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老いていく、という事。

4月末、私と夫とBuddyは1週間のホリデーに出掛けた。
出掛けた先は、イギリス南西部のコーンウォール地方。国内のホリデー先として、とても人気の場所だ。
コーンウォールを訪れるのは、今回で3度目。セルフケータリングのコテージに滞在。
連日良い天気で、私達はビーチに行ったり、蒸気機関車に乗ったりとホリデーをエンジョイしていた。

ビーチにて。



滞在も半ばになり、コーンウォールに引越したビーグル友達に誘われて、私達の滞在先から近いパブで、ディナーしてクイズ大会に参加しないか?と誘われて、夕方そのパブにBuddy連れで行った。
友人達も、彼らの飼い犬であるビーグルを2匹連れて来ていて、久々の再会に喜んだのも束の間…


Buddyが、パニックアタックを起こし始めたのだ。

パブはこじんまりとしていて、クイズ大会の為、ほぼ満席。
他のお客さん達の話し声や笑い声に、Buddyが落ち着きをなくし、震え始めた。
夫と私で、何度かパブの外へ連れ出して落ち着かせようとしたのだけども、Buddyは頑なに中に入ろうとしない。

私は夫から車の鍵を預かり、Buddyとクイズ大会が終わるまで車の中で待機する羽目になった(泣)
あぁ、クイズ大会に参加したかったな…でも、なんでBuddyは急に音に過敏になったんだろう?
年を取るにつれて、聞こえにくくなるんじゃないの??と思いつつ、その日は終えたのだが。

Buddyのパニックアタックは、この日以降、頻繁に出現した。

兎に角、テラス席でも人の話し声や笑い声が大きいと、パニックになるので、ゆっくりと食事も楽しめなくなり。
夫と二人、首を傾げながらもホリデーを過ごしていた。

数日後、友人宅に招かれ、一緒に彼らの住む場所から近い風光明媚な港町へ出かけた。
街歩きをしている時は、人の声には反応しないのに、いざランチを食べようとレストランへ入った途端、Buddyは店の外へ出ようと半ば半狂乱に近い状態になった(泣)

何とかランチを済ませ、しばらく街ブラした後、コーヒーを飲もうと入ったホテルのテラスでもBuddyは落ち着きがなく。
ゆっくりコーヒーを飲む事なく、私達は友人宅へと戻り、そしてホリデーが終わった。


ホリデーが終わり、私達はBuddyを動物病院へ連れて行った。
獣医にホリデー中のことを伝え、下った診察結果は、

Canine cognitive dysfunction(犬の認知機能障害)

だった(泣)
そう、「痴呆症」である。


獣医曰く、普段と違う事をすると混乱してしまうらしく。
ここ2年はコロナ禍という事もあって、頻繁に出かけるという事が無かった為に人混みや、そういった騒音に慣れていなかった事とかが重なり、発症したのではないかという見解だった。

何故、それが分かったかというと、獣医の飼っていた犬が同じ症状だったらしい。

ただ、これを治す薬はないらしく、あくまでもBuddyの不安や恐怖心を和らげる薬はあるようで、夫と即決でその投薬を始めることを決めた。
結構な値段だが、Buddyの事を思えば「No」とは言えまい。
Buddyがハッピーなら、それで良し、なのだから。

そして獣医からのアドバイスで、
「犬の生活環境を極力変えないようにする」

と言われ、そう言えば…と思い出した事があった。

つい最近、リビングの壁のペンキを塗り替えたり、ソファや家具を買い替えたのだが、それ以降、夫がアーセナルの試合を見て興奮し大声を出したりすると、パニックアタックのような症状を見せていた事を思い出して、
症候の発症に引き金になったのかも…と人知れず落ち込んだ。

新しい事にすぐ順応出来るのは、若い頃の特権なのかも…Buddyは今年で14歳。ビーグル犬の平均寿命が12-15歳と言われてる中、Buddyの犬生は波瀾万丈だ。2度の癌の克服、脂肪腫による前右足の切除等、小さな身体でよく頑張ってるBuddyが、犬生を全う出来る様に出来る事は何でもする。
大事な家族の一員だし、私の息子なのだから。

と、ソファで寝ているBuddyの寝顔を見ながら改めて思ったのだった。