀬に助けを求めるベリー。ベリーの部屋の汚さに怒りつつ、かいがいしく世話を焼く七瀬。「マジでベリーに彼氏できたら嫌なんだけど」と公言する早乙女ベリー厄介オタクの七瀬が、ベリーの恋人疑惑に一瞬眉をしかめるシーン。お叱りボイスのてぇてぇ度が跳ね上がった感がある。みっくすずべりぃファンは是非。

本稿が、七瀬すず菜をまだ知らない方や、彼女のボイスの購入を検討している方にとって、その背中を押すきっかけとなれば幸いである。 

それでは皆様、おつすずな~


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