サッカーをテーマにした今年の漢字【OWLオムニバス】
こんにちは、あしかです。
第101回天皇杯、浦和レッドダイヤモンズが大分トリニータに2-1で勝利して幕を閉じました。優勝おめでとうございます。
私はテレビ観戦していたのですが、今シーズン限りで退団が決まっている槙野智章選手のアディショナルタイム勝ち越し弾に思わず絶叫してしまいました。
まさに、映画やドラマのようなストーリーだったわけですが、国立競技場で行う天皇杯の決勝という舞台と、スタンドを埋め尽くすサポーターの想いが叶えたゴールシーンだったと思います。
天皇杯を制した浦和レッズは来季、3度目のアジア王者を目指してACLを戦います。
レッズサポのほりけん氏による、2007年にJクラブで初のアジア王者に輝いた逸話が読める『すたすたぐるぐる 埼玉編』好評発売中です!
さて、今回ご案内しますのはOWL magazine2021年最後のオムニバス企画です。
この企画では、OWL magazineに寄稿しているメンバーだけでなく、読者を中心としたコミュニティOWL's Forestのメンバーも参加しています。
OWL's Forestでは、オムニバス記事への参加以外にもたくさん楽しい特典を用意しています!!メンバー間の交流はもちろん、ラジオ番組の制作・企画などにチャレンジする創作活動を行っています。本の出版企画、イベントなどの先行案内もあります。
詳しくはこちらをご覧ください!
今回のオムニバス記事、テーマは「サッカーをテーマにした今年の漢字」をお贈りします。
「協」~大したことのない力を大きな力に~(リセル)
翔 鳥は飛翔するしかない(KAZZ)
「耐」えて、希望を見いだす(つじー)
-- 以下、有料 --
「留」心に留める2021(キャプテンさかまき)
丁〜推しアウォーズ表彰式〜(Harako)
「夢」を追う人、「夢」を支える人(中村慎太郎)
「協」~大したことのない力を大きな力に~
私の今年の漢字は「協」です。
「協」には「力を合わせる」という意味があります。
私個人としても、ヴァンフォーレ甲府の戦いぶりを見ても、まさに力を合わせて駆け抜けた一年でした。
私は今年4月から、試合設営ボランティアに参加しました。
試合の設営も、以前から参加しているマッチデープログラムのチラシ折り込みボランティアも、一人の力では到底できません。
多くの人が力を合わせるからこそ、設営作業が1時間半で終わり、6000枚のマッチデープログラム全てにチラシが折り込まれるのです。
多くの人が同じ目標に向かって、力を合わせて目標を達成する。普段の試合でチームを応援することとも重なり、改めて力を合わせることの大切さを感じた一年でした。
そして今年の甲府も、甲府に関わる全ての人が力を合わせた一年となりました。毎年「ホームで勝てない」と言われ続けていた甲府でしたが、今年はホームで13勝6分2敗と大きく勝ち越しました。
甲府サポーターの応援も、チームの力になったことは事実です。
またチーム内では、主力の泉澤仁選手が今季絶望の大怪我を負っても、宮崎純真選手など若手の覚醒により最後までJ1昇格争いに食い込むなど、選手間でも協力して戦い抜きました。
泉澤選手も負傷離脱となるまで、チームの攻撃の要として大きく貢献してくれました。泉澤選手がいなければ終盤の怒涛の快進撃も、昇格争いとは離れたところにある冷めたものだったかもしれません。
チーム全員が、甲府に関わる全ての人が力を合わせたからこそ、最後の最後まで熱くなれる濃いシーズンとなったのです。
何事も一人の力で成し遂げられることはありません。
この熱いシーズンも、甲府に関わる一人ひとりの力によるものです。
一人の力は大したことはないかもしれません。しかしそれらを合わせることによって、大したことのない力は大きな力となります。
私の力も本当に微々たるものです。「こんなこと、甲府のためになっているのかな?」と疑ったこともあります。しかしその微々たる力が、それが甲府を動かす一助となっていることに今年ようやく気付けたのです。
生誕500年を迎えた武田信玄公の名言「人は城、人は石垣(信頼できる人の集まりは、 強固な城に匹敵する)」になぞらえるように、2021年は一人ひとりの力が大きな力になることを物語ったシーズンでした。
来シーズンも力を合わせて、熱いシーズンにしていきたいです。
リセル
「OWL magazine」の新人ライター。生粋の山梨県民で、ヴァンフォーレ甲府サポーター。趣味はミサンガや水引細工などの手芸と、音楽を聴くこと。スタジアムで流れるBGMが大好き。
【主な執筆記事】
『いじめ被害者だからこそ実感できるサッカーの魅力』
翔 鳥は飛翔するしかない
ガイナーレ鳥取の今季は9勝17敗2分の勝点29得点36失点53に終わった。その意味から言えば、2021年のガイナーレ鳥取を象徴するのは「底」なのかもしれない。
だがそれでは身も蓋もないし、今後への明るい展望すらなくなってしまうように思い、大変によろしくない。
むしろシーズン最終盤の3試合を連勝で終えられた、という辺りから、今季を締めくくり、来季への期待を抱くという意味で、今季を象徴する言葉を「翔」としたい。
ガイナーレ鳥取の2021年のスローガンは「強翔(きょうしょう)」である。
ガイナーレ鳥取を長く見てきた人なら知っていると思うが、「強小(きょうしょう)」という言葉がずっと以前からこのチームを象徴する言葉としてあって、2009年を「強小元年」といっており、比較的近年まで「強小○年」と言っていた。
いつしか、そのような言い方はされなくなったが、ここにきて「強翔」と表現を変えて戻ってきた。その「強翔」の号令の下、高く飛翔できると思っていたのだけれど、現実はそんなに甘いものではなかった。
思ったよりチームの状態が上がらず、5月上旬のヴァンラーレ八戸戦後に髙木理己前監督が任を解かれた。その後、金ジョンソン監督を迎えて建て直しを図ったが、解任ブーストだ、鳥取は復調するぞ、と思っていた人もいただろう。
しかし、現実には直後のホームでの富山戦で0-3と完敗したり、二週間後のホーム・長野戦で1-8というスコアで大敗を喫するなど、解任ブーストどころか逆噴射がかかるような状態になってしまった。
もちろんその責任は金監督になどあるわけもなく、チームが髙木流からの脱却を模索する上で避けて通れない通過儀礼だったのかもしれない。
9月に入って2勝するなど、上向きかけたものの、10月は再び敗れることが増えた。ホーム宮崎戦の0-4などは顕著な例だった。
しかし、11月の声を聞いてからチーム状態は上昇し始めた。時既に遅し、という気もしたが、11月のホーム藤枝戦を4-3で逃げ切ると、続くアウェイ沼津戦こそ惜敗したが、それ以降の3試合を全て勝ってフィニッシュできた。
この頃はホームゲームに行くのが楽しかった。やはり勝つのは良い。
同時に、このチームはやはり「翔ばなければダメだ」と思うようになった。翔ぶように力強く進んでいかなければ。その姿を見ていただくことで、鳥取県を盛り上げる原動力の一つになってほしい。
そういう意味からも「翔」なのだ。
そして、彼らは鳥だ。鳥は飛翔するしかない。
2022年は翔ぶようにピッチを躍動するガイナーレ鳥取を見たい。
KAZZ
OWL magazineに月1ペースでShort Letterを寄稿している、得体の知れない島根県民のおっさん。OWL magazineにこの先何を書くべきかを真剣に模索している。2021年は何とかやり過ごせそうなのだが、2022年は果たしてどうなっちまうのか。
【主な執筆記事】
『島根県民なのにガイナーレ鳥取を愛好する偏屈なおっさんの話』
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「耐」えて、希望を見いだす
僕にとっての今年の漢字は「耐」とした。「耐える」という意味だ。
多くの人にとっては2020年の方が「耐」のシーズンだったかもしれない。突然のコロナ禍により、サッカーリーグは中断し、再開後もスタジアム観戦が制限される状況になった。
しかし、2020年は諸事情によりコロナ禍がなくても僕がスタジアムに行ける機会はほとんどなかったであろう。そう考えると、スタジアムに行けないことへの覚悟はできていたので「耐えている」という感覚は薄かった。まさかリーグ中断までいくとはさすがに思わなかったが。
2021年、スタジアム観戦の制限が徐々に緩和される中でも、アウェイ席の開放をするクラブは多くはなかった。緊急事態宣言中ならなおさらだ。
東京に住んでいながら、北海道コンサドーレ札幌を応援している僕には、北海道に行ってホームの試合を見に行くことはリスクが大きかった。金銭的にも北海道に行くのにはお金がかかるし、時間も取られる。
サポーターの中にはユニやグッズを身に着けれない、応援できないとしても現地で試合を見たいとホームの席にこっそり座る人もいたと聞いている。その是非はここでは問わないが、自分にそれをする選択肢はなかった。僕はアウェイ席で堂々とユニを着て応援したかったからだ。
緊急事態宣言解除後、徐々にアウェイ席も開放する動きが出てきた。おかげで久しぶりの現地観戦に心躍らせることができた。
耐えているといえば、コンサドーレの成績もだった。
ACL出場をかかげ、開幕戦は5-1と大勝し、まさかのリーグ首位に躍り出た。しかし終わってみれば10位。順位だけ見れば可もなく不可もないシーズンだった。残留争いするわけでもなければ、ACL出場争いするわけでもない。何もひりひりしないシーズンだった。
ミシャが監督になって4年目になった。選手の入れ替わりはあるが、ここまでくるとチームは円熟期だ。やっているサッカーも見慣れてきた。
5年連続のJ1残留を決めれたことは素直にうれしい。かつてエレベータークラブと呼ばれた面影はもうないはずだ。これ以上望むのは贅沢なのかもしれない。
そう考えると、慣れや退屈、そして変な高望みをしないように「耐える」一年だったのかもしれない。
私事であるが、今年は自分を取り巻く環境が大きく変化した。その変化に対応するのに必死な一年だったし、これからもしばらくは必死になるだろう。
見たいサッカーの試合が国内外問わず、時間を作れず見れないことも多々あった。そういう意味でも「耐」の一年だったといえる。
2022年はどんな年になるだろうか。自分でも想像つかない。先に書いたように引き続き「耐えつつ」も、実りのある一年にできれば幸いだ。一足早いが読んでいただいたみなさん、メリークリスマスと良いお年を!
つじー
北海道コンサドーレ札幌のサポーター。カルチョも愛好し、エンポリもひっそりと応援している。今年一番感銘を受けたサッカーは、シモーネ・インザーギ監督率いるインテル。
【主な執筆記事】
『JFLサポよ、震えて眠れ。FC刈谷 is BACK!!【2020地域CL決勝レポ】』
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「留」心に留める2021
私の今年の一文字は、「留」です。
理由は、中日ドラゴンズの福留がいいところでよく打ったからです。40代も半ばになりましたが、来年も頑張って欲しい選手です。
さて、今年のことを振り返ると、福留のほかにも3つの「留」がありました。
ここからは、有料公開にさせていただきます。
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執筆陣には、OWL magzine代表の中村慎太郎、ノンフィクションライターの宇都宮徹壱さんの他、川崎フロンターレや鹿島アントラーズ、名古屋グランパス、北海道コンサドーレ札幌、V・ファーレン長崎、東京武蔵野ユナイテッドFCなどなど全国各地のサポーターが勢ぞろいです。
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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…
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