ご隠居、星になる。
すっかりご無沙汰しておりました。今年ももう7月も下旬。この記事も下書きして半年が過ぎていたので、慌てて公開したものです(苦笑)
さて。
以前、交流のあったご隠居の事を覚えてらっしゃるだろうか。
うちの夫が、ひょんな事から出会ったあの独居老人である。
私と夫は、昨年11月半から12月の2週目まで約3年振りとなる里帰りで日本へ行っていたのだが、私達がイギリスへ戻る前日の朝、その訃報が飛び込んできたのだった。
「ご隠居が病院で亡くなったよ」
朝起きてメールをチェックしていた夫から聞かされて、一瞬耳を疑った。
驚いた顔で夫を見上げた私に、泣きそうな顔で夫が続けた。
「ご隠居が亡くなったよ…」
御年86歳。大往生といえば大往生である。
私達が日本へ一時帰国して直ぐに病院へ入院したとご隠居の隣人から聞かされた。
私達がイギリスへ戻って、年明け1月末にご隠居の葬儀が行われた。
参加したのは、私達夫婦と、ご隠居の隣人夫婦、そしてご隠居の亡くなった奥様の友人夫婦の6人だけだった。
ご隠居は生前に自分で葬儀プランを考えていたらしい。
ご隠居の棺が家の前に止まり、葬儀会社の車で火葬場へ行き、しめやかに式は執り行われた。
夫が代表してご隠居を偲ぶスピーチをする事になり、色々思い出しては声を詰まらせ涙を流しているのを見て貰い泣き。
同じ村に居ながらも全く知らなかったのが、夫が芝刈りを手伝った事をきっかけに、私も時々ご隠居に会いに行った事を思い出し。
…初対面の時に「猫は食べた事はあるのか?」と聞かれたのも、いい思い出だ(マジかw)
葬儀が終わって数日後、夫はご隠居の遺灰を奥様の墓標の隣に埋葬して、最期のお別れをした。
ご隠居の飼っていた猫は、奥様の友人夫婦が保護施設へと連れて行ったらしい。猫も高齢なので、心配ではある。
こうして、私達とご隠居のお話は幕を閉じた。
ご隠居、空の上で奥様と再会して幸せにね。