物価が上がれば…株価は?
明日(日本時間21:30)4月米消費者物価指数が発表される。予想は前年比+3.4%となっているが、上振れへの警戒心は、揉み合い小動きの日経平均株価やナスダック指数に表れている。
⭐︎米国株上昇はインフレと共に
確かに22年のような前年比+9%の物価上昇(インフル高進)やそれによる大幅な金利上昇は良くないが、米国での安定的な物価上昇は1994年から株価上昇と連動しているかのようである。
1994年以降の米国は、Windows95から本格的にインターネットが普及しはじめ、アップル、アマゾン、Google、メタなど世界的な企業や新たな雇用を生み出した歴史であり、それによる「賃金と物価の好循環」で株価も上昇したと考えられる。結果、米国は1994年から物価は倍!株価は10倍になった。
⭐︎次は…日本の番?
30年インフレと共に上昇した米国株に対して、日本はというと…
94年から約20年デフレ下で株価は軟調に推移したように見える。企業も中国といった高成長国に利益を求めて日本から出ていき、国内ではもの売るため利益率を削って値下げが行われた。そのためか…物価下落と共に株価は下落、軟調に。
そんな日本株の潮目が変わったのは…上表を見ると13年3月!それは日銀による異次元の金融緩和(黒田バズーカ)がスタートしたときである。
その異次元緩和は22年年末に終了し、今は利上げを懸念されるほどに金融正常化に向かっている。物価も上昇し、日経平均は最高値を更新し、物価も株価も最高値更新を30年続ける米国株のような正常化を向かえたのかもしれない。
⭐︎技術革新による景気サイクル
日銀利上げへの懸念、米大統領選挙などリスク要因で下がっても、今後少子化高齢化による労働力人口減少で賃金に上昇圧力がかかる中で、すべての人にとっての秘書や部下になる生成 A Iによる生産性向上が期待される。そういった技術革新の中で「賃金と物価の好循環」を伴う長期的な景気サイクル(コンドラチェフサイクル)を日本株の長期投資の理由として株価暴落時も忘れずにいたい。