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大学受験:直前戦略

今回は大学受験生の入試直前期の戦略についてのお話です。今回対象とするのは受験勉強を順調に進めてきた受験生ではありません。順調な受験生は本番を想定した時間配分を考えて実行するくらいの戦略しか必要ありません。そうではなく、必ずしも順調に勉強を進めることができなかった受験生を想定したお話をします。

英語において、順調ではない受験生とは英語を読むことも書くこともままならない受験生を言います。こうした受験生が取るべき戦略は、何を入試前にやって、何を入試後に先送りにするかを判断することです。つまり、合格最低点ギリギリで合格することを考え、そのために必要なことを入試までに行い、それ以外のことは入試後、入学までにやることにするわけです。こうすれば入学時点では余裕を持って合格した人と比べて遜色のない基礎学力を持つことになります。

では何をしたらよいのでしょうか。これは各大学・学部の入試の出題内容によります。多くの大学の最低点確保に必要なことは、やはり文レベルの文法を徹底的に学び直して、整序問題や正誤問題などを含め、文法語法問題はどのような問題形式であれ失点をしないように万全を期すことです。これで長文中の設問の一部も解答できるようになります。読解対策については隅々まで理解できるような読解力が期待できないようであれば、単語や背景知識だけでも身につけておくようにします。これは確実に得点する方法ではありませんが、全問不正解を回避するためには役立ちます。身も蓋もない対策のように聞こえるかもしれませんが、これで中堅私大までであれば十分合格圏内に入ります。

文法の学びが浅いと得点力の底上げが難しくなります。4択の適語選択問題なら何となく解けるというレベルでは合格圏には達しません。「長い文章をしっかりと読み取ったり書いたりする力はないが、文脈に依存しない問題は絶対に落とさない」というのが英語の合格最低ラインを突破する条件と考えてよいでしょう。

とはいえ、心配は無用です。英文法に関しては不適切な学習をしてきた受験生のほうが圧倒的に多数派ですから、英文法学習の失敗だけでは多くの大学の入試の合否は決まりません。英文法が身についていれば合格の可能性は高まりますが、身についていなければ絶対に落ちるというわけでもありません。英語の文法学習などの基礎固めを大学入学後に先送りにし、入試では他教科の得点で勝負するというのも一つの戦略です


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