見出し画像

[Excel]作表実践編1 未対応を目立たせる管理表 ~条件付き書式で空欄セルに色付け~

【まとめ】
書類の提出状況等を把握し、未対応を目立たせるには「条件付き書式」(Alt → H → R → N )を使い、「空欄セルに色を付ける」(データが入力されたら自動で色が消える)。

セルの色は自動で消える

空欄が目立つので、
・未対応が分かりやすい(単なる空白は見逃しやすい)。
・未対応者への督促になる(共有サーバ等へ掲載できる場合)。


【説明】
組織内のメンバーや関係部署に各種書類の提出を求めることは多々あります。
対応(提出)の有無の管理は意外と面倒。
一目で状況がわかると便利です。
空欄は目立つように色付けして、対応日を入れたら手動で色を消す、なんてことをやっている人もいるかと思いますが、色消しが自動で出来ると便利です。

これ、簡単にできます。


入力されたらセルの色を自動で消す

以下、長々とした説明になりますが、元の表ができていれば、2~3分も掛からない作業です。

①まず表を作ります。
例えばこんな感じ。

氏名でIの次のJが抜けてました
失礼しました

A列には連番を入れておいた方が色々と便利でしょう。

ROW関数で連番を入れています。
行削除しても飛び番になりません。
これについては別記事にします。

②表の左上の入力セルを選択(クリック)したら、以下の操作で「条件付き書式」の「新しいルール」ウィンドウを開きます。

Alt → H(ホーム) → L(ルール)→ N(新しいルール)
*ルールはRULEですが、なぜかLです。
Rは割り当てられていないのに不思議です。

Alt → H → L で上のようになります。

Nを押すと以下のとおり「新しい書式ルール」ウィンドウが開きます。これは「条件付き書式」ウィンドウの一つです。

③ 二つ目の「指定の値を含むセルだけを書式設定」を選びます。マウスを使わなくても、下矢印(↓)で移動できます。↓↓↓

④ 次にTabを1回押すと、カーソルが「次のセルのみを書式設定」の「セルの値」に移ります。

⑤ この状態で下矢印(↓)を押すと、プルダウンが出るので、「空白」を選びます。

⑥ すると、「空白」の右側の欄(「次の値の間」)が消えます。

⑦ 上の状態からTabを1回押して「書式」に移動したらEnterを押します(右下の「書式」をクリックしても、Alt+F でも、どれでも構いません)。

すると、おなじみの「セルの書式設定」が開くので、セルが空欄の時に付けたい色を選びます。
下の図では黄色にしています。

好きな色を選んだら、右下の「OK」を押しまs。「プレビュー」で色がついていることを確認できたら、右下の「OK」を押します。

⑦ そうすると、C2セルに色が付きます。↓↓↓

⑧ 後は、C2セルを他のセルにコピーすればおしまいです。
既に他のセルにデータが入っている場合は、「書式のみコピー」します。
(Ctrl+Vからの Alt → E → S → T → Enter がおすすめ)

これで、セルにデータを入力すると、セルの色が自動で消えます。↓↓↓

これは、セルにデータが入ることで、条件付き書式で設定した「セルが空白(空欄)なら黄色にする」という条件を満たさなくなったからです。

なお、上の表のセルは、あらかじめセルの書式設定で「月/日」形式の書式にしてあります。
(C2セルで設定しておけば、コピーの際、他のセルにも反映されます。)

「月/日」は和暦表示では選択できません。


「月/日」形式にしなくても「Ctrl +;」で今日の日付を入れれば、日付形式で表示されますが、通常は「西暦年/月/日」となってしまいます。例 2024/10/22

(参考)まだ日付の入力で消耗しているの? 日付は1秒で入れる


最初から表全体を選んでおいてもいい

上の方法では、1つのセルに条件付き書式を設定し、その後、他のセルに書式をコピーしました。
しかし、最初から「表全体」を範囲指定しておけば、表の全部のセルにいっぺんに条件付き書式を設定できます。

方法は簡単。
最初に表内のどこかのセルをクリックした後に、Ctrl + A を押すだけ。

Ctrl+Aを押すと
表全体が範囲指定されます。

この状態から 上の②と同じく Alt → H(ホーム) → L(ルール)→ N(新しいルール)で「条件付き書式」を設定していきます。

この場合、Ctrl + A で表全体を指定しているので、表頭・表側(縦横の項目名)のセルにも条件が適用されています。
試しに6番目の「F」という文字を消してみると・・・

空欄になったため、セルが黄色くなりました。

一番左上のA1セルも空欄のままなので色が付いており、カッコ悪いので、NOと入れておきます。

A1にNOと入れると
セルの黄色が消えます

最初に表全体を範囲指定しておくとセルをコピーする必要がないので楽でしょう。


★他の方法★
以下でも同じ結果になります。
敢えてやる必要はありませんが、複数のやり方があるということを知っておくといいかと思いますほかの人の設定した「条件付き書式」が理解できる等)。

・別解その1

上の①~③の後、
④ Tabを押して、カーソルが「次の値の間」に移動したら・・・

⑤ 下矢印(↓)を押してプルダウンを出し、「次の値に等しい」を選びます。

「次の値に等しい」を選び、「OK」押下

⑥ Tabを1回押して、右の欄にカーソルを移動して、以下の通り入力します。
=""

="" と入力

「""」は空欄を表します。
この時、「=」を忘れないでください。
「次の値に等しい」と書いてあるのに「=」を入れなければいけないのは変ですが、そういうものだと思ってください。

⑦ 後は同じように右下の「書式」から色付けを行います。


・別解その2

①~③の後、
④ 一番下の「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択 ↓↓↓

⑤ その下の「次の数式を満たす場合に値を書式設定」にカーソルへ移動。
Tabキーでカーソルが移動します。

そうしたら、以下のとおり入力します。
=C2=""

直接「=C2=""」と入力すれば問題ありませんが、
=の後にC2セルをマウスでクリックすると、
=$C$2 と入ります(絶対参照)。
このままだとコピーした際に問題が生じるので、F4キーを2回押して「=$C$2」を「=C2」にします($が2つとも消えた「相対参照」になります。)。
*絶対参照:コピーしても計算式の元のセルは変わらない。
 相対参照:コピー先の場所によって元のセルも変わる(ずれる)。

「=C2」となったら「=""」と手入力して「「=C2=""」とします。
⑥ 後は同じように「書式」から、空欄セルに付ける色を選びます。


空欄セルの数を数える

未対応の人が何人いるかは気になるところ。
いちいち色付きセルを数えなくても、自動で算出できます。

空欄セルの数は以下で出せます。
=COUNTIFS(範囲,"")
範囲の中の空欄(””)を数えます。

=COUNTBLANK(範囲) でも算出できます。
COUNTBLANK関数は、ブランク(空白)を数える関数なので、COUNTIFSのように検索対象として空白(””)を設定する必要がありません。
個人的には、COUNTIFS関数でも空白数を調べられるので、COUNTBLANK関数は覚えなくてもいいと思っています。覚える関数は少ない方がいいので。

余談ですが、COUNTIFSは使っても、Sなしの「COUNTIF」は使わないように。
Sなしの「COUNTIF(範囲,"")」でも同じ結果になりますが、だったら複数条件を設定できる COUNTIFS の方が応用が利きます(後で条件を追加できる)。
無駄な関数を覚える必要はありません。

設定した条件を確認・修正する方法

設定した条件を確認・修正するには、
Alt → H → L → R と操作します。
「条件付き書式の管理」ウィンドウが開きます。

該当の条件(ここでは1つだけ)をクリックすると、「書式ルールの編集」ウィンドウが開き、条件の詳細が表示されます。

必要に応じて修正(セルの色を変える等)します。

条件付き書式を削除(クリア)する方法

条件付き書式を削除(クリア)するには、
Alt → H → L → C(クリア)を操作します。
下の表示が出たら、
「選択したセル」だけルール(条件)をクリア(削除)するか、
「シート全体」から削除するか選びます。

上の方法以外でも、条件付き書式の設定がないセルをコピーして「書式」だけ貼り付ける、という方法もあります。


自分以外の人に入力してもらうなら「説明」を入れる

内容にもよりますが、表を共有サーバに置くことで、対象者各自が見る&入力することができると、とりまとめの手間が省けます。
未対応者への暗黙の督促にもなります。

ただし、自分以外の人に入力を求める場合は、「説明」が必要です。
簡単なことでも「説明」がないと、間違ったり、焦ってしまいますので。
特に、数式がセル自体や数式バーに表示されるのと異なり、条件付き書式は、見た目にはどうなっているのかわからないため、「説明」は重要です(後任に引き継ぐ場合は特に)。

「説明」のつけ方は3つ

「説明」の記載方法は3つあります。

①表の枠外のセルに記載
一番簡単です。
ただし、小さなデメリットが2つ。
・印刷の際に説明も印刷される。
・どのセルのことか分かりづらい(対象のセルと説明が離れてしまう場合)。


②セルのメモ(コメント)機能を使う
セルを右クリックすると、選択肢がたくさん出てくるので、「メモの編集」を選びます。
(バージョンによっては「コメントの編集」)

「三」キーを押しても出てきます。
私のキーボードには「または
「三」キーがないのですが・・・。

メモが入力できるので、説明を入れます。
例えばこんな風に。

メモはセルにカーソルを当てると出ます

このメモ、セル全部に付けてもいいのですが、ちょっとうるさいかも。
項目だけに付けておくのも手です。
ただし・・・

③オブジェクトで入れる

項目だけについているメモは、意外と見てくれません。
いっそオブジェクトで貼り付ける方法もあります(オブジェクトは「挿入」の「図形」から選択)。

①の表の外のセルに記載するのとほぼ同じですが、オブジェクトの利点として以下があります
・コピーしやすい(セル幅等に依存しないので)
・印刷しない設定にできる
右クリック → サイズとプロパティ → (左下の)プロパティ → 「オブジェクトを印刷する」の☑を外すことで、印刷されません。

私は入力表での「説明」や「注意点」は印刷しないオブジェクトを多用しています。


リンクも付けられる

項目やオブジェクトにはリンクも付けられます。

項目の文字やオブジェクトを指定したら、
Ctrl+K を押すと「ハイパーリンクの挿入」ウィンドウが開きます。

WEBサイトや、内部サーバならURLやディレクトリ(パス)をコピーして「アドレス」欄に貼り付けして「OK」。
同じエクセルファイル内の別シートに移動させたかったら「このドキュメント内」をクリックしてから、該当のシートを選んで「OK」。
簡単です。
*後者の場合、シート名を変更するとリンクが切れるので、再度リンクを張る必要があります。


以上で説明は終わりです。

入力されたらセルの色が消える設定は応用が利く

今回は、提出管理用の表として説明しましたが、この「入力されたらセルの色が消える」という条件付き書式の設定は色々と応用が利きます。
一番は、照会様式の入力欄に設定することでしょう。
これにより、入力漏れを減らすことができます。
手で入力する欄と自動で表示(計算)する欄とが混在する様式では特に有効です。

以上、参考になれば幸いです。

【免責】上記ファイルを用いて何らかの損害が出た場合も当方では責任を負えませんので、あらかじめご了承願います。

(参考 2日 4h)









いいなと思ったら応援しよう!