【第125回】スピッツ/惑星のかけら
私は毎年のように沖縄方面、石垣島や西表島、宮古島などへ旅行に行っている。そしてこの感想文を公開した今まさに、沖縄に居るというなんという奇遇。沖縄に旅をするメンバーは私を含めて毎回同じ3人。気心の知れた仲なので気を使う必要がなくてとっても楽ちん。さらには私は旅行の計画とか超苦手なのだが、その旅行メンバーの1人がそういう計画を立てるのが好きで、進んで計画・手配をやってくれるのでこれまた超楽ちん。毎回お任せで甘えちゃっている。メンバーのもう1人は私と性格が全く同じで、2人揃っても戦力としては1人分にしかならないというユニークなパーティーだ。旅行に行っても弾丸ツアーみたいにはならず、朝起きてのんびりして今日はどこ行くか、みたいな感じで3人とも、この空気感が共有できている。
毎回旅行をして思うのだが、旅行ってどこに行くかよりも、誰と行くかってホント大事だと思う。日頃溜まったストレスを発散するために、高いお金を出して行くのに、一緒に行くメンバーのせいでストレスを溜め込んじゃ本末転倒だよね。そういった意味で言うと、このメンバーと出会えたことはホントにありがたいことなわけで、私の人生で最高に嬉しい出来事であったわけだ。
さて、そんな沖縄旅行で楽しみにしている事の1つが星空を見ることだ。なに気取ってやがんだなんて声が聞こえてきそうだけれど、満点の星空ってやっぱり圧巻なのだよね。的確な表現が思いつかないのだけれど、自分が存在していることが不思議になる感覚というのかな。そういうのを神秘的と表現するのかしら。何言ってるかわからないですね、置いてけぼりすみません。まあ、とにかくずっと見ていられるわけなのです。
竹富島に行ったときなのだけれど、その時はまあ今までの人生で最高かと思えるくらいの星空で。それなのに見ている途中でうんこがしたくなっちゃって(汚い話でごめんなさい)。もっと星空を見ていたいのに、うんこはしたいという葛藤の中、地球に隕石が落ちてきたんじゃないかというくらいの、めちゃめちゃキレイな流れ星を発見。私は「うんこを止めたい、うんこを止めたい、うんこを止めたい」と願い事を唱え、そして満足して願いを叶えに帰途についた。
というわけで今回はスピッツさん通算3枚目のアルバム(2枚目との間に1枚ミニアルバムを挟んでいる)、「惑星のかけら」について語りたいと思う。このアルバムの私の印象は地味、まあ地味、ホント地味で忘れがちなアルバムだ。それというのもこのアルバムの表題曲であり、シングル曲でもある「惑星のかけら」が地味だからなのではないかと思っている。あれ、これってシングル曲だったんだっけ、と思いがちの曲だ。この曲結構ヘビーなサウンドで、スピッツさんのイメージともちょっと違う。悪くはないけれど、あまり印象に残らなくて全然シングルっぽくない。
もう1つのシングル曲「日なたの窓に憧れて」はスピッツさんらしい優しい曲だ。バックで常に流れるピコピコ音が可愛いくて、これがあるのとないのでは全然違ってくる。シングルっぽいちゃあシングルっぽいけれど、これもやっぱり埋もれがち。
私のこのアルバムでのお気に入りは「アパート」と「白い炎」の2曲である。特に「アパート」なんかはシングルになっていてもおかしくないのではないかと思っている。軽快なイントロからの爽やかで、ちょっぴり切ないメロディーが気持ちの良い大好きな曲だ。まだ未熟な頃にした、ちょっとストーカー気味の恋愛を思い出している歌である。「白い炎」は疾走感のある、結構スタンダードな感じがするロック・ナンバーだ。聴き進むにつれて気分が高揚する、聴いていて気持ちの良い曲である。そして「ひからびかけたメビウスの惑星で」のバックで流れる「ワオワオ」鳴ってる音がカッコよい(なんの音がわからず、稚拙な表現ですみません)。
その他で言うと「オーバードライブ」なんかが面白い。「レッド・ツェッペリン」の「デジャ・メイク・ハー」という曲を、スピッツさん流にアレンジしたような感じで、サウンドはかなりヘビー。途中サンバの曲調を挿入していたりしてなかなか賑やかな曲だ。そして歌詞はエロくて、曲の雰囲気は甘ったれ感満載だ。あとはほぼインストな「リコシェ号」や、ハニーを連呼しまくりなノリの良い「ハニーハニー」、「never young beach」というバンド(ご存知かしら。。)が演っていそうな「波のり」なんかは聴くと結構良い曲だなと思う。逆にあまり好きくない曲は「シュラフ」と「ローランダー、空へ」の2曲。どちらもゆったりとしていて、不思議な雰囲気をまとった曲なのだけれども、聴いていて退屈しちゃう。
以上がこのアルバムの私の印象になるが、やはりこの感想文を書いたあとでも地味だなぁという印象は拭えなかった。調べた感じタイアップされた曲も無さそうなので、やはり世間的にも地味なイメージなんじゃないかなぁ。あとちょっと思ったのが、サウンドが全体的に、70〜80年代のハードロックに近い感じがしたこと。上でお話したように「レッド・ツェッペリン」とかのね。まあこの年代の音楽に特別明るいわけではないので、私の思い違いかもしれないけれど。
地味だけど
スピッツさんの
これもチェケラ(惑星のかけら)
季語はスピッツ。