ひきこもりについて
ひきこもりの定義は、厚生省のガイドラインによると、
引き込もりの実態は、2019年の3月に内閣府が発表したものですけれども、
15歳から39歳までの人で、54万1,000人もいるんだそうです。
40歳から60歳までの人が、61万3,000人。
合計で115万4000人。
日本の社会では、こんなにもたくさんの人が引きこもっているという現実があるんですね。
これ大変なことだと思いませんか?
もうこの事実を知っただけでも、私は何とかしなくちゃって思いに本当にかられますね。
実際に引きこもっている人たちの声を、先日のNHKの放送で聞いたので、その例を紹介をしたいと思います。
そういう言葉をつぶやきました。どんな風に思われましたか?皆さん。
それから B さんですね。
この方は43歳の方ですね。
これは親との葛藤ですよね。
お母さんやお父さんの懐に飛び込んでいけない。
43歳って年齢はもちろんありますけど、もう長年、就職の時期からですから20年ぐらい引きこもっているんですよね。
お前が悪いって言われて、やっぱり自己肯定感が高まれなかった結果ですよね。
こんな気持ちで今、現在、生きてらっしゃるってことですね。
それからCさんの問題。
こういうふうにつぶやいた方もいらっしゃるのね。
対人恐怖症ですよね。
唯一親と話ができると言ってるんですけども、親は約束を忘れちゃった。
体力作りに靴が必要だから靴を買ってと言ったのに、忘れちゃったって言うんですね。
それでこのCさんは、なんで親が忘れたのなら「この間の約束はどうなっているの」っていうふうに、なんで言えないのかなって思うんですね。
これはやっぱり、小さい頃に養われる愛着関係っていう、親に何でも自分の言いたいことが言えるっていう関係が形成されていないということですよね。
「親としか話せない」って言いながら、親にも話してないっていうのは、それで自分が落ち込んでいってしまうっていうね。
絶望的になってくるんですから。もう対人関係のこの弱さと言うのは本当になんて声をかけたらいいかわかんないくらいに弱いですよね。
こういう声があるわけです。
Dさんの場合ですね。
Dさんの場合は、これ親の立場から書いていますね。
楽にさせたい気持ちはわかるんですけれども、これは過保護ですよね。
子どもが自立して親元を離れて、自分で自分の生活を作っていくという、そういう方向に親は関わっていかなきゃいけないのに、子どもが楽になるようにしたいって言う。
それはちょっと36歳の息子に対して言う言葉じゃないんですね。
多分指示命令タイプのお父さんで、言うことを聞かせてきたので、息子はもう引きこもってしまって、っていう形かなぁと思うんですけどね。
どうでしょう。
Eさんの場合ですね。
Eさんの息子さんは29歳ですね。
本当にどうなってるのか。
お父さんは毎日毎日心配しながら暮らしていらっしゃるんだと思うんですけれども。
ひきこもりの背景要因は何かっていうことですね。
引きこもりは一つの要因で起こるわけではないと言われています。
何か特定の出来事があったとしても、それは原因ではなくてきっかけに過ぎないことがあります。
例えばさっきの例のように、就職できなかったという。
それが一つのきっかけになって引きこもってしまう。それが原因と言えないんですね。
それから、特定の精神疾患や発達障害が引きこもりの背景にある場合もあります。引きこもりがストレスになって、精神疾患が二次的に生じる場合もあります、と専門家が言っています。
それから岡田先生が言っている、引きこもりの若者に共通する特徴としては、傷つくことを非常に恐れています。
失敗することや恥をかくこと、理想通りにいかないことの許容量がとても少ないんです。だからちょっとまずいことを言ったら困るっていう。
人と話をすることもできない。
恥をかいたら困る。
失敗したり失望するくらいなら最初からやりたくないとか、冒険したり自分を試したりすることに極めて臆病になっています。
ですから、社会に出て何かしようっていう力が湧いてこないんですね。
ここに挙げた引き込もり人たちの声を聞いてみると、親との愛着が形成されていないように思います。
それから親とスムーズにコミュニケーションがとれていませんね。
自分の思ってることを、言いたいことが親に伝えられてないし、親は子どもの気持ちを受け取っていない、聞いていない、理解しようとしていない。
そんな感じがします。
それから親に対する反発や悲しい体験を背負っていて、親を信頼していないですね。
親の懐に飛び込んでいけていないんです。
親は子どもの気持ちを理解しないで、親の考えだけで関わっている。
そういう傾向がみられますね。
こういう風な問題点が浮かび上がってきます。
(2020年12月講演会より#2)
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