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【第101回】マディ・ウォーターズ/トラブル・ノー・モア

日本ハムファイターズの新監督に「新庄剛志」氏が就任されましたね。あ、監督ではなくビッグ・ボスか。新庄氏って現役の頃からパフォーマンスが先にきちゃう印象があって、あまり好きなタイプではなかったのだけれど、最近になってこの人も日本の野球界を盛り上げるためにいろいろと考えてやっているのだなと思えるようになって、前より好意的に見るようになった。この感想文が公開されている頃には1年目のシーズンが終わって、監督としての、いや、ビッグ・ボスとしての評価も出ている頃でしょうが、野球界が盛り上がっていると良いなと思う。
そんなわけで今回はシカゴ・ブルースのビッグ・ボスこと「マディ・ウォーターズ」について書いていきたいと思う。聴いたLPは「トラブル・ノー・モア」。マディ親分が1955年から1959年の間に、シングルとして発表した作品を集めたものだ。以前に書かせていただいたことのある「ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ」(第4回参照)は、1948年から1954年の間の作品を集めたものなので、ちょうどうまく時期をずらしてくれている。このLP自体の発売は1989年と、録音時期からは大分時間が経ってからなので、「ベスト・オブ〜」を意識して選曲されたLPなのかもしれないね。
そんな背景もあって、「ベスト・オブ〜」と比較しながら聴いてしまうのだけれども、内容的には結構違いがある。「ベスト・オブ〜」って音数が少なめでゆったりとした曲が多くて、それが男臭くてどっしりと構えたマディ親分の魅力を醸し出しているのだけれど、「トラブル・ノー・モア」はバンドとしての音が分厚くなり、軽快なロック色の強い曲が増えた感じだ。それはマディ親分の魅力が薄まったと言えるかもしれないけれど、聴きやすくなったという言い方もできる。「ベスト・オブ〜」はこれぞシカゴ・ブルースだっ!という感じの名盤だけれど、人によってはそれが退屈に感じてしまうかもしれない。そういった方には、バンドとしての迫力が増し、ロックよりになった「トラブル・ノー・モア」の方がとっつきやすいのかもなと思った。バンドの音が分厚くなっても、マディ親分の迫力は負けてないと感じたし、どの曲もカッコ良くて私は存分に楽しむことができたLPだ。
特に私が気に入っている曲は「シュガー・スウィート」「ゴット・マイ・モジョ・ワーキン」「クローズ・トゥー・ユー」あたり。ただ「ゴット・マイ・モジョ・ワーキン」は「アット・ニューポート1960」(第37回参照)でも演っていて、「ブルルルル〜」というマディ親分の唸り声が聴ける「アット・ニューポート1960」のほうが私は好き。「クローズ・トゥー・ユー」は歌うたびに「ガハハ」というマディ親分の笑い声が入るのが豪快で面白い。
というわけで、これからマディ親分に触れよういう方にも十分オススメできる、なかなかに良いLPだなと感じた。ただこのLPから入ったとしてもこれだけで終わりにはしないで、やっぱり「ベスト・オブ〜」は聴いて欲しいなというふうには思う。マディ親分はホントにカッコよいのです。

聴き漁る
シカゴ・ブルースの
マジヲタっす(マディ・ウォーターズ)

季語はブルース。

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