オトナの男性の弱さへの愛おしさ
20代の頃、歳を重ねた男性に対して持っていたイメージといえば
当然包容力があり、判断力も優れていて
悩みなんかの話を聞いてくれた後は的確なアドバイスをくれる
そしてさりげなく仕事のフォローを私の知らないところでしてくれちゃったりして…なんていう内容
それから現在
私もそれなりに歳を重ねもうすぐ50の境界線を越えようとしている
先輩達から「ようこそ~ぜ~んぜんこわくないわよ~」と言う声が聞こえる「オトナの女性」的な立場になった
20代の頃にオトナだと思っていた人たちと同じ年齢になり
いや、気付けばそれ以上の年齢になり
経営者や管理職、いろいろと成し遂げてきた方とお話しする機会も多くなった
その中には20代のあの時見ていた「オトナの男性」もいる
そんなオトナの男性が、若い頃のイメージ通りの
包容力と判断力、的確なアドバイスをくれるのかといえば…必ずしもそうではない
その逆だ
ふと、とても弱い面を見せてくれることがあるのだ
その表情はとても人間らしい素顔
でも、なんで?
なぜこんなにも弱さを見せてくれるの?
「あーっ私歳とったのね 対等に相談される年齢になったのか」
考えてみれば、ある時から、急に自分が”そっち側”になった
今までは女性だから、若いから、立場が違うからと思われているような言葉
幾度となくはがゆい思いもしてきた
なのに、今はオトナの男性とラフに会話をすることが多くなり
敬語も使われるようになった
本音、弱音、悩み、相談を受けることはすごく多い
それって…
私は人生経験豊富なご婦人でありご意見番的な感じになっちゃった?
そう考えたらちょっと複雑な気持ちになった
相談をされるようになったのはいいけれど
年齢を感じさせる出来事のひとつだ
では弱さを見せる男性に対しては今どう思うか
きっと、若い頃勝手にオトナのイメージを作っていた私なら
そんな弱い面を見たらがっかりしていたかもしれない
でも、今の私は違う
仕事やそれぞれの立場で一生懸命に
経営者や上司、リーダーを演じている彼らの
”オトナの男性の弱さ”が、とても愛おしくなるのだ
母性なのか、私自身の存在価値を承認してもらえる安心感からなのか…
ギャップ?
でも、私って弱い男性は嫌いではなかったかしら?
それなのに今は、なんでもどうぞお話してごらん、っていうくらい
ドーンっと構えていられる自分がいる
しかも、彼らの気持ちをわかってあげられるし
たいていのことは受け止められる自信がある
正直、世の中の男性達は、今の時代を生きるのは大変だと思う
男性とは「こうするべき」的なものが数えきれないくらいあるのだ
・強すぎてもダメ、弱すぎてもダメ
・黙っていてもダメ、しゃべりすぎてもダメ
・仕事をしすぎてもダメ、しなさすぎてもダメ
・男性も参画するべき!それで参画した気になるな!
etc…
世の中の男性達もロールモデルが少ない中で
新しい男性像、リーダー像を創っていかなければならないのだから
本当に大変だ
世のオトナ達、理想としていたオトナの姿には程遠い今の自分に
気づいてしまうことはよくあるはず
あの頃から成長していない自分に幻滅したりね
オトナになると誰も正解を教えてはくれないし
周りも失敗しても簡単には助けてくれないんだよね
助けてって言えなくなっちゃったし
どうしたら部下に頼られる上司になるのか考えてばかり
頼ってもいいんですよ、なんて言われても頼り方も忘れちゃったよね
毎日大変なオトナの男性の皆さん
弱くてもいいと思うよ
うまくいかないなって思うことあると思うけど
あの時描いていた未来の自分になっていなくてもいい
オトナだからと感情を抑えすぎず
もっと感情のある人間らしく、泣いたり笑ったり
もっと自由に考えて
もっとやりたいことをやっていい
(そこそこ自分が安心する環境も確保しながらね)
無理をせず自分をもう少しだけ大切にすることで
自分を取り巻く環境が良い形にどんどん変わっていく
弱さを受け入れた人ほど強くなるから
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