（公開シナリオ）具体的に結婚したい私と抽象的に結婚したくない貴方

婚活ネタをよくツイートされている須澤真織さんと、男役も出来る花里サチホさんをイメージして当て書きしてみたシナリオです。なお、シナリオは例の如く役者さんたちに送ったバージョンでして、撮影のなかで相当手直ししているので、実際のセリフとはかなり異なります。

○ズーム画面
　　
　　　マオ、サチオ、それぞれの自宅。
　　　マオはキッチンの前で元気一杯。
　　　サチオはベットに腰掛けてだらけた雰囲気。　　　

マオ「ねえ、私、自粛期間中に、料理上手くなった
　　の。２日連続で米を研いでから寝てるから、も
　　うどこに嫁に出しても恥ずかしくないと思うん
　　だけど？」

サチオ「あっそう。よかったよかった。あ〜眠くな
　　ってきた」

マオ「何？ちょっと聞いてよ。料理だけじゃないの
　　よ。今日、シャツの染み抜きにも成功したの。
　　どうする？結婚する？」

サチオ「はあ？なんの冗談だよ」

マオ「冗談じゃないよ。私、最近家計簿アプリもイ
　　ンストールしたんだよ。確定申告も全部、一人
　　でできるからね。すごくない？どう？結婚する
　　？」

サチオ「ごめん、俺さ、その冗談、あんまし好きじ
　　ゃねえわ。やめようぜ、普段の会話で結婚、結
　　婚って」

マオ「ごめん。本当に怒ってる…。でも、私、もう
　　アラサーだし、正味期限がだんだん切れてきて
　　るって実感あるから…。ごめん、私、自分勝手
　　だよね」

サチオ「…。別にいいけどさ」

マオ「じゃあ、結婚する？」

サチオ「いい加減にしてくれよ！ズームで話す話題
　　じゃねえだろ。俺にだってペースってもんがあ
　　るんだよ」

マオ「何よペースって！いつだって結婚の話題避け
　　るじゃない！」

サチオ「とにかく、その冗談やめろって」

マオ「何よ！結婚のこと話すのがそんなに嫌なの？
　　冗談にしなきゃ話せない話題なのに冗談にする
　　なって…。私、傷ついてる」

サチオ「……。ごめん。…。わかった。マオ、結婚し
　　よう」

マオ「…！！」

サチオ「俺、マオと結婚したくないわけじゃないん
　　だ。ただ、なんか漠然と結婚のこと考えるのが
　　怖くて。でも、マオがそう言うなら、マオ、結
　　婚しよう」

マオ「…。いや！」

サチオ「…！！」

マオ「プロポーズってさ、ズームで言うような話じゃ
　　ないでしょ。私にだってペースってものがあるし。
　　後、マオがそう言うなら、って言うのがなんか嫌
　　〜」

サチオ「はあ？」

マオ「後、プロポーズは指輪と一緒にやってくれない
　　と、あとで指輪渡されてもちょっともったいない
　　な〜とか思っちゃうでしょ。給料３ヶ月分で結構
　　な額だよね。だから、私が分からないようにやっ
　　てくれないと、心から指輪を喜べないって言うか」
　　　
　マオの話の間にサチオ画面オフ。

マオ「あれ…？」

　　　　　　　　　　　　（了）