日本維新の会 池下卓@衆議院 法務委員会 共同親権法案 令和6年4月2日【文字起こし】
第213回 衆議院 法務委員会
令和6年4月2日
001 池下卓
◯池下卓 君
日本維新の会・教育無償化を実現する会の池下卓でございます。
本日もよろしくお願いします。
いよいよ本日から、民法改正・家族法改正の本格審議が始まったという事であります。当然、児童虐待であり、またDV等、実際に行われている場合と言うことに関しましては、許されてはならないものだと考えております。
ところで一方ですね、別居時から、また離婚直後からですね、片方の親がお子さんを連れ去って、連れて行って、そしてもう長い間、親に会えないお子さん、そして子どもに会えない親御さん、今回たくさんの方々からその話を聞かせて頂きまして、本当に胸が傷む思いがいたしました。
中にはですね、離婚をする際に、弁護士が子どもを連れ去れば、親権が取れるというビジネスモデルを作っていると言う話も聞いております。
そういう事は、もう決して、失くしていかなければならないという具合に考えておりますし、そんな中で私は、やはりお子さんと言いますのは、状況にも、もちろんありますけれども、本来は父母双方から愛されて、養育され、そして監護される。共同親権、これを本来は進めていかなければならないという立場から、私の方の質問の方をさせて頂きたいというふうに思います。
そこで、ですね。まず、ちょっと資料の1枚目をご覧いただきたいなと思うんですが、こちらの方は3月27日に、政府広報オンライン・Xの方で出されているものです。こちらの方、『親子交流の事で困ったら』というタイトルで、『家庭裁判所で解決できるかもしれません』と。出来るかもしれないし、出来ないかもしれないと言うことで出されているわけなんですけれども。今の日弁連のアンケートの方でです、家庭裁判所で面会交流が認められたものの、にも関わらず約44%が、この交流が実施されていない、という調査結果もあります。今これをですね、私、Xの方で見させて頂きましたけど、本当に悲痛なコメントがたくさんありましたし、そして、確かですね、民事局長宛にも抗議の文書が出ていると言うことで承知しております。
なぜ、このように、この別居親の、親の方の心を逆撫でるというか、煽るというか、それもこの民法改正直前のタイミングでと言うことで。また、履行勧告を促す面会交流を促すということですけれども、それがなかなかできていない状況が多い中でですね、なぜこのようなメッセージを出されたのか、大臣の方にお伺いしたいと思います。
002 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
家庭裁判所は、親子交流等の家庭に関する事件の主要な解決手段ではありますが、親子交流を含めて、子の監護に関する相談窓口、紛争解決手段は家庭裁判所に限られるものではなく、それぞれの父母にとって、どのような解決手段が適切であるかは、事案に応じて異なるという点がひとつ。
また、親子交流の実施を求める父母が、家庭裁判所に対して調停・審判の申し立てをしたとしても、相手方の主張も踏まえて判断される事になるため、当該父母の希望通りの解決となるとは限らない。こういった点を踏まえまして、ご指摘の文章は『家庭裁判所で解決できるかもしれません』と記載したものでございます。
いずれにしても、父母の離婚後も、適切な形で親子の交流が継続が図られる事は、子の利益の観点から重要であり、本改正案は、安全・安心な親子放流の適切な実現につながるものと認識しております。
003 池下卓
◯池下卓 君
確かに相手方がいるので、大臣、仰る通りなんですね。やり方も色々ある。ADRもあるし、家裁もあるしという事は、当然理解はしているものでですね。やはり、あの藁をも掴む思いで、家裁に行って、で、認められたにも関わらず、何年も会えないよ、っていうか、本当にね、たくさんいらっしゃいますんで、ちょっとかなり不容易なね、メッセージもあったのが、含まれていたんじゃないかなというふうに思います。
さて、ここからが本題になるわけなんですけれども、先日の私一般質疑の中で、今回共同親権、協議が整わない場合ですね。家庭裁判所の判断が入る、と。その判断基準っていうのは、今これから新しいものですから、『今回の国会審議の議論が重要視』されるのではないか、と言うことをお話申し上げました。
当然、これまでの法制審議会での議論というのも含まれている、と私は認識をさせて頂いているんですが、そこで裁判所が親権者を定めるという要件について、まず、これをおうかがいして行きたいと思うんです。
当然、現在の現行法上でもそうですけど、婚姻中の場合は、父母、共に双方が子どもの親権を持っていますよ、と言うことなんですが。
じゃあ、今回、新しい改正法が出来た場合なんですけれども、一度、婚姻状態ですよ、と。これが離婚しましたよ、っていう時に、父・母、どちらか片一方に、改めて親権を付すという考え方をされるのか。もしくは、結婚状態ですので、共同で親権、両方持っていますよ、と言う中で。家庭裁判所が判断をして、どちらか片一方の親権を制限する事によって、単独親権にして行くのか。
どちらが考え方なのか、お伺いして行きたいと思います。
004 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
離婚後の親権者を父母双方とするか。その一方とするか。については、個別具体的な事情に則して、子の利益の観点から、最善の判断をすべきだと考えられます。
こうした考え方に基づいて、本改正案では裁判所が離婚後の親権者を判断するに当たっては、子の利益のため、父母と子の関係や父と母の関係、その他一切の事情を考慮しなければならない事とされており、ご指摘のような考え方のいずれにも基づくものではございません。
005 池下卓
◯池下卓 君
今、答弁頂きました、当然『子の利益』っていうのはあれなんですけど、分かるんですけれども。ただ、やはり、そこの根本の部分がはっきりしていないからこそ、ですね。今回の議論って言いますのは、瞑想して行くものではないかな、という具合に考えております。
現行法上でも、まあ先ほど申し上げました婚姻中は共同親権ですよ、と。で、今の仕組みの中でもありますけれども、『親権停止』であったりとか、『親権喪失』であったり、こういう制度は、今現在でもあるわけなんですね。これは共同で親権を持っている状況からか、片一方の親の親権を制限するという事が、なされているわけですので、当然今の流れに添いますと、これが原則としていくべきではないかな、と言うことは私考えております。
そこで、法務省さんの方におうかがいいしたいなと思うんですけれども、現行法上の親権ソースであったりとか、親権停止と、これ民法上で定められていますけれども、その内容と用件について、お伺いをしたいと思います。
006 法務省・民事局長・竹内努
◯法務省 民事局長(竹内努 君)
お答えいたします。
民法第834条は、『父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、』家庭裁判所は請求により、親権喪失審判をする事ができると規定しております。
また、民法第804条の2、『父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、』家庭裁判所は請求により親権停止の審判をすることができると規定をしております。また当条は、家庭裁判所は親権停止の審判をする時は、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子の心身の状態および生活の状況、その他一切の事情を考慮して、2年を超えない範囲内で、親権を停止する期間を定める予定しております。
007 池下卓
◯池下卓 君
ありがとうございます。
親権喪失、親権停止の部分につきましても、今ルールお話を頂きましたが、やはり中心になっていますのは、子どもの利益、これを著しく害しないであったりとか、子どもの利益を害しない。やむ負えない場合等々入っているかなと思うんですけども、それが今、現行法であるわけです。
そこでね、今回の改正法の方でも、大臣も、何回も何回も言われておりますけれども、やはり大事なのは、子供の利益ですよ、と。言うことだと思います。
そうすると今の親権停止・親権喪失のお話して頂いたんですけども、今回の改正法と言いますのは、やはりこの、先ほどの親権停止・親権喪失と同じようにですね。子の利益を害するという、これ、同意義として考えていいのか? また、法制審議会でもこの議論はなされてきたというふうに思いますけれども、まあ、法解釈の観点からお伺いしたいと思います。
008 法務省・民事局長・竹内努
◯法務省 民事局長(竹内努 君)
お答えいたします。
ご指摘の親権喪失等に関する規定は、父母の婚姻中であるか、離婚後であるかを問わず、父母の一方、または双方による新権行使が困難、または不適当な事案に適用されるものでございますが、本改正案の親権者の指定に関する規定は、これとは異なりまして、離婚後の親権者をどのように定めるかを判断する際に適用されるものでございます。そして、本改正案の親権者の指定に関する規定では、裁判所が離婚後の親権者を判断するにあたっては、子の利益のため、父母との関係や、父と母との関係、その他、一切の事情を考慮しなければならないこととしております。
この場合におきまして、父母の双方を親権者と定めることにより、子の利益を害すると認められる時は、裁判所は必ず、父母の一方を親権者と定めなければならない事としております。
その上で、子の利益を害すると認められる時の例として、虐待等のおそれがあると認められる時と、DV被害を受けるおそれ等の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められる時を挙げております。
このように、裁判所が離婚後の親権者の定めを判断する場面では、子の利益の観点から、父母が、共同して親権を行うことが困難であるかどうかにも着目した判断を含むものでございまして、先ほど申し上げましたような、親権喪失や親権停止等の要件と必ずしも、一致するわけでございます。
009 池下卓
◯池下卓 君
必ずしも一致するわけではないという事ですけれども、今聞いていても、近しい部分もあったのかなというふうに思います。
共同で、父母が養育出来る時という話もあります。
ちょっと大臣、関連してお伺いしたいなと思うんですけど、さっきもちょっとお話出ていたんですけれども。今、例えばの例でという事で、芸能人の元・夫婦の例で、離婚はしたけれども、双方ですね、彼氏・彼女がいたとしてもですね、お父さん、お母さんと、お子さんの関係ですね。これ良好だ、と。時々、面倒を見合っているというね。これ、素晴らしいケースだと思います。けど、中にはですね、少々、そういうケースだけを、今現在の単独親権ですから、それを共同親権にしていこうとだけ思われてるのか。
それとも、少々葛藤はあったとしてもですね、子どもの利益、これを最優先に考えた時に、やはり、これは共同親権にやって行ったほうが良いだろうとそういう共同親権の仕組みを増やしていこうと、本来的に思われているのか。
大臣の、まずは基本的な考えをお伺いしたいと思います。
010 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
夫婦関係と、そして親子関係、それが合成されて、家族というものが形成されています。で、その中で、我々は今回の法案は、子どもの利益を中心に立てているわけです。
子どもの利益の中には、子どもを育てる環境、つまり両親の関係性も当然そこには入ってくるわけであります。織り込まれてくるわけです。
ですから、こちらを強く持つのか、こちらを強く考えるのか、というお尋ねだと思いますけども。家族というものを全体として見て、その中で子どもの利益が一番図られる、そういう状況、これ千差万別かもしれません。様々なケースがあると思いますので、出来るだけ、そのそれぞれの状況にこう沿った形を提供できるような法制にして行く。それが根本的な考え方です。
011 池下卓
◯池下卓 君
父母の関係という事も挙げられました。また、後ほど、そちらの事は、細かい話を別途させて頂いたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
資料の二枚目の方を見て頂きたいと思うんですけれども、こちらさっきの方にちょっと戻りますが、父母の離婚後等の親権者の定めについての論点整理という事で、サブタイトルをちょっとつけさせて頂いております。
こちらの方、ちょっと読ませて頂きたいと思うんですが、線が引かれているところですね。離婚時の親権者の、こちら一応、法制審議会の第34回の会議の中で出されている資料と言うことで、ご認識いただければと思います。
括弧2のところを読みますと、『離婚時の親権者の定めを、身分の関係の変動の内容という観点から改めて整理してみる』、と。『この場面における裁判所の判断は、父又は母に対して、新たに親権を付与するかどうかを判断するものではなく、その双方が親権者であった従前の状態を継続するか、その一方の親権を制限する状態に変更するかという判断をするものとして捉えることが出来る』と。で、『そして民法におい、親権者の親権を制限する方法での身分関係の変動生じるさせるためには、子の利益を著しく害すること、利益を害する、やむを得ない場合などの一定の要件が必要とされる、と言うことで、法制審議会の、家族会の方で議論されてきたわけです。
そこでちょっと改めて聞きます。お答えはもう大体分かってるわけなんですけれども、当然、共同親権の状況、婚姻の共同親権の状況から、片一方の親権を制限すると言うことで、こちら書かれているわけなんですが。その時には、子どもの利益を考えてくださいね、ということで書かれているんですけれども。こうすると、その意味を考えて、やはりこれ原則的に共同親権をやっていくというのが、ちょっと読み取れると思うんですけども、見解をお伺いします。
012 法務省・民事局長・竹内努
◯法務省 民事局長(竹内努 君)
お答えいたします。
法制審議会・家族法制部会に於きましては、離婚後の親権者を判断するにあたっての考慮要素や判断枠組みにつきまして、様々な角度からの議論がされたところでありまして。委員ご指摘の部分は、法制審議会に於ける、調査審議の過程に於いて出た、考え方のひとつを紹介したものでございます。
お尋ねの、共同親権を原則とするという表現は、多義的に用いられておりますため、一時的にお答えすることは困難でございますが、本改正案は、父母が離婚後も適切な形で子の養育に関わり、その責任を果たす事が、子の利益の観点から重要である、と、この理念に基づくものでございます。その上で、離婚後の親権者を父母双方とするか、その一方とするかにつきましては、個別具体的な事情に則して、子の利益の観点から、最善の判断をすべきだと考えておりまして、本改正案も、このような考え方に沿ったものでございます。
013 池下卓
◯池下卓 君
なんと言いますかね、非常に中途半端な感じかな、と。いう具合に思うわけなんですけども。ちょっとこれも関連して、ちょっと大臣を伺いしたいんですが。一応、今回の法案のね中身、共同親権という言葉が謳われているわけなんですけれども。これまさかなんですけれども、以前より日本、このハーグ条約で、『連れ去り』であったりとか、国際的な非難を受けているという状況なんですけども。まさかですね、これ外圧からの、影響で法律を改正するわけではないと思うんですけれども、そこら辺の見解簡単にお答え願えたらと思います。
014 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
家族法制というのは、その国の文化、社会といったものに深く根ざしている、そういうものだと思います。ですから、一義的に、まず国内での、国民の皆様方の考え方、こういったものがベースになります。
ただ、その視野、一切、海外の事が視野に入らないのか、と。これは自然に色んな情報もありますし、働き掛けもありますから、そういったものが全く遮断されているわけではありません。
015 池下卓
◯池下卓 君
全く視野に入っていないわけではない、と言うことで、やはり今、海外でも多くの国が、共同親権がメインになってきてると言うところになってくるわけなんですけども。
そこでね、今、今回でも子どもの利益を害するという事が何回も出てきておりますけれども。片方の親御さんが、片方の親に対して、一方的に関わりたくないよ、とか、口も聞きたくないよ、これ当然、暴力とか経済的DV、これ別としてですね。一方的な感情的な主張でのみ、裁判所が単独親権にするのか、っていうとこら辺を話す事が無いのかどうか、っていうのをちょっとお伺いをしたいんですが、どのように運用されていくのかお伺いします。
016 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
本改正案では、離婚後の親権者の定めについて、父母の協議が整わない時は、裁判所が子の利益の観点から、親権者が父母双方とするか、その一方のみとするか判断する事としております。
この場合において、父母の協議が整わない理由には、様々なものが考えられる事から、当事者の一方が、ご指摘のような主張している事のみを以て、父母双方を親権者とする事を一律に許さないのは、返って子の利益に反する結果と成りかねない。
そこで本改正案では、裁判所は父母の協議が整う整わない理由等の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であるかなどの観点も含め、親子の関係、父母の関係、その他一切の事情を考慮して、実質的、総合的に離婚後の親権者を判断すべき事としております。
017 池下卓
◯池下卓 君
今、お答え頂きました。当然あの、DVと児童虐待とあってはならない事態ですので、それは除外すると致しまして。本当に今、大臣が言われた中で、色んな観点から判断をされるかと思うんですけど。やっぱり、ちょっとした感情的な事でね、本当に子どもに会えない親、親に会えない子、これがずっと増えて続けていくと言うことは、是非とも避けて頂かなければならないと思いますので、しっかりと今、ご指摘させて頂いた事も、運用上で反映させて頂きたいなという形で思います。
それでは、少し先ほどもちょっと議論で出ておりましたけれども、父母の人格尊重とか、協力義務について、少し触れていきたいと言う具合に思います。
調停合意、裁判所でね、家庭裁判所で調停合意や審判で認められた親子交流、これはどの程度あるか、まずお伺いをして行きたいと思うんですけども。
最新の調査で、親子交流の取り決め率、実施率の状況及び家庭裁判所に調停を申し立てた場合の直接交流が認められる場合、どのようになっているのか。
お伺いをしたいと思います。
018 法務省・民事局長・竹内努
◯法務省 民事局長(竹内努 君)
ご質問の前半部分について、法務省の方からお答えいたします。
令和3年度、『全国ひとり親世帯調査』世帯等調査によれば、母子世帯における、親子交流の取り組み率は30.3%、履行率は30.2%でございます。
019 最高裁判所・家庭局長・毛帯直文
◯最高裁判所 家庭局長(毛帯直文 君)
家裁に於ける直接交流が認められる割合というのは、直接的な統計を取っておりませんので、わかりません。以上です。
020 池下卓
◯池下卓 君
わからないと、言うところですよね。
ちょっとそこで、資料も付けさせて頂いているので、これ参考資料の3枚目、4枚目、5枚目というところで、書かして頂いております。
母子世帯の面会交流の取り決め状況という事で、面会交流、取り決めしているというのが、30.3%ありますよ、と。今、答えて頂いたところですよね。
面会交流、実際に取り決めしてからですね、実施状況っていうのが、現在でも行っているっていうのが、30.2%、これまで行ったことがあるというのが、20.9%と言う形になっています。
先ほど、直接面会交流が認められたよね、ということであるのが、資料の5枚目になって参ります。この5枚目の方なんですけども、こちらですね、法制審議会の方のデータで出てるんですかね。面会交流が手続きを利用した親子の直接交流が認められる割合という事で、書いてあります。
括弧2のところに面会これ50%程度が合意、若しくは任用されており却下、取り下げは30%で推移ということで。認められている中で、51.3%。正確には51.3%なんですけれども。51.3%程度しかですね、これ認められていない状況だと思います。
そこで、大臣にお伺いをして行きたいと思うんですけども、この直接交流が認められている、認められた割合のこの現状について、大臣の所感をお伺いしたいと思います。
021 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
父母の別居後や離婚後も、適切な形で親子の交流の継続が図られる事は、子の利益の観点から重要であると考えておりますが、親子交流を実施するか否か、あるいは実施する場合の方法等については、個別具体的な事情に照らして、子の利益を最も優先して定められるべきものであるため、ご指摘の割合51.3%、これについて評価する事は差し控えたいと思います。
022 池下卓
◯池下卓 君
評価は差し控えたいと言うことですね。当然、交流のやり方もですね、間接交流であったり、直接交流であったりというところがあるかと思うんですけれども。それで、間接交流と言いますのは、写真とかお手紙のやり取りをされてて、交流をされている。直接交流も当然お会いされてということなんですけれども。
これまでもちょっと、色んな当事者の方々から、お話を聞いたわけなんですけども。ある女性の方の例だったんですけども、小さいお子さんが小さい時に、自分が育児ノイローゼになったんだ、と。その時に、育児ノイローゼなんで、ちょっとね、泣いている子をちょっと一回叩いてしまったんだ、と。ただ、その後、離婚されて、お子さんと別居状況になった時にですね。産後うつであったりとか、ノイローゼっていうのがなくなったとき、本当にいいお母さんになられた、と。で、最初は間接交流という事で、テレビ電話であったりとかメールっていう事でやってて、お母さんとお子さん、最初は嫌がってたかもしれない。間接的にやっていたかもしれないんですけども、だんだんだんだん慣れてきてですね、これが直接交流の方に繋がっていたと言うお話を、私、今回聞かせて頂きました。
やはり、この直接交流に向けた取り組みというのを、これね、是非ともして頂きたい、という具合に思うわけなんですけども。
ちょっと改めてお伺いしたいんですが、家庭裁判所の調停において合意した場合、若しくは審判で、親子交流が命じられた場合、その後の実施率、面会交流、交流されている実施率をお伺いしたいと思います。
023 最高裁判所・家庭局長・毛帯直文
◯最高裁判所 家庭局長(毛帯直文 君)
親子交流の事件につきまして、家庭裁判所に於いて調停が成立し、或いは審判がされて確定した場合には、事件は終局し、裁判所に於ける手続きは終わる事となります。
お尋ねのような親子交流を実施した割合につきましては、いわば裁判所の手を離れたところであるものでありまして。我々としては把握しておりません。
024 池下卓
◯池下卓 君
はい、把握してないという事なんですよね。まさに、あの裁判所で、裁判が終わったら、もうそれで終わりです。Good-byeってわけじゃないですけど、終わりですよ、と言うことになるかと思うんですが、一応、これ6枚目、6枚目ちょっと見て頂きたいなと思います。
こちらの日弁連さん、裁判所は取ってないんで、日弁連さんのアンケートという事で、ご承知頂きたいんですけれども。裁判所の調停で合意した、面会交流出来てますか?という事で、出てるんですけども、一番下ですね。全く面会出来ていないというのが、44%もあるわけなんですよね。
本来であれば、裁判所の調停でね、合意した。裁判所での審判でね、会ってくださいね、会えますよ、という事でなった場合にはですね。当然、あの法的な履行義務もあるかと思いますけれども、実際はこれだけ実現していない。これ、冒頭、資料の1枚目、政府の広報Xでしたっけ?そちらの方でも、『家庭裁判所で解決できるかもしれない』こういう状況なんですよ。
この44%の方々と言いますのは、いや、認められているにも関わらず、我々、会えないんですよ、とね。お子さんと会えないんですよ。こういうね、事を言われているわけなんですよ。ですので、調停で合意や家裁で親子交流が認められたという事は、子どもに資すると言う判断を、家裁がやっているわけですから。不履行となった事案に対して、しっかりと。是正していただきたいと思いますし、改正の、民放変わった時にですね、この離婚を担保する資料として、これしっかりと調査すべきだと思いますけれども、ご見解をお伺いしたいと思います。
025 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
法務省としては、親子交流に関して、これまでも協議離婚に関する実態調査や、未成年期に父母の別居や離婚経験した事に関する調査など、様々な実態調査を行ってきております。今後の本改正案が成立した場合には、その施工状況を注視しつつ、引き続き、関係省庁とも連携して適切に対応して行きたいと思います。
026 池下卓
◯池下卓 君
適切に対応する。やって頂けるという認識でよろしいですか。頷いて頂ければ。
027 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
先生のご議論も含め、この委員会で法案通して頂く前に、様々なご議論があると思います。そういったものを全て含めて、踏まえ、適切に対応して行きたいと思います。
028 池下卓
◯池下卓 君
やって頂けるものと信じております。はい、ということで、これ、やはりあのエビデンスがないと、この改善策を作っていこうにもですね、前に進まないと思いますので、やはり、その根拠資料というのは、非常に大事だと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
なかなか今の状況。今現在の状況を見ますと、面会交流ですね、認定されていても履行出来ていないのかなという事で思うんですけども。
さて、今後、改正後ですね。子どもの利益を守るために、親子交流がどのように改善されるのかお伺いします。
029 法務省・民事局長・竹内努
◯法務省 民事局長(竹内努 君)
お答えいたします。
父母の別居後や離婚後も、適切な形で親子の交流の継続が図られる事は、子の利益の観点から重要だと考えております。また、親子交流の実施に当たりましては、その安全・安心を確保することも重要な事です。
本改正案では、こうした観点から、婚姻中の父母の別居時に於ける親子交流に関する規定や、家庭裁判所が当事者に対し親子交流の試行的実施を促すための規定、或いは父母以外の親族との交流に関する規定をいずれも申請する事としております。
これらの既定に於きましては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない事や、子の心身の状態に照らして相当でない、と認める事情がない事を要件とする事などによりまして、親子交流やその試行的実施が、子の利益に適う形で行われる事を確保する事としております。
030 池下卓
◯池下卓 君
新たに取り組みをされると言うところは承知をいたしましたけれども、まだまだ、その中身についてはね、細かいところについては、どうなるか、僕らも分かっていない。これまあ、省令とか政令とか、まあ細かいところで定められるのかというところも、ちょっと分からない部分があるわけなんですけども。そこら辺はしっかりとね、ご期待されている方々がいらっしゃいますので、明確にして頂ければなというふうに思います。
そこで、この改正民法の下で、家裁で手続きで、親子交流が認められたにも関わらず、同居、片一方の親御さんの意向で、不履行となった場合ですね。子供と別居親が会えない場合、改正民法で、どのような対応がなされるのかお伺いいたします。
031 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
本改正案では、親権の有無、婚姻関係の有無に関わらず、父母は、子の人格を尊重して、その子を養育しなければならない。また、父母は子の利益のため、互いに人格を尊重し、協力しなければならない。これを明確化しているわけでございますが、家庭裁判所が親子交流についての定めをしたものの、父母の一方がこれを履行しない場合、個別具体的な事情によっては、先ほどより申し上げております父母相互の人格尊重義務、或いは協力義務に違反する、という評価を下される場合があると考えております
032 池下卓
◯池下卓 君
最後ですね。7枚目のところですね。今、大臣にご答弁頂きました、人格尊重であり、努力義務であったりとか、これも、法制審議会の方の資料の中で出ています。
今、明確にこの父母の人格尊重、努力義務、離婚後も、という事だと思うわけなんですけれども。じゃあそこで、ですね。もしこの規定に違反した場合、面会交流、協力してやりましょうという事でなんですけども、違反した場合にですね、どのような取り扱いになるのか、親権の変更が可能になるのかどうか、様々なルールあるかと思うんですけれども、ご見解をお伺いしたいと思います。
033 小泉法務大臣
◯小泉龍司 君
あくまで一般論でございますけれども、父母の一方が、父母相互の人格尊重義務や協力義務等に違反した場合、親権者の指定変更の審判や、親権喪失親権停止の審判等に於いて、その違反の内容が考慮される可能性があると考えられます。
034 池下卓
◯池下卓 君
確認なんですけども、家裁が認めたですね。認めた親子交流を一方的に実施しなかった場合、親権変更の申し立てにもなる。また、その共同親権で、婚姻時は共に共同で親権を持ってますよ、という状況の中で。裁判所が離婚時に判断しますよ、家裁で判断しますよ、っていう時に、別居時に連れ去って、会わせないとか、っていうケースがあるかと思うんですけれども。そういう時に、片一方の親権、単独親権にする場合でも、マイナス要素になるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
035 法務省・民事局長・竹内努
◯法務省 民事局長(竹内努 君)
お答えいたします。
本改正案によれば、親権者変更の申し立ては、子の利益のため、必要がある場合に認められる事になります。また、裁判所がその判断をするに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係や、父と母との関係、その他一切の事情を考慮しなければならない事とされております。これらを踏まえまして、あくまでも一般論としてお答えをいたしますと、親権者変更の判断に於いては、父母の一方が、子の養育に関する責任を、これまで充分に果たして来たかや、父母相互の人格、尊重義務や協力義務を遵守して来たか、の考慮もそのひとつであると考えられます。
036 池下卓
◯池下卓 君
今、その人格尊重・協力義務ですかね、これを守らないと、そういうところにも評価に反映してくるという話があったかなというふうに思います。当然DV案件、虐待案件っていうのは、もう許されるべきでもありませんし、そこら辺は、きっちりと守らなきゃ、その方々の人権を守ってあげなきゃいけないってのは当然そうです。
一方、これは民法だけでは、当然、幅の中ではね、民法の幅の中だけでは出来ないので、刑法であったりとか。DV法の改正であったりとか、事情によって変わりますので、そこらへ辺はね、しっかりと別の部分で、これ手当をして行かなければならないなというふうに考えているわけなんですが。
ただ今回、今この親権というところですね。明確に、人格尊重・努力義務というのが出てますので、そこら辺に本当にね、感情的な部分だけで、もうずっと一生、子どもに会えない、親に会えないという状況をなくしていかなければならないというふうに思っております。
その中で、離婚時といいますのは、当然、高葛藤っていう状況っていうのは、容易に想像が出来るわけです。中にはですね、やはり子どもを連れて行った時にですね、父母の片一方がですね、もう片一方の親の事を口悪くちょっと罵ってみたり、それが期間が長く続きますと、どうしても、お子さん側として、『うちの片親はそうなんかな』という事で嫌悪感、これを持ってしまってですね、家裁の調査官と面会した時には、『片一方の親には会いたくないんだわ』と言うね、意見を言うかもしれないと言うことが想像されるわけです。
そうすると、この父母の人格尊重であったり、努力義務であったりとか、まあ、こういうところが、今、お話に上がりましたけれども、片親が片親のね悪口を言うことによって、非常にその会えない親御さんっていうのは、マイナス要素にね、お子さんに対してまあマイナス要素になるわけなんですけれども。で、この場合なんですけども、先ほど申し上げましたように。親子交流を断絶した場合と同様にですね、親権変更などの申し立ての理由となって、義務に違反した親御さんの方は、マイナス評価になるのかどうか。お伺いしたいと思います。
037 法務省・民事局長・竹内努
◯法務省 民事局長(竹内努 君)
お答えいたします。
親権者変更の申し立てございますが、先ほど申し上げました通りでございまして、子の利益に必要の利益のため、必要がある場合に認められるものでございまして、裁判所がその判断をするに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係や、父と母との関係、その他一切の事情を考慮しなければならないとされております。
これらを踏まえまして、あくまでも一般論としてお答えをいたしますと、今、改正案では、父母相互の人格、尊重義務や協力義務の規定を新設しておりまして、この義務を遵守して来たかも、親権者変更における交流要素のひとつであると考えられます。
その上で、父母の一方の言動が、父母相互の人格尊重義務や協力に違反したものと、評価されるか、という事につきましては、個別の事案において、そのような言動をした理由や、背景事情等の様々な事情を踏まえた上で、判断される事業であると感じております。
038 池下卓
◯池下卓 君
先ほどと同様であるという事で、ちょっと確認させて頂きまして、頂きたかったので、ありがとうございます。ちょっと時間もなくなって参りましたので、もう終わりにさせて頂きたいと思うんですけれども。
やはりですね、お子さんの利益、色んな利益の形があるかと思いますけれども。我々、私は、しっかりとまずは、お子さんを共に育てる共同親権を原則とすべきだと思いますし、例外として、色んな暴力等々・経済的等々とありますので、それは単独親権して行くと。そのなかで、実行的にやって行く場合には、子どもを共に育てるための、共同養育・共同監護計画も必要だと思いますし。はじめて離婚、はじめて離婚っていうのもおかしいかもしれませんけれども、離婚後にどう教育して行くのか? という事で、親に対しても、離婚後の講座というものを作りながらですね、しっかりと子どもを安心して暮らせる世界を作っていければなというふうに思っております。
以上で、質問を終わります。ありがとうございました。
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