外食が苦手という話

※ずっと吐き気の話をしています。苦手な人やフラッシュバックがある人は気をつけて。



外食が苦手だ。いつからだったかは分からない。
振り返ると幼少期から小学校低学年の頃までは吐き癖があった。その頃の写真の私はガリガリであとなんか目つきが悪い。恐らく目が悪かったが眼鏡を頑なに拒否していたらしい。あまり記憶にない。いざ眼鏡をかけ始めたら無敵になった気がして読書量が倍になったのは覚えている。そのせいか視力はさらに下がった。
吐き癖は成長とともに数年は落ち着いた。再発したのは中学に入ってからだけどこの頃はあんまり外食と縁がなかったので、外食で冷や汗を描くような経験は覚えがないこともなかったな。祖母に連れられて行った知らない誰かの披露宴で食べた美味しいエビグラタンをやたらと綺麗なホテルのトイレで吐いたことを覚えている。人生で初めて塗ったペディキュアの色は赤色だったのも。

高校生になり通信高校で勉強をしているふりをしながらアルバイトをして、ようやっと外食というものが身近になった。恐らくだがこの辺りでストレスやドーパミンによる吐き気の自覚が出てきたのだと思われる。外食の機会に恵まれたことで、自分の身体が吐き気を催しやすいらしいというのを認識した。世界が広がると同時に自分のままならなさを突きつけられたりする。思春期ですね。
以降吐き気と私の付き合いは今に至るまで続いているが、先日ついに飲み物だけでもダメなんだなということがわかりめちゃくちゃ萎えた。萎えたって表現はもう死語に振り分けられるのでしょうか。へこんだしちょっと堪えた。

テイクアウトのカレーを待っている間、サービスで出してもらったラッシーで胃の中がひっくり返りそうだった。ただのラッシーである。まずいなんてことはない、暑い中歩いてきて飲むよく冷えたラッシー。甘すぎずさっぱりでめちゃくちゃ美味しい。やばい吐きそう。またこんなかよ。
これから立ち上がって会計をして店員さんに笑顔で挨拶をして店を出る。ただそれだけの道のりが酷くおぼつかなくて吐き気がすごくて動悸が止まらない。しかし飲食店で吐くというのがやばいのは重々わかっている。ひと席開けて隣でカレー食ってるお兄さんとか特に申し訳が立たない。そもそもカレーの匂いがダメなのでは?と思ったけど飲食店での食事では毎回そうなので、やはり外食というものにめちゃくちゃ向いていないらしい。
冷や汗をかきながら笑顔で会計を終えて、持ち帰りのカレーの匂いに腹筋がひくつくのに怯える。そんな時に限ってドアの押すと引くを間違えるので悲しかった。

というのも店を出て10秒歩くとスッと治まる。一連の実況を聞かされていた元カノもちょっと引いていた。我ながら確かにどうかと思う。

このコロナ禍でテイクアウトが充実してくれたのはそういう意味でめちゃくちゃありがたい。外食も食事自体も、面倒臭いことはあっても嫌いではないし嫌いになりたくない。
外食だと食べられる量が半分以下になることを思えば家に持ち帰って吐き気を気にせず美味しいものを楽しめるテイクアウト、万々歳である。
一応病院行って薬飲んでみたりしたけど結局今もこんなで、ずるずると周りにすみませんがこういう体質なのでと開き直って配慮してもらっている。本音を言えばまぁ心苦しい。食べっぷりのいい人への憧れが募る。ラーメン替え玉とかしてみたい。カウンター席でのチャーハンセットとか夢のまた夢なんやが。生きてるうちに叶うんだろうか。
本当に、食事も外食も、誰かと食べるご飯も嫌いになりたくない。言うて外食がダメなだけで家やそこに準ずる場所ではもりもり食べているので体重はこの一年で6キロ増えています。せっかくだから献血に行きたいね。

それはそれとしてほんまに吐き気、嫌やな…。

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