#258オヤジのエプロン 迷子②
https://note.com/oyaji_apron/n/n48a46ca7e6b6
前回からのつづき
息子が行方不明になった
家に駆けつけてくれた刑事さんによって聴取がはじまる
①名前 学年 年齢
②置き手紙など机にないか?
③悩み事はあったか?
④学校や家でのトラブルは?
⑤障害などはあるか?
等 一通り聴かれ
最近の写真を提出
刑事さんの電話番号を教えてもらい
それぞれ息子の捜索へと向かった
それから1時間が過ぎた頃 自転車で探していた私に妻から電話が入った
"今 警察から連絡が来て無事保護されたみたい"
場所は4駅先の街だった
私は急いで家に向かい 玄関で待っていた刑事さんから
"保護されたその街の警察署に迎えに行って下さい"
と言われる
財布をカバンに入れそのまま4駅先の警察署へ
電車の中でフッと力が抜けてきた
誘拐、事故、川に転落など
探している間は最悪なイメージもつきまとっていた
だが幸運な事に無事見つかった
ようやく心が落ち着いていく中
息子に会ったら何と言おうかと考えた
ドラマや映画のように 顔を見て 小走りで近寄り軽く発狂してから抱きしめる
"どこにいたの!?心配したんだから!"
と泣く
"何してたんだ!心配したんだぞ"
と軽く怒る
だが俳優でもないのでそこまで感情を高ぶらせることは私には無理そうだ
実際 子供が行方不明になり見つかった時の心情は
"ホッとした" 以外の感情はなかった
何も無くてよかった
良かった
とにかく良かった
頭の中はこれの繰り返し
そして最寄りの駅に到着しタクシーで警察署へ
運転手さんに
"〇〇警察署へ行ってください"と告げる
しばらく沈黙が続く
運転手さんに、自首しに行く犯人のように見えているではないか?と勝手に想像
"小学生の息子が行方不明になって〇〇駅から迎えに来たんです"
"今日1日生きた心地がしませんでした"
っとボソッと言う
"それは大変でしたね しかしよく歩きましたね"
そうこうしているうちに警察署に到着した
(つづく)
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