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母の手料理に感謝を込めて

先日、母の家に遊びに行ったときのこと。玄関を開けると、どこか懐かしい匂いが鼻をくすぐりました。「今日は特に気合い入れて作ったのよ」と、母が微笑みながら言いました。その日のメニューは、私が子どものころから大好きだった煮物と焼き魚。久しぶりに食べる母の手料理は、やはり何よりも美味しく、ほっとする味でした。

しかし、その一方でふと気付きました。母の手にはかつて見たことのない細かなシワが増えています。以前は何も感じなかったのに、母が年を重ねていることを実感しました。食事の途中で、「本当に美味しいね。いつもありがとう」と伝えると、母は少し驚いた顔をして、「そんなこと言うなんて珍しいわね」と笑いました。その笑顔に、もっと頻繁に感謝の気持ちを伝えようと決意しました。

帰り際、母が私の好きな煮物をタッパーに詰めて持たせてくれました。「またいつでも来なさいね」と言う母の言葉が、いつも以上に温かく響きました。小さな感謝の一言で、こんなにも空気が変わるのかと実感した一日でした。

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