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【事例あり】デキる薬剤師は、ジェネリック医薬品をこう勧める

こんにちは、株式会社OX3代表の真田です。普段は調剤薬局の運営やオンライン薬剤師に関する事業を行っております。この度は、noteをご覧いただきありがとうございます。

今回は、「デキる薬剤師」と「デキない薬剤師」におけるジェネリック医薬品の提案方法の違いについて解説します。このシリーズは、「デキない薬剤師」を揶揄することを目的としているわけではなく、すべての薬剤師が提案力やコミュニケーション能力を少しでも向上させることを願って執筆しています。

僕は薬剤師の免許を取得後、新卒でリクルートに入社し、3年以上にわたり営業職としてクライアント対応業務を経験しました。その経験を通じて、多くの薬剤師に圧倒的に不足しているのは「コミュニケーション能力」だと痛感しています。

先日、母校でキャリア講演を行った際、大学の教授から複数の企業から「コミュニケーション能力を身につけてほしい」と依頼されているという話を聞き、相談を受けました。

このような背景もあり、もしかすると多くの薬剤師がコミュニケーションについて悩んでいるのではないかと感じたため、実際にあった事例をもとに薬剤師のコミュニケーションを分解し、解説していきたいと思います。

事例

今回は普段から使っているロキソニンテープをジェネリック医薬品に変えてもらうための事例をご紹介します。

デキない薬剤師の提案

選定療養という制度があって…(説明一部省略)。普段使っているロキソニンテープですが、ジェネリック医薬品のご用意もあります。皆さんが言うには少し剥がれやすいと言う話は聞きますが、主成分は変わらないので効果自体は変わりないです!どうされますか?

デキる薬剤師の提案

ロキソニンテープ、ジェネリック医薬品にしてみませんか?選定療養という制度があって…(説明一部省略)。実際使ってみたんですけど、サラッとした貼り心地でベタつかなくていいですよ!その分関節が曲がる部分は少し剥がれやすいかもしれませんが、〇〇さんが普段使っている部分であれば使えると思いますよ!次回使ってみて不都合があったらまた教えてください!

解説

それでは、デキない薬剤師とデキる薬剤師の説明の違いについて解説していきます。

結論から話す

患者さんは忙しい中、薬局に足を運んでくれています。結論から話さないことは、人の貴重な時間を奪うのと同じです。

また、聞き手の心理としては、「何を聞かされているのだろう?」といった状態に陥り、選定療養などの難しい話題が頭に入りにくくなります。

結論ファースト!これは、患者さんに対しても、他の薬局の仲間に対しても同様に重要です。

どうされますか?ではなく、「してみませんか?」

オープンクエスチョンクローズドクエスチョンの話ですね!

オープンクエスチョン: Yes or Noで答えられない質問
クローズドクエスチョン:Yes or Noで答えられる質問

深いニーズを引き出したり、話を広げたりしたいときにはオープンクエスチョンが有効ですが、今回の場合、話を広げる必要はありません。

また、多くの人は「迷ったら現状維持」を選択する傾向があります。そのため、「どうされますか?」と尋ねると、当然のことながら「そのままで」という回答になりやすいです。

一方、「してみませんか?」という表現をあえて使うのは、"変更を前提とした問いかけ" だからです。この質問に対して変更しないと決めるには、「否定(こちらの提案に反対する)」と「意思表示(変えないという主張)」という二つの心理的なストレスのかかる作業が必要になります。

そのため、このような質問の仕方をすると「お願いします(Yes)」という回答を引き出しやすくなります。

このテクニックを悪用するのは良くありませんが、悪いことを勧めているわけではないので、積極的に活用しましょう。

実体験を元に説明

これは非常に重要です。内服薬に関しては、自分が飲めないものであればどうしようもありませんが、実体験に基づいて説明することで、信頼性が増します。

時々、自分は使っていない商品を売りつけようとする営業マンがいますが、僕はそういう人がとても嫌いです。

自分自身が、自信を持ってオススメできるようにするためにも、自分で試してみることをお勧めします。

「皆さん」を使うならポジティブ要素に

「皆さん」という言葉は非常に強力なワードだと考えています。僕は昔から他人と同じであることを望まないタイプでしたが、思ったよりも世の中の多くの人が "右に倣え" の考えを持っていることに気付きました。

そのため、ネガティブな方向で「皆さん」を使うと、その方向に倣う人が増えてしまいます。自分が望む方向に「皆さん」を使うようにしましょう。

ネガティブを正しく使って信用度を上げる

良いことばかりを言う営業マンは、どこか胡散臭く感じませんか?ネガティブな情報をしっかり伝えることで、間違いなく信用度が上がります。

ただし、全てのネガティブな情報を伝えれば良いというわけではありません。人が一度の会話で処理できる情報量には限度があり、ネガティブな点ばかりが印象に残ってしまうのも問題です。

ネガティブな情報をうまく使い、提案者としての信用度を高めていきましょう。

セーフティネットを用意する

人は失敗を避けたがる生き物です。何か変更して問題が起きたらどうしようという不安が、心の奥底にあります。

そこで、最後のクロージングとして、「何かあったらお知らせください」「しっかりサポートしますね」といった、万が一の時に助けてくれる安心感を与える言葉を使えると良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
ジェネリック医薬品のご提案、明日からできそうですか?
全部をいきなりやるのは難しいと思いますが、一つでも参考になるテクニックがあれば嬉しいです。

①結論ファースト
②クローズドクエスチョンを使う
③実体験を入れる
④「皆さん」を上手に使う
⑤ネガティブ情報を上手に使う
⑥セーフティネットを用意する

ぜひ感想やコメント、お待ちしております。
またご相談等ございましたら、Xもしくはお問い合わせフォームにてご連絡いただければ幸いです。では!


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