恋文の技術 まとめ
恋文の技術の魅力
主人公が書いた100通くらいの手紙だけで一冊の小説になっている。書簡体小説っていうみたい
送る相手はたくさんいて、それぞれに文通のテーマがある
主人公から友達(マシマロ野郎)へは偉そうに恋愛のアドヴァイスを
妹へは人生の先輩として偉そうに人生相談を
いじめられてる先輩へは喧嘩をふっかける
好きな人へは気色の悪いラブレターを
メールでいうと送信のみで受信の手紙は書かれていないが、主人公が書いた手紙でなんとなくこんな事が帰ってきたんだなあって想像できる
全部主人公視点のセリフで地の文みたいなのが無く究極の一人称視点になっているが、「ああ多分この辺は主人公の詭弁、強がりだろうな」とわかってくる
手紙だけでいろんな妄想が膨らむからすごい
オススメはラブレターで迷走しているところ
「ラブリーラブリーこりゃラブリー」
「30代で年収は3000万円を越え、超巨大なプール付きの豪邸に住み、、、」
「惚れて惚れて惚れて、今も君の暮らす方角を見て暮らしており候」
「僕は君を大切にする男だよ。きゃ!」
「おっぱいなんて大嫌い」
「あなたの耳たぶは不思議な果物のようで」
とかよくそんないろんな方向に間違ったラブレターの飛距離飛ばせるな
たまーに「好きな女の言動の意図を汲み取りすぎるのが恋する男の宿命である」みたいに、おっと思う事を言ったと思ったら、「今、結構いい事言ったよね?」とかいうから台無し
自己啓発書よりこの本読んだほうが元気出ると思う
誰かに手紙書きたくなったので、失敗集を反面教師にしながら書きたい
森見登美彦の魅力
一言で言うと「偏屈」
今宵も偏屈童貞大学生が主人公でオモチロイ。
言ってる内容は阿呆でしょうもないのに、語り口が昭和の文豪みたいだから病みつきになる
自分のダメさを認めたくない、読者にさえ知られたくないがために詭弁に詭弁を重ねて自尊心を守る主人公
ぷりんぷりんって表現カワイイ