トトロのとなりの謎の少女
2022年11月1日、待ちに待ったジブリパークが開園。2005年の愛・地球博(愛知万博)に合わせて建てられた「サツキとメイの家」は、「どんどこ森」エリアの中核施設になる。
何度見ても面白い国民的な人気作「となりのトトロ」。劇場公開時のポスターやパンフレットには、「稲荷前」と書かれたバス停の前で頭の上に葉っぱを載せたトトロの隣に、赤い傘を差したツインテールの少女が描かれている。本編ではサツキがメイを背負っているが、ポスターには一人の女の子が立っている。メイだと思っている人も多いようだが、よく見ると微妙に違う。スタジオジブリの広報部は、かなり前の映画で詳しいことははっきりしないが、サツキとメイの特徴を一人の女の子に集約したのは間違いないようだとコメント。1975年に宮崎駿監督が絵本のために描いた3枚のイメージボードには、頭の上に葉っぱを載せた謎の生き物と主人公の少女一人が描かれていた。その後、映画化の企画が持ち上がり、1986年末から制作が始まった。製作委員会のメンバーだった鈴木敏夫氏の話によると――同時上映される高畑勲監督の「火垂るの墓」の上映時間が予定より延び、対抗心に燃えた宮崎監督は映画を長くする方法を模索。一人の女の子を姉妹にすることを思いつき、設定を変更したらしい。1987年の夏頃に「となりのトトロ」のポスターの原画を描いた宮崎監督。制作デスクを務めた木原浩勝氏によると――第2稿まではサツキとトトロが並んでいたが、第3稿になってサツキでもメイでもない少女が描かれた。監督は「サツキとメイの二人がトトロと並ぶのは、どうしても違う」と主張したという。1988年の上映時、「となりのトトロ」と「火垂るの墓」の配給収入は合わせて5億8800万円と伸び悩み、ポスターの女の子を気にする人はいなかった?
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