ズーム演劇の将来性について思うこと(花緒)

本日の東京都内の感染判明数は100名を超えたとのこと。世界的にみても、感染者数は拡大の一途を辿っているようであるし、自粛を余儀なくされる生活が当面は続いていくのだろうと思う。

もっとも、近い将来、ワクチンが開発されるなどして完全に自粛モードから開放される可能性も高い。その場合、ズーム演劇をやりたがる人達は急減するだろう。しかしOnline Writers' Clubの観点からすれば、単に競合が減るだけであって、活動に支障は生じないであろうと推測する。

完全に自粛モードが解除された場合、Online Writers' Clubの作品に出演したいと思う役者がいなくなるかというと私は楽観的なスタンスでいる。小劇場の観客動員数は公演当たり数百人程度、多くて1-2千程度のはずだ。それを考えると、カジュアルに撮影ができて一定の観客を得られる媒体に対する演じ手の需要が完全に潰えることはないような気がする。

コロナウイルスは世の中の変化を加速させているだけであって、本質的な変化を齎しているわけでは無いというのが私の見立てだ。コロナがなくてもズーム演劇的なものは遅かれ早かれ始まっただろう。即ちコロナが終わってもこの潮流は続くに違いない。

私達のコミュニケーションやエンターテイメントの受容の形式は随分前からオフラインからオンラインにシフトする流れにある。大局的にみればオフラインの演劇は衰退していかざるを得ないだろうし、他方でオンラインの活動は模索されていくだろう。コロナがあろうが無かろうがこれは変わらない。

また、テレビからYouTube的な配信メディアへのシフトは今後も不可逆的に進行するだろう。しかし現在テレビドラマの受け皿はNetflixにしかなく無料配信メディアでのドラマ配信はほぼ未開発な状態にある。では、ドラマはネトフリのようなプラットフォームにだけ集約されていくかというと、ドラマというジャンルが包含しうる多様性を考えれば、そこまで話は単純ではないようにも思う。

ズーム演劇はドラマがNetflix以外の媒体でも存続しうる可能性を強烈に示唆するものだ。まだその試行錯誤は緒についたばかりだが、流れは加速すると思う。そんなわけで、当面はOnline Writers' Clubの活動を進めていくつもり。





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