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【第68回_JWD?②】ウェス・モンゴメリー/フル・ハウス

大学時代「ザ・イエロー・モンキー」にハマっていた時期があって、今でもたまに聴いているのだけれど、聴くたびに古臭さを感じさせない、色褪せることのない人達だなぁと感心させられる。今でも全然聴けちゃうよねというやつだ。
イエモンの魅力ってボーカルである「吉井和哉」さんの色気ではないだろうかと私は考えている。吉井さんの立ち居振る舞いっていちいちセクシーで、そして吉井さんの作る詩ってとてもいやらしい内容なのだけれど、そのいやらしい内容を、とても綺麗に歌として表現している。下世話な内容に聴こえないのだ。それはとても美しいことなんだよと、口説かれているような感じ。まあ、たまに下心剥き出しの曲があったりして、それがまた面白かったりするんだけど。このイエモンのエロい世界観ってもはや芸術の域に達しているんじゃないかと、個人的には思っているのだけれど言い過ぎかしら。
1番好きなアルバムは「SICKS」である。とはいえこのアルバムはイエモンの世界観ズブズブ過ぎなので、最初に聴くなら「smile」が聴きやすいんじゃないかと思う。興味をお持ちの方は是非聴いてみてください。今でも全然聴けちゃいますよ。
そんなわけで今回は「ジャズ・ウィー・ダンス?」の第2弾ということで、イエモンに略称が限りなく近いウエモンこと「ウェス・モンゴメリー/フル・ハウス」の感想を書いていきたいと思う。ウエモンさんはギタリストなので、今までそれなりの数のブルースを聴いてきた私には、馴染みやすいジャズなんじゃないかと思っている。
このLPは1962年に録音されたライブ盤で、ギター、テノール・サックス、ピアノ、ベース、ドラムという編成による演奏である。前回のキャノンボールさんのときは、アルト・サックスだったけれど、今回はテノール・サックス、新しいサックスの登場だ。前回アルト・サックスとトランペットの違いでさえ怪しかったのに、アルトとテノールのサックスの違いなんて絶対に区別つかないなと思ったけれど、幸いこのLPでは吹奏系の楽器はテノール・サックスだけの安心設計である。
さて、実際に聴いてみた感想は、前回聴いたキャノンボールさんよりはムーディー感は薄めで、少し明るめの印象を受ける。そのため前回のときのような、居心地の悪さというか、むず痒さのようなものはあまり感じずに聴くことができた。A面2曲目の「アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハー・フェイス」以外はスリリングな曲で、フュージョンみたいな感じがする。まあフュージョン自体をそれほど聴いたことがないので、「どこが?」と聞かれると困ってしまうのだけれど。その辺は雰囲気っす。そしてノリの良い明るめの曲が多いので、結構あっという間に聴けてしまうのだが、私には曲の区別がつかなくて、聴き終わった後いまいち印象に残るような曲がなかった。まあ聴いている間はとても気持ちは良いのだけれどね。
そう言えばジャズについていろいろ調べているときに、「ジャズをLP通して聴くやつはバカだ。片面だけ聴くやつは半バカだ。ジャズは好きな曲だけを繰り返し聴くもんだ。」というような趣旨の発言を読んだことがある。確かどっかのジャズ喫茶の名物マスターの言葉だったと思う。私はジャズに限らず音楽はLPを通して聴くというのが当たり前と考えていたので、なるほどなぁと感心してしまった。そうかそうか、ジャズってそういう聴き方をするものなのかと思い、私もその聴き方に憧れたのだが、こういうLPだとどの曲を聴こうか迷っちゃうね。考えた末、どちらかというとB面のほうが好きな気がしたので、たまに半バカ聴きをして、これがジャズの聴き方さと背伸びをしている。

ウエモンの
ジャズには魅力が
てんこ盛り(モンゴメリー)

ジャズ・ウィー・ダンス?

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