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手帳型携帯ケース(その2)

こんにちは!
今年は

前回はデザインの輪郭部分をチェックのベベラで打ったところまででした。
お次は、サムプリントというボーダーラインを付ける刻印を打ちます。

こんな刻印です。使い方は色々なのですが、私は蔓と花の境目や、立体的に交差している部分に打ちます。
どちらが上にあるか、という陰影の強調の為です。
打つ強さもそうですが、長さによって蔓の奥行の角度も表現出来るので、結構奥の深い刻印です!
後は蔓の終端ですね、こちらは装飾的な意味合いが大きいです。

これ、もう一つ大きな役割があります。
どの線が蔓で、どの線がバックグラウンドなのか、を明確にする役目があります。
この後のベベラ打ちで確定するんですが・・・物凄く間違え易いんです(汗
実際にバックグラウンドとなるところは、バーグラウンダーという粒々の刻印で潰していくので、サムプリントを間違って打ってしまってもどうにかなります。染色しますしね。
ただ、ベベラで線を打ってしまうと、潰す側と残す側があるので、これを間違ってしまうと、蔓の前後関係がおかしくなってしまいます。
カービングはこのサイズ(190x190)でも10時間位かかるものなので、一打で台無しになってしまうと結構心に来ます(´`)
人によって打つ順番は結構違うと思いますが、カット後の平面の絵から立体にしていく過程は結構間違いが起きやすいので、ミスを起こしづらい順番を見つけるのはとても大事です!(教訓

さて、この刻印が終わると全体のベベラになります。
こちらはフラットのベベラで私は打ちますが、チェックのベベラとの一番の違いは、強弱です。
輪郭はなるべく同じ強さで、一回の打刻痕が見えなくなるように均しながら打っていくのですが、デザイン内のフラットのベベラは極力強弱をつけながら、適度に打刻痕が見えるように打ちます。
元々ある線の入り抜きを消さないように、極力シャープさを残しながら、打つべきところは打つ!という繊細さと大胆さがものをいう刻印かと思います。

私の図面は線と線と間が1mm無いような事も多いので、場合によっては刻印を手の力で滑らせるだけの事もあります。

中列上の花周りと、真ん中の蔓の部分はまだベベラを打っていません。
チェックのベベラと違って、変化は地味なのですが、この作業は結構仕上がりに大きな違いが出ます。
画像だとわかりづらいですが、フラットのベベラを打った部分は均されてテカテカするので、リアルな凹凸が表現出来ます。
蔓の時に使ったサムプリントは、絵的な陰影表現で、こちらはリアルな陰影の表現というべきでしょうか。

なので、ベベラでの陰影表現は物理的に傾けたりすると、違う表情を見せるので、わかりづらいけれどもカービングの醍醐味だとも思います!
カービング製品を見かけた際には、是非真上からではなく傾けてみてみて下さい。本当の彫りはその角度にありますよ!

ただ、地味なのに結構神経を使いますし、一番時間のかかる作業なので、辛めな時間でもあります。大事だとはわかってはいるんですが・・(ーωー)

次はバックグラウンドを入れる作業です。
ベベラで既蔓の部分は決めているので、バーグラウンダーという刻印で背景を潰していきます。
ただ、このバーグラウンダーは小さい粒なのですが、いくら小さいとは言え鋭角になる角はどうしても潰れないので、先に先端を尖らせた刻印で角を出します。

右上の粒々がバーグラウンダーで、真ん中と左の花の周りの隙間に打ち込んであるのが加工した刻印です。

バーグラウンダーは出来るだけ規則正しく、流れが出来るように打っていきます。
実際は後で濃いめの茶色で染色するのですが、これも後で斜めにしてみてみると結構目立つので、丁寧に進めるのが良いです。
そうして只管背景を潰してゆき・・・。

潰してゆき・・・・


黙々と続けてたら、花の中の刻印も終わらせてしまっていました(汗
ベベラとバーグラウンダーは大体続けて行うですが、両方やり終えると目が虚ろになってる事が多いです・・・。

写真を撮り忘れていたミスなのですが、花の中の打ち方に関しては私はフラットのサムプリントを使って、感覚で凹凸をつけているだけなので、説明のしようが余りないのです。
言い訳では無くてホントに(´・ω・`)
恐らく、こういう打ち方をする人の方が珍しいのではないかと思います。
敢えて言うなら、花弁がどういう風にねじれていて、どの部分が一番手前に出ているのかを考えながら打つことでしょうか。
私自身も未だに正解が見つかっていないので、今後変化していくところかなぁとも思います。

最後に丸まっている蔓や、葉の部分にテクスチャ系の刻印を打ち込み、陰影の強調や花のデザインカット等を行って、カービングの完成!となります。

最後に、私が一番好きなカービングされた革を見る角度でも一枚!


他にも色々映っていて集中できないかもしれませんが・・・(汗
彫り物なんだなぁというのを一番実感できて、かつカービングされている部分とそうでない部分の質感の違いが分かりやすい角度です。
バーグラウンダーの粒もキラキラ光ってこれまた綺麗なんです!
カービング製品を手に取る機会がありましたら、是非この角度でお手に取って観てみて下さい(´ω`*)


さて、駆け足で来てしまいましたが、今回はここまでになります。
本当は染色までしたかったのですが、思ったより色々書いていたら真夜中になってしまいました(汗
染色するとまたガラっと印象が変わるので、これはこれで良い区切りかなとも思います。
出来る限り早く次の記事も書きたいと思いますので、どうぞ次回も見て下さったら嬉しいです。

今回も観て下さってありがとうございました!

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