[Excel]激推し:ファイルを引き継いだらやること ⑤計算式(参照しているセル)を確認する その2「参照元のトレース」
[Excel]ファイルを引き継いだらやること シリーズ その⑤の2
【まとめ】
・セルの参照元(そのセルを使っているか)」を調べる方法
「参照元のトレース」( Alt ⇒ M ⇒ P )
・セルの参照先(どのセルで使われているか)を調べる方法
「参照先のトレース」( Alt ⇒ M ⇒ D )
・トレースを消す方法
「トレース矢印の削除」( Alt ⇒ M ⇒ A )
【説明】
前の記事「ファイルを引き継いだらやること ⑤計算式(参照しているセル)を確認する その1」で、F2を押すと参照セルに色が付く、けれど、分かりづらいと書きました。
こんな ↓↓↓ 具合です。
そのため、私がセルの参照元を調べる(確認する)際に多用しているのは「参照元のトレース」です。
こんな ↓↓↓ 具合です。
どのセルを参照しているのか、●と線と→で示します。
これならセルに色がついていてもわかりやすいでしょう。
「参照元のトレース」を出す方法
「参照元のトレース」を出す方法は簡単です。
多分1~2秒。
セルを選択したら、
Alt ⇒ M ⇒ P
以上
Alt ⇒ M(数式)で以下が表示されます。
小さくて分かりづらいのですが、真ん中ちょい右に「参照元のトレース」と出ます。
この後、P を押すと、トレースの → が出てきます。↓↓↓
SUM関数など範囲を指定をしている計算式の場合は、範囲が太い青枠で囲まれます。↓↓↓
これならセルに色がついていてもわかりやすいでしょう。
複数セルの同時表示もできる
F2押下で参照元セルに付いた色は、他のセルを選択すると消えてしまいます。
しかし「参照元をトレース」では他のセルを選択しても → は消えません。
他のセルを選択して同じ操作をすると、そのセルの参照元も → 表示されます。
従って、複数のセルの計算式の参照元を同時に確認できます。
参照元を辿っていける
例えば「合計」セルが何を参照しているかを確認するためには、「合計」セルを選択して Alt ⇒ M ⇒ P で以下の通り表示されます。
「合計」欄は、「金額」欄の縦計ということが分かります。
この状態で、再度、Alt ⇒ M ⇒ P と押すと、参照元のセルが、何を参照しているかが分かります。
つまり・・・
各行の「金額」欄は、「単価」と「枚数」を参照していることが分かります。
この2つをどう計算しているかは(足しているのか、掛けているのか等)、数式バーを見ないと分かりませんが、どのセルを使っているか一目でわかるので、大変便利です。
なお、Alt ⇒ M ⇒ P を押す度に参照元を遡って表示しますが、あまりやると → だらけになってしまいます。
「参照元のトレース」を消す
「参照元のトレース」を消す場合は、
Alt ⇒ M ⇒ A の順で押します。
Aではなく、E(イレース/消す)だと分かりやすいのですが、Eは「日付/時間」に割り当てられてしまっています(なぜ?)。
トレースの → はファイル保存でも消えます。
私は、「A」がなかなか身に付かず、代わりに上書き保存(Alt ⇒ F ⇒ S)により→を消しています。当然ですが、上書き保存されますので、おすすめはしません。私のクセです。
「参照元のトレース」の弱点
数式によっては、いろんなセル(や行・列)を参照しているため、→ があちこちに表示されます。
下の図はXLOOKUP関数の参照元を表示させたものです。
B3セルの「A4白黒」と同じデータをG列から探して、その行のH列にあるデータを表示する(返す)、という計算式のため、こんな結果になっています。↓↓↓
上の図のように参照するデータが同一シート内にあると分かりやすいのですが、通常、単価表のようなものは別シートにしておくべきです。
そうなると・・・
単価は「単価表」という別シートを参照する計算式にしてあります。
これをトレースすると、上のようになります。
このように、別シートを参照している場合は、点線と小さな表マークが出ます。
これが「別シートを参照」という表示でです。
この状態で参照しているシートを見ても、何も表示されていません。
このように別シートのセルを参照している場合、別シートのどこを参照しているかまではわからず、ここが「参照元のトレース」の弱点ともいえます。
とはいえ、●と→と太青枠で、参照セルが目視できるのは大変便利です。
「このセルはどこかで使われているか」(参照先のトレース)も分かる
「参照元のトレース」は「このセルはどのセルを使って計算しているか」ということですが、反対に「このセルは他のセルの計算に使われているか」を調べることもできます。
これが「参照先のトレース」です。
例えば、こんな ↓↓↓ 感じ。
D3の「230」という数値は、 横にも縦にも使われていることが分かります。
どう計算されているかはまでは分かりませんが、「使われているか否か」が分かるだけでも便利です。
なお、調べようとするセルが、他のセルで「範囲選択」されて参照されている場合は、こんな風 ↓↓↓ に表示されます。
H3セルは、実際は「A4白黒」の単価(C3セル)にのみ使われていますが、C3セルはXLOOKUP関数でH列を範囲指定しているため、上のような表示になります(下図参照)。
H列の他のセルでも同じ表示になります。
こうなってくくると、もはやよくわかりませんが、「参照抜け」の有無を見ることは可能でしょう。
なぜかメジャーじゃない?「トレース」
このように「参照元のトレース」「参照先のトレース」は大変便利です。
表示も簡単。1~2秒。
なのに、なぜかあまり知られていない気がします。
以前スタッフにこのやり方を示したら「すごーい! 今までで一番役に立つ」と驚かれました(ショートカット等はちょこちょこと伝えていたのですが…)。
確かに便利ですが、そんなに?と思った記憶があります。(そういえば、そのスタッフは常に眉間に皺を寄せて数式バーで計算式を確認していたようでした。)
インスタグラムなどでは様々なショートカットが紹介されていますが、いまだに、この「トレース」を扱ったものに私は出会っていません。動画的には結構「映える」と思うのですが、皆さん知らないのか、使わないのか、興味がないか・・・。
計算式の確認には必須の機能
個人的には、計算式を作っている際に、間違いがないか確かめるために、「トレース」はよく使っています。
「よく」というよりも、「計算式を作ったら、トレースで確認」が基本です。
うっかり&目が悪い私には、なくてはならない機能です(主に使うのは「参照先のトレース」)。
今回は前任が作った計算式の確認の方法の一つとして示しましたが、自分で計算式を作っていく際の確認に大変役立つので、是非ご活用ください。
例)トレースで計算式のミスが分かる例
小さくて分かりづらいと思いますが、「会議室の利用件数と利用者数」の月別集計だとして、
「い会議室」は、5月の利用件数が抜けていることが分かります。
以上、参考になれば幸いです。
(作業 1日 2h)
なぜか知られていない?「参照元のトレース」