公平であること
子供達が中学校に入って
初めての宿泊学習があります。
双子なので、共通の話題にこと欠かない二人は、
性別は違いますが姉弟であり、
親友であり、一番近い存在でもあります。
二人共、仲の良い子と同じ部屋になれることを願い、
毎晩、宿泊学習の話で盛り上がっていました。
それぞれの先生の考えで、部屋割の決め方も異なっていて、
片方の娘のクラスは、特に生徒の希望は聞かず
今の班のまま、ただ部屋の数より班が1つ多かった為、
その班だけが他の2つの班に分かれて、
人数調整をする様に言われたそうです。
その方法もジャンケンか、くじ引きで・・・という事でした。
もう片方の息子のクラスは、
先生が部屋割を子供達に任せてくれたそうです。
まず、部屋割りを決める代表を先生が2人選んで、
子供達を信じて、話し合いの時間を
1時間もうけてくれました。
その結果の責任は先生が全て持つと
励ましの言葉を添えて・・・。
何故か、娘の方は、そのばらばらに
分かれなければならない班に当たり、
息子の方は部屋割りを決める代表に選ばれました。
その日の朝、息子の方ははりきって、
女の子の方はドキドキしながら
登校してゆきました。
帰って来た二人に『どうだった?』と私が聞くと、
にっこり笑って
『最高 !宿泊学習 めっちゃ楽しみ』と答えました。
二人共、皆の希望を聞き、
一緒になりたい2人と3人の組を作り、
組合わせをして人数調整をしたそうです。
娘の方は、3つの班でそれを行い、
息子の方はクラス全員でそうしたそうです。
ただ息子のクラスは1班だけ
人数が1人少ない班が出来てしまい、クラスの皆に
『誰かその班に移っても良い人はいないか?』と
たずねた処ある子が
『じゃあ、僕が移ってもイイよ、僕はこっちの班でも、
そっちの班でも楽しくやれるから』
と快く移ってくれたそうです。
子供ってすごいなあ~と思いました。
公正公平である事が、一番不満が
出ない事を良く知っているのです。
その後、息子の方の先生から
こうコメントがありました。
『宿泊の部屋割が決まりました。
今回担任としては、クラスにとって、
初めての試練かなあ~と思いながら
子供達に任せて見ていました。
みんな2割我慢して、8割楽しめる
部屋割りができたではないでしょうか。
非常に有意義な1時間だったと思います。
放課後、ある生徒に会った時に、
部屋はどう?と聞くと「大丈夫」と
にっこり笑っていました。
大人が子供を信じて、励ますと
子供は本来持っている力を
最大限に発揮します。
この先生もそれを良く知っているんだなあ~と
なんだかとても胸が熱くなりました。
先日、うつ病がテーマの
病の起源というTV番組を観ました。
アフリカ タンザニアのハッザという
太古の暮らしをしている人達は
うつ病と無縁だそうです。
皆で集めた食糧や獲物を、
わけ隔てなく100%平等に分け合い、
獲物をけっして独り占めしないそうです。
彼らの暮らしは極めて平等、
だから現代社会の人が持つ様な悩みが
ほとんど無いので、
うつ病にならないそうです。
朝起きたらそれだけで幸せ、
私は家族にとても価値のある人間ですよと、
とてもいい笑顔で話していました。
ここでも、公平平等である事の
大切さを考えさせられました。
みっちゃん
※この文章は2014年に書かれました。