予備校や塾の講師の多くはフリーランスです。しかも複数の出講先を抱えている場合がほとんどです。このときに問題となるのは出講依頼をどの程度受けるかです。毎年同じように出講依頼が来るわけではないので、いただいた依頼はできる限り受けようというのが一つの考え方です。しかしながら、体調を崩して出講ができない事態に陥れば、先方は他の先生に依頼して授業の穴を埋めます。その先生が翌年度以降も出講を続けることもあります。また、「あの先生は病気がちだ」という評価を下されれば、信用が損なわれ、出講依頼は減ります。すると、もう一つの考え方に、体調に留意して出講を抑制して長く仕事を続けていこうというのも出てくるわけです。明示的な定年もないことが多く、70歳を越えても活躍されている先生もいらっしゃいます。
比較的短距離でも特急に乗ったり、通勤電車の有料着席サービスを利用したりする人が、この業界では比較的多いように思います。これも混んだ電車で疲労を増悪させたり他の乗客とのトラブルに巻き込まれるよりもリスクの低い移動手段を選んでいるわけです。それでも、通勤時間帯や行楽・帰省シーズンは駅や電車が混み合い、出講時の移動がつらく感じることもしばしばです。こういう状況を回避する意味でもオンラインでの仕事は快適です。たdしオンライン業務は同僚の先生方との交流が疎になります。これは受験生がオンライン個別指導を利用する時のデメリットと同様の状況で、人間対人間のコミュニケーションが恋しくなることがあるのも事実です。
また、授業がない日にも、教材や模試などの制作や授業準備などがあるため、休みにはなりません。授業のない日の一部が調整によって初めて休日になります。授業がない日のことを「休み」と呼ぶ方もいらっしゃるので「休みも仕事」という言い方ができるわけですが、これは「東京ディズニーランド」みたいなもので言い方がフェイクです。休みなんてそんなにないです。
それでも、この仕事が楽しいと感じている人が多いので業界が成り立っているわけです。