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【第70回_JWD?④】ビル・エヴァンス/ワルツ・フォー・デビイ

一応今回で「ジャズ・ウィー・ダンス」企画も最後になります。残るLPは「ビル・エヴァンス/ワルツ・フォー・デビイ」、これで締めたいと思います。
さて、このLPは日本で1番売れたジャズ・アルバムということで、「ジャズ オススメ」で検索すると、いろいろなところで紹介されるLPである。演奏メンバーは「ビル・エヴァンス(ピアノ)」、「スコット・ラファロ(ベース)」、「ポール・モチアン(ドラム)」の3人。ちなみにベースの方はこのLPの録音の直後に、交通事故で亡くなっている。
日本で1番売れたということは、きっとジャズ初心者の私でもとっつきやすいLPに違いないと、そんな先入観を持って聴いてみたのだが、やはり聴きやすいは聴きやすい。ただ聴きやすいという表現よりは耳触りが良いという表現の方が正しいかな。もはや耳触りが良いを通り越して何も感じないと言っても良いくらい。聴いている間に聴いていることを忘れてしまう、そんな感じのLPだ。
私「陳舜臣」先生の「秘本三国志」という作品が好きなんだけれど、その中の一節でこんな言葉が出てくる。「聴く者に音を忘れさせるのが、琴の技の極致である」。その言葉に従えば、このLPはまさにジャズの技の極致と言える音が収録されているのかもしれないね。まあ、琴とジャズを一緒にして良いのか私には分からないけれども。
ちょっと話は逸れて三国志について少々。三国志といえば私は小学生のときに「横山光輝三国志」に出会って以来の大の三国志ファンである。今でも三国志を好きでいられるのは、この陳先生の三国志に出会えたからだ。陳先生の三国志を読んでから、私の持っていた三国志のイメージを一新させられた。そのため私は尊敬の意味も込めて必ず先生をつけて呼ぶことにしている。ちなみに陳先生のオススメの作品は上記であげた「秘本三国志」と後、「小説十八史略」も長いけどとても面白い。中国史にご興味のある方は是非読んでみてください。
さて、話を元に戻すけれども、このLPは「ヴィレッジ・ヴァンガード」という場所でのライブ録音である。ただ普通のライブ録音とは違っていて、お客さんはお食事をしながら演奏を聴いているみたい(ジャズの世界では普通のことなのかな?)。そのため食器をガチャガチャする音や、お客さんが談笑している声、笑い声なども聞こえてくる。みなさんジャズの音を忘れてお食事を楽しんでいるのかしら。
ちなみに私の場合は、仕事をしているときのBGMにしたり、あとは寝る前のリラックス・タイムに流すことが多い。ジャズ・ファンの方には怒られてしまうかもしれないけれど、このLPはちゃんと聴こうとして耳を傾けていると、だんだんリラックスしてきて眠たくなってくるのだ。そんな感じの聴き方をしちゃっているので、あまり曲の印象はないのだけれど、このLPのタイトル曲「ワルツ・フォー・デビイ」だけはどこかで耳にしているような気がする。有名な曲なのかな、穏やかで良い曲だ。
というわけで私にとってこのLPは、癒やしを与えてくれるヒーリング・ミュージックのような存在となっている。そう言えば癒やしのジャズみたいなCDも出てるもんね。癒やしはブルースにはない要素だと思う。癒やしのブルースとか聞いたことない。癒やしが欲しいときはジャズをかけよう。

寝る前は
おパンツ変えて(エヴァンスかけて)
ジャズ・タイム

ジャズ・ウィー・ダンス?

以上、エピソード0も含めると5回に渡ってお送りした「ジャズ・ウィー・ダンス?」でした。ジャズが好きになりましたとは言えないし、ジャズに対する抵抗がなくなりました、ってのもちょっと言い難い。ジャズに少し触れました程度と感じている。まあ、しばらくは今回聴いた4枚を繰り返し聴いてみようと思います。
では次からまたブルースの感想文に戻りますので、よろしければ引き続きよろしくお願いいたします。


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