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兼業・副業でサーチ活動は出来るの?_サーチャーへの質問⑧_コラム034
はじめに~今回の趣旨~
今年7月~10月に行われたセミナーには多くの方にご参加頂き、㈱サーチファンド・ジャパンや私の普段の活動について認知頂く機会となりました。また折をみて(ファンドの皆さんとも相談して)開催することになると思いますので、その際にはご案内いたします。
セミナーで繰り返しいただいた質問への回答を文章として残すシリーズ、当日説明しきれなかった要素も補足しております。
今回はサーチ活動を開始するときに直面するハードルについての書いてみたいと思います。いきなり専業でスタートするのが現実的に難しいサーチ活動である以上、副業・兼業でできるのか否かは大事なポイントです。
よくきかれる質問 :兼業・副業でサーチ活動は出来るの?
サーチャー候補者さんからきかれることが多い質問です。
私も含めて、いきなり「サーチャー」という肩書になる方は現在のところ日本にはいないと思います。このコラムでも何度も言及している米国等のMBA卒業生はその逆で、卒業後にサーチャーを名乗って2年前後活動するのですが。
回答:出来ます、実際にやっている人もいます(但しまだ成約実績無し)
というのが回答になります。
まず、私自身も当初は本業を掛け持ちしながらサーチ活動をしていた時期がありました。そのあたりの経緯は下記の投稿にまとめていますので、よろしければご一読下さい。
正確には2020年10月~2021年4月の7か月続けたわけですが、最終的にはその後に専業サーチャーとして㈱サーチファンド・ジャパンと契約となりました。
つまり副業で始めたけれども結局は専業になったというパターンです。実際私以外のサーチャーさんも同じような経緯をたどっている方が複数いらっしゃいます。
副業・兼業が成立する日本は例外的?
米国などの本国では大半が専業ではないかと思います。このあたりの実情はもうちょっとしっかり調べないとならないのですが、憶測になる点はご容赦下さい。
海外ではサーチャーが自分自身で活動資金を集める伝統的サーチファンドが中心だと思います。いわゆる「伝統的なサーチファンド型(Traditional Search Fund)」と、それ以外の違いはこちらに書いたので、これまた宜しければご一読下さい。
活動資金を集めておきながらその活動を副業的な位置づけで続けることは事実上不可能なのが現実です。投資家からお金を集める段階で、契約書に「サーチャーはサーチ活動に専念します」という記載があるはずです。「お金出して下さい、活動は片手間にやりますけど」というサーチャーに対して、喜んで資金提供する投資家は多くはないでしょう(というか、まずいないでしょう)。
つまり、㈱サーチファンド・ジャパンのように副業・兼業を認める投資家/アクセラレータ、認めるどころかむしろ推奨するのは世界的にみて相当珍しいと思います。
M&A成約に至るまで副業のまま、は可能か?
では、副業・兼業のサーチャーが最後まで本業を続けたまま完遂できるのか否か。まだ実績がないので確信はありませんが、恐らくそう遠くない将来に出てくると思います(2021年11月時点での推測)。
私自身がまだ成果を出していないサーチャーなので偉そうに言える立場ではないのですが、それでも敢えて申し上げれば、副業・兼業で成功する事例が増えてくれば、サーチファンドが日本でも一気に普及する可能性が出てきます。
専業サーチャーだけで日本に普及させようとすると、どうしても時間がかかるからです。専業で始めるには、初期活動資金を集めたり、アクセラレータから支援を取り付けたりする最初のハードルがあります。そしてそれは決して低くはないハードルです。
お金が集めること自体が難しいだけでなく、いまの仕事(多くはサラリーマン)を辞める必要があります。大学を出て就職し、それなりに頑張って安定収入があるのに(そして家族持ちの人も多いのに)、安定収入を捨てる選択肢は誰でも取れるものではないでしょう。
しかし本業の収入をキープしながら活動が出来るのなら、ハードルは大きく下がります。優秀なサーチャーが増えれば、事業承継後に大きく業績を伸ばすケースも増え、それをみた投資家からの資金流入が大きくなり、更にサーチャー候補が増えて・・・となればサーチファンドがもっと普及する可能性が高まります。
ここえポイントなのは、副業・兼業サーチャーを支援する投資家が増えるというところです。実はここがネックというのが私の認識です。後継者を探している企業は多い。自分が継ぎたいというサーチャー候補も潜在的にではあるが沢山いる。しかし、もう1つの大事なプレーヤーである投資家がまだ少ない。
現在の日本におけるサーチファンドは、一部の人には認知はあるが実際にやっている人が圧倒的に少ないという状態だと思います。これを加速するには副業・兼業サーチャーが増える必要があるが、それらを支援して下さる投資家がまだいない。
そして、投資家が増えるためには先行してスタートしている(私のような)サーチャーが必ず結果を出さないと増えて行かない。
ということで、最後に自分にブーメランが戻ってきてしまったところで今回は終わりにしたいと思います。
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