大川ドラゴン

【書評】新興宗教教祖にふさわしい服装

幸福の科学・大川隆法がファッションについて語ると…※信者ではありません


僕は一時期、手に入るファッション関係の本を片っ端から検証する作業をしていました。
その時期に検索をかけてヒットしたのが

『ファッション・センスの磨き方』大川隆法 (著)

大川隆法?

幸福の科学の?

宗教関係の本を死ぬほど出版しているのは知っていましたが
まさか服飾までカバーしているとは。

1500円は高いなと思いながら買ってみました。

※大川隆法について
新興宗教団体「幸福の科学」総裁。
2011年12月までに800冊を超える著書が出版されており、
30ヶ国語以上に翻訳され100ヶ国以上にて刊行、
2011年末時点で累計発行部数は公称9000万部以上。

ちなみに詳しい理念は知りませんが
既存宗教は古臭くなっているので今の時代には新しい宗教が求められている
⇒それは幸福の科学ということらしいです。

で、僕の知っている限りの新しい宗教=幸福の科学の内容は

・教祖大川隆法は仏陀とキリストと古代アトランティスの神の生まれ変わり
 ⇒ムー読者?つーか設定盛りすぎのダメな少年漫画みたい

・国政に300人擁立して全滅。供託金を1億以上溶かした教祖が全然平気とコメント
 ⇒それ信者の金じゃん!

・知事選のインタビューに着物姿の銀座のママが紛れ込んでる
 ⇒幸福実現党かよ!

・自分の嫁をビーナスと読んでいたが離婚して週刊誌に売られる
 ⇒一転して嫁をメデューサ呼ばわり。全知全能ちゃうんかい!

・しかも信者の若い娘と再婚。愛人も多数らしい
 ⇒自分に正直すぎる!

・イタコでキリストを降霊させ「アイアムジーザズクライスト!」
 ⇒なぜ紀元前のローマ圏の人間が英語?

・イタコで明治天皇を降霊させ「どうも明治です」
 ⇒自分で「明治」とは言わねーだろ!

・イタコで生きてる人間の守護霊を召喚して勝手に発言
 ⇒どうして誰も訴えないの?

こんなコントがエンドレスで続き
信者でもない僕を笑って幸せにしてくれる好感度No1宗教です。
あぁだから「幸福」の科学なのか。
信者にはなりませんがファンにはなりますね。

とはいえ本の価値は内容で決まります。

ここからが本題で
キリスト教や仏教などは法衣・僧衣というものが存在しますが
新興宗教には存在しません。
ステージ衣装を除くとインタビューでの大川隆法は基本スーツです。

国家元首など金と権力があっても社会的信用を求められる人間は
スーツや民族衣装の厳格なルールを破った着こなしはできません。

では金と権力を手にし、且つ自由な存在が服を着たならば?

本書はその疑問に答えてくれます。

購入後kindleを開いて初めに思ったのが

「あれ、文字の初期設定ミスってる?文字が異様に大きい」
⇒「えっこれで最小?」

うん800冊以上出版するコツがわかりました。
文字は老眼の信者にも読みやすく大きいフォントなんですね。

ともあれ「まえがき」です。

「女子学生から先生は十分に若くて美しいのに~と言われた」

???

大川隆法の顔を知らない方に説明しておくと僕には中年の美形でないおじさんに見えます。

この時点で嫌な予感はしました。

で本編ですが信者からの質問に大川隆法が1問1答で答えるインタビュー形式です。
ここでも多数の出版するコツが学べます。
インタビュー形式にすれば自分で書かなくて済むんですね。

内容に関してですが1部抜粋すると
・「同色系統」で揃えると大きな外れはない
 ⇒有名なグラデ理論です
・アメリカでは赤×青の組合わせがうける?
 ⇒アメリカの政治家が赤ネクタイを好むに言及していますが
  アンケート結果ではなくケネディの影響と色彩学とかでは?
・「着こなし」と「オーラ」の関係
 ⇒ノーコメント

なんだろう。
大きく間違ってはいないが明確な説明がなく
初心者がマニュアルかじっても言えそうというか
マニュアルすらかじらず一般的な正解に当たっているような。

あぁこれバーナム効果を駆使する占い師と一緒だわ。

※バーナム効果
 誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、
 自分だけに当てはまる性格なものだと捉えてしまう心理学の現象。

ちなみに最後の作者紹介欄ではじめて服装が確認できます。

ちょっと待て。

なんだその高そうな生地の「緑色の水玉ジャケット」って。
しかも座ったときにボタン閉じてるから肩が思いっきり抜けている。
典型的な「センスの悪い成金」じゃねーか!


【本書のまとめ】
・ファッションの指南本としてはまったくお勧めできない
・ユーモアとして見ても1500円は割高
・信者なら買い(ファミ通レビュー風)
・既存のファッション指南本に飽きて「オーラ」とか念修業を始めたい方


アマゾンレビューを見ると6件中3件が☆5評価。
「友人に勧められて購入しましたが、正直言って、こんなに深い内容だとは思いませんでした。」
「これは「ファッション哲学」を語った思想書だと思う。」
「美に対する逃げ腰が弱まりました!」

☆5をつけている信者の方は心がきれいすぎてさぞかし生きにくいだろうなと思いました。

だからこの書評を読んでも暗殺部隊や勧誘部隊など差し向けないようにお願い申し上げます。

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