2023/3/3
こんばんは、前回の投稿から3日経ちました!
昨日投稿したかったのですが、前回の続きは変化が地味なので、記事のお供に、と思って別の製作物を縫っていたら間に合わなくなってしまいました・・・。
さて、クラッチバッグの続きです。
工程はレザーコートx2回>アンティックフィニッシュ>レザーコートになります。
アンティックフィニッシュは、カービングをやり始めるとまず最初に躓くところだと個人的には思っています。自分が望むサビ入れ(凹凸にペースト染料を入れる)が本当にうまく行かないんですよ・・・。
私は2年やってますが、未だに納得した染め方・染料に出会っていません!
アンティックフィニッシュは、レザーコートをせずに染める方法もあるのですが、兎に角ムラになりやすいのが難点で、カービングの図柄も潰れてしまいがちです。
逆にカービングを目立たせないならとても有効な手段です。
また、レザーコートは基本的にはアクリル被膜が出来るので、革本来の質感を絶対に損なってしまいます。
レザーオイルなんかも中には浸透しないので、質感の点では圧倒的に直でアンティックフィニッシュを入れる方が良いですね。
一方でレザーコートを入れてからアンティックフィニッシュを使うと、凹凸のあるところに染料が止まるので、拭き取れば輪郭線・スタンピング・カットの部分だけ目立たせることが出来ます。
とはいえ、レザーコートを入れた部分も多少染まってしまうので、どの程度染めたいのか、或いは全く染めたくないのかで入れる回数が変わってきます。
レザーコート材の質感によっても染まり方がかなり変わるので、回数を重ねて試行錯誤する以外に方法がありません。
カービングの練習をしながら、平行してアンティックの入れ具合を決めて行く事になるので、兎に角時間がかかりますね。
染色工程全般に言える事なのですが、カービングをすると大体の人が決まった染料・工程をするのは、圧倒的に試行錯誤に掛かる時間が多いからだと思います。
革素材自体を変える事も出来れば避けたい、という人も多いのではないでしょうか。
その位、微妙な工程です。失敗したら革自体の損失もさることながら、時間もとんでもないロスになるからですね・・・。
その分、皆同じような染め方をしがちなので、非常に工夫のし甲斐がある工程でもありますね!
話が長くなりましたが、アンティック前とアンティック後はこんな感じです。
左がアンティックが入った状態・右がアンティック前です。
輪郭性が強調されているのと、バスケットスタンプの部分が大分目立つようになりました。
その分、ふんわりした感じは消えてしまう感じがしますね。
また、光沢もレザーコートの光沢になるので、革本来のしっとり感は失われてしまいます。
これは私が使っているレザーコートの問題かもしれませんが・・・。
他のレザーコートを試したのですが、被膜が柔らかければ柔らかい程アンティックが入ってしまう傾向にあります。
なので、私はアンティックを入れた後、最後の層にマット系の別のメーカーのレザーコートを入れる事で少し風合いを出すようにしています。
と、結構色々と試した結果ではあるのですが、仕上げ作業をした後にいつも「イメージと違うなぁ・・」と反省します。
カービングの図案もですが、やはりまだ試行錯誤をせねばならないなと毎回毎回思います。いつになったら納得できるカービングが出来るのか、到達点が見えません(汗
その分大変楽しいのですが、依頼者に渡すものは後悔と反省がずーっと付きまといます!
ここからは縫製になるので、完成したらまた記事にしようと思います。
まだ素材が届いてないものがあるので、一週間程度かかるかもしれません。
余談(ダーツケースの作成
以前依頼を受けていたダーツ用のケースがあるのですが、そちらの縫い合わせが終わったのでついでに載せておこうと思います。
依頼というより、友人から頼まれたものなので革の質は余り良くないものを使っていたりします。勿論、了承済みで!
このケースですが、手本となるものが殆ど無くて、完全に自分が設計したものです。
ダース3本、パーツ別に3本分、チップを20本、カード収納、という要望でした。これはもう風呂敷型にするしかないな・・と思って、包み込む形にしました。
形としては大分よくできたと思います!
ただ、カービングや縫製は、かなり稚拙だなと思いました。
上でもそうですが、完成するとがっかり・・の繰り返しですね(笑)
商品ではないので渡せる物ですが、これを商品にするなら細かいところはもっとちゃんと作らないとですね。
それでは今日はこれで失礼します!
読んで下さってありがとうございました!