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[EXCEL]「見やすい一覧表」のために行う10+3のこと

【まとめ】
目次の通りです。



【説明】
前記事「表作成の基本 一覧表を配って「ドンクサ」ラベルを貼られないために! ①見やすさ、②入力しやすさ、③集計しやすさ に注意!」の続き、「①見やすさ」の深掘りです。

「見やすい」一覧表にするには、以下を行うとよろしいかと思います。
注:今回は基本ということでテーブル化は想定しない説明です。

1 A列に通し番号(連番)を入れる

連番付けは事務処理の基本です。
一覧表を作るなら、必ず1番左のA列に連続した番号(通し番号)を入れます。
別セルに固有番号(ID等)があっても、連番は入れておくと何かと便利です。

「連番入れ」には、SEQUENCE関数やROW関数を使うと楽ですが、並べ替えで問題が生じるので、後で「値のみ貼り付け」しておくとよいでしょう。

連番付けの方法は色々あるので、詳細は別記事にします。


2 画面上で項目(表頭・表側)を常に表示させる

初期設定では、画面をスクロールすると項目(表頭・表側)が見えなくなってしまいます。

例えば、下の表。
いつも使わせてもらっている茨城県の宿泊施設の許可一覧です。
最初は項目(表頭と表側)が表示されています。

しかし、タテ・ヨコにスクロールしていくと・・・

項目が見切れてしまい、どのセルが何を意味するのか分からなくなてしまいます。

それを防ぐために、項目(表頭・表側)を常に表示させます。時間は5秒。

(手順)
①入力範囲の一番左上のセルをクリック
②Alt ⇒ W(表示)⇒ F(ウィンドウ枠の固定)⇒ F
*解除する場合も同じ操作


これで、スクロールしても常に項目が表示されます。

(注意)
・常時表示する部分を多く取りすぎると可動範囲が狭くなります。
・特に大画面の人が常時表示の範囲を多く設定してしまうと、小画面の人は「画面が動かない!」と焦ってしまう場合があります(常設表示範囲だけで画面が一杯になってしまうため。経験多々)。


3 印刷時に項目(表頭・表側)を常に表示させる

上の2の設定で画面上で項目を常時表示させても印刷には反映されません。
印刷の際、2ページ以降には項目名が出ないと、何の項目かわからなくなります。

上と同じ例を、印刷プレビュー(Ctrl + P)で、後の方のページを見てみると・・・

印刷プレビュー画面です
小さくてすみません。

項目が印刷されていないので、どのセルがどの施設を差すのか分かりません。
保存用に大量印刷しても、これでは役に立ちません。
これを防ぐ方法は以下の通り。約1分。

(手順)
① Alt ⇒ P(ページレイアウト)⇒ I(印刷タイトル)

②「タイトル行」(表頭)と「タイトル列」(表側)をクリックしてから、表示したい行・列を選択

常に印刷させたい範囲の
行と列を選択
手入力しなくても、
該当の行や列をクリックすれば入ります

これで、常に指定した項目が印刷されます。

ただし、常に印刷される分、ページ枚数が多くなる場合があります。


4 表頭の項目の幅は短めに(折り返し表示を利用)

項目名が長いと表が長くなり見づらくなりなります。
セル内のデータが短いのなら、項目を折り返して短くします。
原則として、改行は使いません(計算式で不具合が生じるため)。

例えば、この例。
「営業の種別
(旅館・ホテル/簡易宿所/下宿)」と、長いうえに、改行されています。

「セルの書式選択」(Ctrl+1)から「配置」を選び、「□折り返して全体を表示する」に☑を入れます。

改行を削除したうえで、セル幅を縮めると・・・

無駄なスペースが少なくなります。
どの位縮めるかは入力される項目次第。
折り返しが複数行になって見えなくなったら、セルの高さを調節します。

余談ですが・・・
以前、横に長い表を作っているスタッフがいました。セル内はシンプルな数値なのに項目名がやたら長く、しかも、表側の項目名は1枚目にしか印刷されていない。
その人は、印刷した用紙を横に並べて貼っていき、まるで「絵巻物」のように丸めて持っていました・・・。
上司の前でそれを広げるのは、中々サマになってましたが、、、

5 表名(タイトル)は、セル結合によるセンタリングをしない(左寄せ推奨)

表名(タイトル)は左にあった方が見やすいでしょう。
センタリングしたければ「指定範囲で中央」にします。これは、よく紹介されていますね。

(手順)
センタリングしたい範囲を選択 ⇒ セルの書式設定 ⇒ 配置 ⇒ 「横位置」の「選択範囲内で中央」を選択)

セル結合は計算式等で不具合が生じるため使いません。
*タイトルはない方がいい、という考えもあります。ピボットテーブルを利用するなら、ない方がいいでしょうし、ヘッダーで付けとけばいいという考えもあります。ヘッダーだと印刷しないと間違いに気づかないこともあるので、ここら辺は悩みどころですが、とりあえず、「見てもらう」表ならタイトルはあった方がいいでしょう。

6 シート名は分かりやすいものにしておく

「Sheet1」のままはダメです。
何が分かりやすいかはファイル名やほかのシートとの兼ね合いによります。

7 空白シートは削除しておく

「Sheet2」や「Sheet3」があると、受け取った側は、「何かあるのかな」と疑問に思ってしまいます。空白シートなら削除しておきます。
作業用に空白シートを必要とする場合は、「作業用」などとしておけばいいでしょう。


8 見やすいフォントを使う(游ゴシックは使わない)

ここは色々と意見があるでしょうけれど、今のところの私なりのベストチョイスです。
游ゴシック(初期設定)は文字サイズが小さいと薄くて見づらいので、避けましょう。

(推奨)
日本語は「MS P ゴシック」、英数字は「Arial」

(手順)
・ 全画面選択 ⇒ 右クリック ⇒「MS P ゴシック」を選択 ⇒ 再度「Arial」を選択

*日本語にはArialが適用されないので、英数字のみArialになります。
逆順だと全部ゴシックになってしまいます。
*MSゴシックは「汚い」との評もありますが、游ゴシックよりは見やすいでしょう。
*メイリオ(明瞭)やUD(ユニバーサルデザイン系)フォントを使う手もありますが、横幅を取りがちです。
*明朝は見づらいけれど、表としてWordに貼り付ける場合等は「地の文」に合わせる観点から明朝が用いられるでしょう。
*文字サイズは11pt、行の高さは14~18位がいいかと思います。フォント関連についてば別途考察します。


9 ファイル名・日付・ページを自動印刷させる

印刷した際、「何のファイルか」「いつ印刷したものか」、複数枚あれば「何ページ目か」が分かった方が便利です(データは印刷すると集計ができないので、印刷はなるべく避けたいところですが、起案資料やデータのバックアップで必要になる場合があります)。

手順:ヘッダーで右上に印刷日時を表示

① Alt ⇒ P(ページレイアウト) ⇒ I(印刷タイトル) ⇒「ページ設定」が開く
②「ヘッダー/フッター」タブを選択 ⇒「ヘッダーの編集」をクリック 
③「右端」欄をクリック ⇒「日めくりカレンダー」マークをクリック ⇒ スペースを入れる ⇒ 「時計」マークをクリック ⇒右端欄に以下の通り入る 

④ OK ⇒ 印刷プレビューで見て、以下の通り入っていることを確認する(日時はリアルタイム)。

手順:フッター中央下にページ(○/○)を入れる

① Alt ⇒ P(ページレイアウト) ⇒ I(印刷タイトル) ⇒「ページ設定」が開く
②「ヘッダー/っフッター」タブを選択 ⇒「ヘッダーの編集」をクリック 
③「中央部」欄をクリック ⇒ 「ページ」マークをクリック ⇒ 「/」を手入力 ⇒ 「総ページ」マークをクリック(マークはいまいちわかりづらい)
④ 「中央部欄」に下の通り入力されたことを確認
⑤プレビューで確認

単にページ番号だけ入れてもいいのですが、総ページ数を入れることで、全体の中の位置が分かる方が便利です。

手順:フッターで右下にファイル名を入れる

① Alt ⇒ P(ページレイアウト) ⇒ I(印刷タイトル) ⇒「ページ設定」が開く
②「ヘッダー/っフッター」タブを選択 ⇒「ヘッダーの編集」をクリック 
③ 「左側」欄をクリック ⇒  「ファイル名」マークをクリック ⇒ スペース ⇒「シート名」マークをクリック(マークがなんだかわかりづらい)
④ 「右側」欄に以下の通り入っていることを確認
⑤「OK」⇒「印刷プレビュー」で確認

*フォルダ名を入れることも出来ますが、パスが表示されるため、長くなりがちです。

(注意)
ヘッダーやフッターには固有の文言を入れることも可能です。

ただし、あまりオススメしません。

なぜなら、ヘッダーやフッターは画面では見えないので、その存在に気がつきません。

そのため適切でない(間違った)文言が入ったまま、配布or相手に送ってしまう恐れがあります。
フッターに「○町」と入れたまま「△町」に送ってしまった、なんてこともあり得ます。

ファイル名と連動したフッター/ヘッダーなら、そのミスは減りますか、内容が機微なものの場合は、印刷プレビュー、あるいは実際に1枚印刷してみて問題ないことを確認した方が安心です。


日付や時間も、会議資料等で使う場合はないほうがいい場合もあります。
一方、予算資料などのように、何度も紙提出する資料にはあると便利です。

日付や時間はフッター/ヘッダーではなく、普通のセルに入れて上でグループ化し、印刷の時だけ隠す方法もあります。


ページに関しては2枚以上の場合は、付けておいた方がわかりやすいでしょう。


(別解)
ファイル名や印刷日時は、関数を用いてセルに入れることも可能です(推奨:タイトル行の一番右等)。
この場合、ファイル名や印刷日時等が画面上で確認できるというメリットがあります。

・日付:=NOW()
*リアルタイムの時間ではありません。ファイルを開いた/保存した日時等となります。
*「セルの書式設定」で「ge/m/d h:mm」とすると「R7/2/13 16:12」等となります。

ファイル名:
=@CELL("filename",A1)
又は=RIGHT(@CELL("filename",A1),LEN(@CELL("filename",A1))-FIND("]",@CELL("filename",A1)))

*上はパスも表示されるので長くなる。
 下はファイル名だけが表示される(上の内容からパス部分を取り去っている)。
下の「A1」は他のセルでも構いませんし、入力するセルは「A1」でなくても構いません。


10 余白を取る(ファイリング、余白処理用)

A4タテなら左を、ヨコなら上を広く取ります(穴空けスペースや余白処理用)。
「ページ設定」の「余白」から設定可能です
(Alt ⇒ P ⇒ I ⇒「余白」)

*「余白処理」とは、余白の部分に押印欄を設けて起案・回覧等する簡易的な事務処理です。
*両面印刷想定なら下の余白も同様(穴が開くスペース)に取ります。

★ページレイアウトを弄っていておかしくなってしまったら「標準」に戻す。

Alt ⇒ W(表示)⇒ L(標準)

というわけで、とりあえず「見やすい一覧表」の基本でした(一部、別記事扱いにしてしまっていますが)。

上を全部やっても、多分5分位。
簡単です。
とはいえ、毎回やるのは面倒です。


「ひな形」を作っておくと楽

8,9,10は、毎回設定するのは手間なので、「ひな形」を作って、それを使い回しすると楽です。どの一覧表にも共通しますから。
「ひな形」については、他にも思うところがあるので、いずれお示ししたいと思います。



ファイルを渡す前(保存する前)にやる3つのこと(おまけ:だけど大事)


1 見てほしいシートを選択

Ctrl + Fn + ↑/↓ 又は F6 ⇒ →/← ⇒ OK


2 セルを左上に戻す

Ctrl + Home 又は Ctrl + FN + ←
*HOMEキーがない場合、FNと←の同時押しで同等となる

3 画面倍率を100%に戻す

Alt ⇒ W(表示)⇒ J

*画面サイズの拡大/縮小:Ctrl + マウスホイールを上(拡大)/ ↓(縮小)

この1~3をやっておくと、ファイルを開いたときに、相手が見やすい状態になります。
いくら見やすい一覧表を作っても、ファイルを開いたときに、どこを開いているのかわからないと相手は困てしまいますから。


以上、長くなってしまいましたが、大体こんなところを押さえておけば「ドンクサ」ラベルは貼られないでしょう。
というよりも、「気が利く」ラベルが貼られると思います(「見てもらう一覧表」の場合は)。

「入力してもらう」一覧の場合は、もうちょっと工夫が必要です。それは、また。

(作業 3日 6h ちょっと疲れました)




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