お子さんが反射的に反抗してるなと思ったら。
中学生と話していて時折話題にあがるのはお父さんやお母さんとのケンカです。ケンカの内容はそれほど重要ではなく,興味深く感じるのはお父さんやお母さん,そして子どもたちの応答です。
とりわけ興味深いのは,子どもたちの応答のうち反射的な反抗です。反射的な反抗は一見論理的な反論をしているようで,突っ込んでいくと論理は定まっておらず程なくしてスジが通らなくなります。
お父さんやお母さんの「正論」に賛成したくないというだけで,何かしらちょうど良い理由をその場しのぎで探すのです。
(もちろんこのとき子どもたちは,自分の論理が正しいと感じており,反抗心から反論するのではなく,論理的な反論をしていると考えています)
このとき親の立場では「聴く」という気持ちをしっかりともって,最後まで丁寧に聴ききってあげることが適切です。なるほど,そんなふうに感じるのねといったん受け止めてあげて,そのうえで私はこう思うよと話をしてあげればよいと思います(これが正論であり理想です)。
しかし多くの場合「聴く」という気持ちをもってその場に臨んでいるお父さんお母さんはいません。
子どもの言うことを朝から晩まで聴いていたら,時間も足りないし,どうせ言うこときかないし,内容だってしょうもないし,そんなのいちいち聴いていられないですよね。
仕事ならいざ知らず,四六時中カウンセラーモードでいることは僕にだってできません。高名な先生方ならできるのでしょうか?いいえ,たぶんできません。
(こっちが現実であり,同時に歪んだ認知でもあります。上記のうちにいったいどれだけ思い込みが含まれているのか冷静に読んでみるとよくわかりますよね)。
ですから,まずは10回のうち1回か2回でいいので,話の途中で「聴く」ことを意識してスイッチを切り替えるようなことができるようになるといいなと思っています。
ところで,冷静に考えてみればいろんなことに気が付きます。
そもそも,その場しのぎの急ごしらえの反対理由を確実に追い詰めると,最後は結局大きな声を出すか,怒るか,叱るか,になりませんか?
彼らが冷静に自分の論理を見つめることができるのなら,最初から反射的な反抗はしてません。これがでるということは,常日頃,彼らの言動に対して否定的な関わり方が多いからかもしれません。
ひとは自分の考えを否定されたくないものです。
だから反射的に防衛しようと試みるんですね。
肯定的な関わりを増やしてあげると,逆にお父さんお母さんの言葉を素直に受け止めてくれることも増えてくると思いますよ。
コツは,「嫌味」とか「だから言ったでしょ」とか「遠回しな否定」を含まずに話をすることです。部屋が散らかっているのをなんとかして欲しいと思うならまずは「お願い」をしてみてください。次に自分が困っていることを子どもに責任を求めない形で訴えてみてください(気持ちだけ伝える)。
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