[Excel]エクセル御法度 100を掛けてパーセント表示してはいけない
【まとめ】
・100を掛けて、%表示にしてはいけない。
・Ctrl+Shift+5で、%表示にしてはいけない。
・Alt →H → P で%表示にする。
・Alt→H→0(ゼロ)で小数点以下を出す。
【説明】
「お役所」ではパーセント表示を多用します(一般企業もそうでしょう)。
割合や比率(全体比や前年比、増減率等)は、通常「1」以下の小数になります(前年比は「1」以上もありえます)。
全体(比較対象)を「1」とするためですが、分かりづらいですよね。
そのため、パーセント表示を用いるのです。
パーセント表示しない場合・・・
全体を1として全体比(構成比)を出しても、ピンときません。
上の表をパーセント表示にすると
こちらの方が分かりやすいでしょう。
100を掛けて%表示にしてはいけない
割合や比率に100を掛ければパーセント表示になりますが、これはお勧めしません。
理由は2つ。
1 計算式が複雑になる。
計算式に「*100」を追加するだけですが、計算項目が増え、手間もミスの恐れも増えます。
計算式(計算項目)は少ないのが理想です。
2 パーセントを使った計算の際に誤りが生じやすい。
0.2は20%ですが、「現在値の20%」を出すには、
「現在値×0.2」が正しく、
「現在値×20」は誤りです。
「現在値の20%増」を出すなら、
「現在値×(1+0.2)」が正しく、
「現在値×(100+20)」や「現在値×(1+20)」は誤りです。
(例)
R4→R5の増減率を用いて、R6の人数(推計値)を算出したい場合
パーセンテージ(20)をそのままR5の人数に掛けると、とんでもない数になります。(こんな内容なら簡単にミスに気付くでしょうけれど。)
割合や比率に100を掛けてパーセントを出している場合、
現在値×20/100 というように、100で割る必要があります。
しかも、この場合の20は前年比ではなく増減率なので、「現在値×(1+20/100)」とする必要があります(現在値×1.2になります)。
この辺りは小学5年生レベルの算数ではありますが、計算式がなおさら複雑になり、手間もミスも増えます。
3 単位が付かない
比率に100を掛けても%は付きません。
上の表のように、右肩に単位を付けているものをよく見かけます。
これだと数値を見て、単位を見て、と二度手間です。
パーセント表示の後ろには「%」が付いた方が、数値の意味がすぐ分かります。
パーセントは「セルの書式設定」で表示する
100を掛けないなら、どうするか?
「セルの書式設定」で「パーセント」表示にします。
Ctrl + 1 →「セルの書式設定」→「表示形式」→「分類」欄で「パーセンテージ」を選択→「小数点以下の桁数」欄に入力「OK」でセルの数値がパーセント表示になり、%が付きます。
パーセントは Alt → H → P で表示する(推奨)
この操作は、以下でもできます(推奨)。
Alt → H(ホーム) → P(パーセント)
*「→」は順番押し。前のキーを離してから、次のキーを押します。
パーセントは Ctrl + Shift + 5 で表示しない
次のショートカットでもできます。
Ctrl + Shift + 5
*「+」は同時押し。3つのキーを同時に押す。
ただし、この「3キー同時押し」はお勧めしません。
理由は
①3キーを同時に押すと指がつる(人による?)
3つのキーを同時に押すのは運指的にも無理があります。
「5」は左手人差し指のホームポジションの「F」から離れているので、手首を前に出す必要があります。
指だけでなく手首を動かすのは負担です。
そもそも、左手だけでどうやれば、これらの3キーを同時に押せるか分かりません。
Ctrlを小指、Shiftを薬指で押したとして、人差し指で5を押すのは至難の業です。手首の腱がピキピキします。
右手で Ctrl(とShift)を押しながら、左手で5を押す、という方法もありますが、両手で3キーを同時に押すことは無意識にはできません(私には)。
②3つのキーの組み合わせを覚えるのが面倒
「5」の上には「%」があるので、この3つの組み合わせ自体は比較的覚えやすいでしょう(押しやすいかは別にして)。
ただし、基本的に「3キー同時押しショートカット」はできる限り使わない方が賢明です。
覚えるのも、押すのもが大変だから。
特に、数字キーを押すショートカットは無意識には押しづらいでしょう(人による)。
ついキーボードを見てしまい、頭(思考)も指もストップ、目線も画面から離れてしまい、効率的とはいえません。「時短」の逆です。
それに、
Ctrl + Shift + 5 と押すつもりが、
Ctrl + Shift + 4 と押してしまうと、数値に「¥」が付いてしまいます。
「4」の上は「$」ですから、アメリカ版のエクセルなら$が付くのでしょうね。
Ctrl + Shift + 5 と押すつもりが、
Ctrl + Shift + 6 と押してしまうと、セルに罫線が付いてしまいます。
(これは私もよく使う「例外的な3キー同時押しショートカット」の一つです。)
間違えたら、Ctrl+Z で取り消せばいいのですが、ちょっとイラっとします。
その点、
Alt → H(ホーム) → P(パーセント)
なら、Alt → H(ホーム) はよく使うので無意識に押せます。
Alt → H(ホーム) の段階で、ツールバーには次に押すべきローマ字が出ます。
次に押すキーを忘れていても、これを見れば思い出します(ローマ字がたくさん出すぎて「ウォーリーを探せ」状態ですけど)。
AもHもPも、ブラインドタッチ(タッチタイピング)で押しやすいキーであり、かつ、同時に押す必要がないので、運指的にも極めて楽です。
ですので、数値をパーセント表示にするのなら、Alt → H(ホーム) → P(パーセント)の一択です。
「Alt → H → P は初心者向けであり、時短を極めるなら3キー同時押し」と主張しているサイトもありますが、どう押すかの指南はありませんでした。
インスタの動画でも3キー同時押しショートカットは多々出てきますが、こちらも「押し方」はなし。
「実際に使ってんのかいな」と思ってしまいます(失礼)。
3キー同時押しショートカットが嫌いなので、つい、話が長くなってしまいました。すみません。
Alt → H → 0(セロ)で小数点以下を表示する
上記のAlt → H → P で%表示になりますが、小数点以下が表示されません。
通常は小数点以下第1位まで表示しますので、
Alt → H → P に続けて、
Alt → H → 0(ゼロ)を押します。
これで、小数点以下第1位まで表示されます。
「セルの書式設定」の際、「小数点以下の桁数」欄に「1」と入れてもいいのですが、上の方が楽でしょう。
Alt → H → 0 を押す度に小数点以下の桁が増えます。
Alt → H → 9 で小数点以下の桁数が減ります。
パーセント表示をした後は、小数点以下の桁数を表示するので、やはり、
Ctrl + Shift + 5 よりも、
Alt → H → P の方が、その後の Alt → H → 0 にスムースに移れるでしょう。
パーセント表示の弱点は、%が表示されること
「セルの書式設定」や「Alt → H → P」でパーセント表示にできますが、弱点もあります。
それは「%」が表示されること。
「何言ってんの?」と思う方もいるでしょうけれど、実務をやっているなら「そうそう」と首肯していただけるのではないでしょうか?
というのも、「セル内の数値に単位を付けない」表が結構あるからです。
上でお示ししたとおり、こんな表です。
なぜか「お役所」では、こんな表がまかり通っています。
人数と増減率が入っているセルには単位がなく、右肩を見ないと単位が分かりません。
この位の表なら問題ありませんが、複雑な表になると、数値を見ても、何を意味するかパッとは分からず、「右肩を見て、そして改めて数値を見て、何を意味するか(どの単位を使うか)考える」というタイムラグが生じます。
「人数」なら「人」ということはわかりやすいですが、これが面積(K㎡、ha、㎡)や金額(千円、百万円)、多様な数え方(頭、匹、羽、尾、双、基、台、輛、艘、隻・・・)などだと項目名や数値だけ見てもわかりません。
これは、以下のようにすれば、タイムラグは最小化できます。
パーセントをカッコで括り、かつ、文字サイズを少し小さくすると、見やすくなります。
いっそ、人数の単位「人」も数値と一緒に表示してみます。
パーセント表示をカッコに入れる方法については、
「作表の基礎 カッコのつけ方(応用編2) パーセント付きカッコ( %)の作り方」で詳しく説明していますので、是非ご覧ください。
実数も、参考数値であるはずのパーセントも、数値のみの表示で、しかも同じ文字サイズで、かつ、それぞれを罫線で囲む。
そんな表が散見されますが、これは表を見づらくするだけです。
なぜか、「お役所」はこの形式から抜け出せません。
一番最後の例にあるように、単位(パーセント以外のもの)をどこにつけるのがいいかを含め、この辺りは改めて記事にしたいと思います。
そこが、このサイトの目的の一つです。中々たどり着けませんが。
【関連記事】
・パーセントの出し方、表示方法(全体比、対前比、増減比)
・作表の基礎 カッコのつけ方(応用編2) パーセント付きカッコ( %)の作り方
(参考)作業時間 2日 4h
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