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恋した女が勧誘セミナーの手先だったハナシ


これは僕の恋が終わった記録だけど、この女との関係はまだ終わらせてはいないー。


第一章「マツモトリサとの出会い」

女の名前はマツモトリサ(実名)
出会いは2024年3月19日に高円寺で開かれた読書会だった

4、5人のグループに分かれて、一人一冊自分が持ち寄った本を紹介する会
そこで僕とマツモトリサは同じグループになった

第一印象は綺麗な人だとシンプルに思った
同世代ではないにしろ20代半ばくらいだと思っていたけど、後々聞くと30代半ばだというからびっくり
そのくらい若々しく黒髪短髪で爽やかな人だった


ただ読書会開幕後、一つ目の違和感を覚える

読書会のルールで、持ち寄る本は小説かエッセイのみでお願いしますと事前に参加者全員に連絡が入っていたのだが、
マツモトリサだけ分厚いビジネス本を紹介しいていた

マツモトリサが持ち寄った本

いやこれルール違反だろと思ったし、実際にも別の参加者からやんわり指摘されていたけれどもマツモトリサは言い訳をしていた

「この本はあくまでビジネス書だけど、会話ベースで書かれた本だからある意味では小説とも言えるんだよね


言えねえだろ
こんなおどろおどろしい小説ねえわ
小説の帯には「経済的自由があなたのものになる」なんて書いてねえんだよ
小説の中身にも「わかりやすい節税の仕組み」なんて書いてねえんだよ

と、今なら思える
でも当時の僕は「確かに、会話があるなら小説だ👍って納得しちゃった

ばかたれ
納得すんな



そして読書会が閉幕しようとした寸前で二つ目の違和感を覚える

マツモトリサが脈絡もなく僕にラインを交換しようと言い出したのだ
しかも理由も「小説が繋いだ縁を大事にしたくて」みたいなふわっとした感じで
いやお前はビジネス書なんだけどな

正直この提案はタイミングも理由もだいぶ奇妙だったのを覚えてる
ビジネス書と言い連絡先といい社会人なら怪しい匂いを嗅ぎとれるはずだ

でも僕はまんまとラインを交換した
嬉しかったんだもん
女の子からライン聞かれんの嬉しかったんだもん


これが僕とマツモトリサの出会いである

これは僕が失恋した記録だけど、この女との関係はまだ終わらせていないー。

第二章「初めてデートに誘われました」に続く

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