乙女ブレンド イツキ「乙女ブレンドの漫才は、音楽だ」
アソヌマ:写真左。筑波大学お笑い集団DONPAPA所属。4年生。
イツキ:写真右・筑波大学お笑い集団DONPAPA所属。4年生。
学生お笑いへのきっかけ
ーー自己紹介をお願いします。
イツキ 筑波大学お笑い集団DONPAPA4年生、乙女ブレンドのイツキです。
アソヌマ 同じく筑波大学お笑い集団DONPAPA4年生アソヌマです。
ーー大学の専攻について教えてください。
イツキ 僕は芸術(専門学群)です。
アソヌマ 僕は社会学群ですね。
イツキ 僕は漫画が中心の研究室に入ってて、現代アートとかデザイン系とかもやってます。芸会のポスター描かしてもらったりとか…。筑波大の芸専(芸術専門学群)は、かなり幅広く学べるところなんで、いろいろやってます。
アソヌマ 僕が今メインで入ってるのは、メディア社会学をやるゼミです。ラジオが普及してきたことによる人の変化とか、テレビとか雑誌とか、メディアが普及したことによる社会や人々の変化みたいな。
イツキ お笑いのね、研究をしてるんだよね。
アソヌマ 卒論は、お笑いをメディアがどう扱ってきたのかみたいな方向で書ければなって感じです。
ーーお笑いを始めた経緯を教えてください。
イツキ 昔から家でお笑い番組は見ていて、千鳥面白いなとか、それぐらいはありました。中学生になった時に、YouTubeとかを見るようになりましたね。鳥居みゆきさんのネタ動画とか、Dr.ハインリッヒさんとか、ちょっとアングラ系のネタをいっぱい見てました。当時、あんまりテレビで見れないような人達を見て「あ、お笑いって面白いな」って。「テレビに出てない人でも面白い人達いっぱいいるんだ」って気づいて好きになりました。高校もそんな感じです。
ーー大学お笑いを始めるきっかけは何でしたか?
イツキ YouTuberの水溜まりボンドに中二の時にハマって…。そこから毎日動画見てるうちに、水溜まりボンドも、実はナショグル(青山学院大学ナショグルお笑い同好会)だったっていうことを知りました。「大学お笑いっていう環境があるんだ」っていうのを知って(お笑いサークルに)入ろうっていう風に思ったっていうのが最初です。カツラギ(日本大学経商法落語研究会)も同じかもしれない。水溜りボンドで(学生お笑いを)知ったとか言ってたから一緒だなと思った。
ーーアソヌマさんのお笑いを始めた経緯を教えてください。
アソヌマ 自分は”家でM-1は見る”ぐらいでした。めっちゃお笑い見るっていうのではなく…。元々人前に出るのが好きだったというのもあって、人前で何かをやるっていうことに、小中学校ぐらいから興味を持ち出していましたね。でも、お笑いにどっぷり深くハマるみたいなことはなかったです。中学高校とかも、いわゆるクラスで面白いとされている、笑われ担当というか、イジられキャラというか…。実際面白いわけじゃないんだけどね…。
イツキ 卑屈が出たね。
アソヌマ そういうわけじゃないんですけど…。でもほら、お笑い担当の人って基本面白くはないからさ。笑わせているんじゃなくて笑われているだけだったから。
イツキ あーまぁね。(お笑い担当の人ではなく)周りの人が面白いっていうね、あるよね。
アソヌマ そういうのもあったから、そのぐらいからちゃんとYouTubeで(お笑いを)見るようになって、コロナ禍ぐらいに更に見るようになった。そのあたりから、真空ジェシカさんにしっかりハマったな。
――アソヌマさんが大学お笑いに興味を持ったのはいつ頃ですか?
アソヌマ まず、ラランドのM-1の敗者復活戦で大学お笑いを知って、その後に真空ジェシカにめっちゃハマって、真空ジェシカも大学お笑いなんだ、ってなりました。元々、大学に入ってから人前に出る系の活動はしたいと思ってたから、お笑いサークルに入った感じですね。
人外魔境DONPAPA、そして結成
――お二人が入部した当時のDONPAPAについて教えてください。
アソヌマ マジで人外魔境。
イツキ たしかに、本当に身内サークル。
アソヌマ まぁ元々はイベントサークルだったしね。
イツキ 筑波土着の、みたいな雰囲気。東京のライブには全然行ってないサークルでした。1年生の時は大学芸会とかも知らずに夏を過ごしてたぐらいです。
アソヌマ ちょうど僕らが入った時に、上の代にバリクナジャっていうコンビの原さんって方がいて、LUDO(早稲田大学お笑い工房LUDO)と兼サーしてたんだよね。大学お笑いのことをDONPAPAに持ち込んでくれて、大学芸会とかを知った感じです。原さんのおかげでDONPAPAってサークルがあるのも知られた。ちょうど我々の代から、DONPAPAも1年生の第1回同期ライブに呼ばれるようになったって感じですね。
――乙女ブレンドの結成時について教えてください。DONPAPA4期で、唯一デビューライブで結成したユニットであると伺っていますが…?
アソヌマ 今のうちの期ではそうですね。
イツキ 乙女ブレンド…だけですね。ミックストマトジュース(アソヌマ・別ユニット)は秋だよね。
アソヌマ ミックスは、秋に同期ライブがあるっていって組んだコンビです。
イツキ 僕だけ取り残されました。当時、同期が4人しかいなかったんです。
アソヌマ デビューライブの時に、我々も含めて6人入って、2人辞めて…。辞めた2人のそれぞれと、カヂと大将が組んでました。だから結果的に残ったのが我々だけだったし、最初はイツキがピンでやっていく予定だったよね。でも、ユニット決めの時に、自分だけ誰とも組めずに余っちゃって…。で、ピンだから2つやるとしても他の人にも負担がないだろう、っていうのでお願いして組んでもらったっていう。その日にデビューライブのユニットを出しきらなくちゃいけないみたいな空気になってた。
イツキ 「まあいいよ」みたいな。空気を読んだみたいな感じで、ぬるっとね。ぬるっと組んだね。
アソヌマ ぬるっと組んだ。
イツキ そしたら、意外とピンネタ作るのが難しくて…。僕が、今までの人生であんまりお笑いキャラじゃなかったから「1人で喋るのなんて無理だ」ってなって、2人で漫才やったほうがやりやすいかも、ってなった。自分が喋る量を少なくできるから、(アソヌマに)いっぱい喋ってもらえれば、自分のセリフ量は少なくて済むっていうので、漫才をやるようになっていきました。
ネタのこだわり
――文字数が多いネタはどのように作っていますか?
アソヌマ 元々自分が中高で生徒会をやってて、人前に出て喋るのに慣れてたのもあって、同期の中では割と(喋りが)達者だったんですよ。ミックストマトジュースで初めて作ったネタも、自分がいっぱい喋るネタでした。その辺から、自分は喋ることができる、強みが喋りにあるみたいな感じになりましたね。新人戦でやった『JOKER』っていうネタがあるんですけど、そのネタが、乙女ブレンドで私が喋ることを確定させたネタなのかな?
イツキ たしかにそうか。僕がJOKERのコスプレをしながら、一言も喋らず踊ってて、それをアソヌマがずーっと大声でツッコむっていうネタを、新人戦でやったんですけど、それでいいやって思っちゃった。今は、ある程度喋るのに慣れてきたんですけど、当時は本当にもう下手くそというか、見てらんないぐらいの発声と喋り方みたいな感じだったな。そんなんだったら(セリフを)なくしちゃって、っていう感じです。あと、NOROSHIでやった辞書のネタがあるんですけど、あれも僕がワードを言うだけで、やろうっていうより、(アソヌマが)できちゃう。一応台本は全部書いてて、次の日合わせたり、朝に送ってその日の夜に合わせるみたいな感じです。基本(アソヌマが)全部覚えてる感じなんで、めっちゃ作りやすいし、こっちは喋んなくていいしで、この形が1番やりやすいなってことになりました。
――アソヌマさんは、どのようにネタを覚えていますか?
アソヌマ どうやって覚えてるんだろう…(笑)そうですね、与えられたものを、自分の中で言いやすい形に直して、文字面を覚えるというよりは、それっぽさで覚えるというか…。
イツキ リズム感?フロウ感?
アソヌマ わーって喋ったら勢いあるように見えるんだろうなと思った。じゃあ、わーって感じに聞こえるには、どういう感じで喋るかなーって考えて、言っとくべき情報は言えるようにちょっと直して、みたいな感じで覚えてるような気がします。乙女ブレンドのネタに関しては、あくまでもイツキが言ったことに対して反応してるだけなので、別に順番とかは最初に覚えてなくても、言われたのに反応できるようにさえなってればっていう感じ。
イツキ きっかけゼリフは全部俺だもんね。
アソヌマ きっかけゼリフがないっていうのは楽なのかもしれない。
イツキ 今日言おうと思ってたこととして、「乙女ブレンドの漫才は、音楽だ」っていうのがあって、映えそうだなと思ったので、これだけは言おうと決めてました。タイトルに入れてください(笑)ネタを音とリズム感でね、覚えてもらう。
アソヌマ 聞き心地の良さとかでネタ作りを進めることは多いよね。
イツキ 歌だったら覚えやすいもんね。1文字間違うとかないし…。歌の歌詞だったらっていうことだよね…?
アソヌマ …ってことなんだと思います。
イツキ かっこよく言ってみました!
アソヌマ 自分だけがそうってわけじゃなくて、例えば聞き馴染みの感じだと、イツキの方がこだわりがあって、言い回しの時に「ここは何文字で言いたい」とか「こういう抑揚で言いたいからこういう言葉にしたい」とか、その辺のこだわりが凄い細かいところがあるよね。
イツキ やっぱ、7音5音が日本人が1番気持ち良いとしてる音じゃないですか。だから、四字熟語のネタの時も、「なんとかかんとかな、よじじゅくご」じゃなくて、「よんもじじゅくご」の方が7音だから気持ち良いなとか、早口言葉は7音だったから同じようにしようとか。音数とか、接続詞とか、詩とかが好きなのもあってめっちゃ気にしちゃいますね。少ない文字数に結構こだわります。アソヌマの言いやすさを優先するか、僕の音数を優先するかみたいな。
アソヌマ 言いやすく変えると、「ちょっと違うわ」って言われる。
イツキ 「ちょっとリズムがなー」みたいになっちゃう(笑)
賞レースへの想い
――お二人は多くの賞レースで決勝に行かれていると思いますが、印象的だった賞レースについて教えてください。
イツキ 今年に入ってからは…ナベワン?
アソヌマ ナベワンなんじゃないの?
イツキ 『ワタナベお笑いNo.1決定戦』って、ワタナベのプロの人達の大会なんですけど、そこにアマチュア枠で動画を送ったら受かって出られることになりました。そこで早口言葉のネタをやって、準決勝いけて、っていうのが1番印象的ですね。全然違う世界だったし、Aマッソさんと戦いました。去年の『M-1』もですけど、早口言葉のネタってそんなに良いんだって(笑)自分ではなんか…。
アソヌマ 去年の今頃にできたネタで、作りたての時は「辞書」の二番煎じだったし、あんまりって感じで…。
イツキ 僕はそう思ってたんですよ。「辞書」と同じことやってるだけだなって。
アソヌマ だから去年の芸会でもやらなかった。
イツキ 芸会もやらずにっていう感じだったんですけど、プロの作家さんに評価されることが多くて…。そういうのを確信できたっていう大会としても、印象的でしたね。
――賞レースでのネタ選びについて教えてください。
イツキ 新しさみたいな。『M-1』とかプロ系の賞レースは、結局新しいシステムを生み出した人が評価される大会だと思うので、新しいシステムができたら、それを使おうって思ってます。しゃべくりで面白いやつは、普段のライブでやればいいやって感じ。
――アソヌマさんは、印象的だった賞レースはありますか?
アソヌマ 出すぎてよく分かってないんですけど(笑)
イツキ ミックスの方もあるしね。
アソヌマ なんか、全部出てる(笑)僕がめっちゃ先頭を切るわけでもないんですけど凄い出てる。やっぱり『ワタナベお笑いNo.1』は、今までの大会と雰囲気が違うやつだったので「こういう感じなんだ」って別世界を見た感じです。『M-1』の3回戦とかも一緒ですけど、ちょっと大学お笑いの外に出た感じの印象的ではありました。本当は大学芸会でも4本やりたかったんですけど、ちょっともうトマトは出れないんで…。(取材当時)ちゃんと大学お笑いに自分がいたという痕跡を残そうと必死だから、(笑学祭)決勝で4本やるみたいな目標を達成できたのは大きいなと思ってます。
――『M-1グランプリ2023』でのネタがスーパーマラドーナ武智さんに取り上げられたことについて、反響はありましたか?
イツキ 武智さんが3、4回ぐらい褒めてくれた。
アソヌマ もうベタ褒め(笑)決勝前日に上がってた、今年のM-1を振り返るみたいな動画でも言ってて…。
イツキ どんだけ言うんだよって(笑)反響は「凄いね」みたいな。高校の同級生とか、あんまりお笑いを見ない人でも、それを見て凄さを分かってくれた。『M-1』の3回戦っていっても、お笑い見ない人には、あんまり伝わんないじゃないですか。でも、それ(武智さんに言及されたこと)で褒めてくれた人とかいました。武智さんにライブ呼ばれたりとかはなかったですけど(笑)呼んでほしかった…。
アソヌマ 去年の『M-1』はあがっただけで、何もなかったんですよ。ライブが増えるとかもなく。
イツキ でも、嬉しかったです。『M-1』予選MCの時も…。
アソヌマ 1回戦見た後、2回戦のMCをスーパーマラドーナさんがした時に、「いやー(乙女ブレンドが)面白くてね」みたいな話を、途中MCでしてたってレポも流れてきたり。
イツキ それ、めっちゃ嬉しい。大学お笑いではイジられワードですけど(笑)「武智、おめでとう」って感じでイジりみたいに言われます。大学お笑いじゃない外側の人は、「おお」みたいな感じになってくれます。
アソヌマ 「早口言葉」が凄く良いネタだって、更に自信をもつことにもできたし。
最後の大学芸会
――最後の大学芸会(取材当時)への想いを教えてください。
イツキ 芸会は2年、3年って出てるんですけど、全然芸会を掴んだことがなくて…。掴めたって感覚になったことが1回もないです。
アソヌマ 2年生では得票率5%とかで…。
イツキ 初日トップバッターで5%とかで…。
アソヌマ 去年も12%とかで…。
イツキ 去年もいけそうな感じが凄いあったのに…。
アソヌマ 直前に『部長戦』ってライブ優勝して、勢いあるみたいな…。
イツキ それこそ、ミックストマトジュースが凄いブイブイ言わせてて…。
アソヌマ 『CONTest』で優勝したりとかして…。
イツキ 乙女ブレンドが隠れてるみたいな、ちょうどいい下馬評できてたのに、うわマジかって結構くらいました。っていうのがあったんで今年は掴みたいですね。一応ネタも仕上げてる途中です。やっぱ乙女ブレンドとかミックストマトジュースは、プロ系の賞レースで評価していただくことが多いんですけど。
アソヌマ そうですね。
イツキ 大学お笑いでドカンって評価されたことは今まであんまり。それこそ『NOROSHI』で敗復いったぐらいだったんで、大学お笑いというコミュニティでも、ドカンと獲りたいなって思います。
――この記事が出る頃には大学芸会が終わっていると思います。
イツキ・アソヌマ うわー!
イツキ 優勝したってことで話す?
アソヌマ 乙女ブレンドはいろんなライブに出てるだけなんじゃないかとか、本当に面白い学生芸人を集めるライブをやるってなったら呼ばれるのか、みたいな不安が凄いあるんですけど、やっぱり芸会で勝たないと。
イツキ アソヌマは本当に芸会至上主義者というか、大学お笑い大好き人間として入ってきてるから「やっぱ、芸会で決勝いかないと一生引きずるわ」みたいなことも、ずっと言ってます。芸会決勝いかずにプロいっても「こいつら芸会いってないから」って言われるみたいな。
アソヌマ そうなると思うので。
イツキ こんなテンションでずっと話してて、そんなに芸会が大切なんだって思いました。だから、乙女を頑張らないとなって思ってます。
同期との関係性
――乙女ブレンドの関係性について教えてください。
アソヌマ 関係性は、1周回ってって感じですね。
イツキ 一時はね。お互いに結構我が強い性格だからね。
アソヌマ お互い一人っ子なんで。
イツキ そう、一人っ子同士で合うわけはないんですけど(笑)だから最初は結構ね、ぶつかったけど…。
アソヌマ 今は、お互いに良いところも悪いところもだいぶ分かってきてるのかな。
イツキ 分かってきた。最近は、アソヌマに卑屈な、士気を下げる発言をされたら6秒間黙るっていう、アンガーマネジメントをしてます。
アソヌマ それだとお前の方が立派みたいになってる!
イツキ そうだね。俺が良くない時もあるしっていうのは、お互い様。
アソヌマ おい、全部お前が大人みたいにするなよ。
イツキ それはね、お互い様だけど。いや、全然俺が悪い時もある。お前はそのまんまでいいんだよ。
アソヌマ 最近は、ようやくお互いの意見の落とし所を見つけながらネタが作れるようになってきた気はします。てか、僕の意見が通るようになってきた。
イツキ たしかに。アソヌマの方がお笑い詳しいんで分析力というか、直し力みたいなのが、最近メキメキと上がっているなという。
アソヌマ なんか全部上からだな。いや、でも本当に嬉しい。
――DONPAPAの他の部員との関係について教えてください。
イツキ 同期は…5人。ここは、気心知れたというか、ずっと一緒にやってきたから、そんなに…何も思うことないですね。「いるなぁ」ぐらいでやってて、ちょっと意識し合いながら、ライバルでもありつつ、友達でもありつつ、みたいな感じです。
アソヌマ 今年もありましたけど、新歓の度に人が段々増えてくるようにもなってるし、新歓祭のステージでも自分達がちゃんと笑ってもらえるようになってます。
イツキ 最初は全然ウケなかったんですけど…。
アソヌマ やっぱり『NOROSHI』とか『M-1』見て、とかでうちのサークルを見に来てくれてる子もちょいちょい出始めてますね。自分は面白いことを考えるとかができる側ではないので、自分にできることは、ひたすら頑張って、後輩達を知ってもらうというか、DONPAPAっていうサークルがあるんだよって知ってもらうことです。だから、段々と知ってもらえるようになったっていうのは、がむしゃらに東京出続けてきた意味があったのかなって思うようにしてます。
イツキ 今年70人ぐらい入って…。
アソヌマ それは入ってない!
イツキ ごめん、嘘嘘。3、40人。
アソヌマ これまで、全員合わせて40人くらいだったんですけど、1年生が40人入ったんですよ。
イツキ 今年70人ぐらいになって、僕らが行くともう違うサークルみたいです。今の4年生が1年生だった時は、毎回溜まり場みたいな。少人数集まって駄弁って帰るみたいな感じだったんですけど、今はもう授業みたい。ネタ見せで意見も出しにくい、手もあげにくいみたいな、だから本当に授業みたいな感じで、班ごとに集まって、班で1個の案出そうみたいな。全然違うサークル。というか、この前1年生が花火してた。
アソヌマ この前後輩達が花火してたんですよ。
イツキ 僕らはそんなことしたことなかったのに…。
アソヌマ ありえない。
イツキ DONPAPAの人達とは、お笑いすることでしか会わない関係性だったんです。
アソヌマ さっき同期の話が出ましたけど、僕らの同期はお笑い以外で遊びに行くとかマジでないので。
イツキ 友達ってさっき言ってたけど、友達でもないかも(笑)相方とか…。
アソヌマ ビジネスパートナー。
イツキ それぐらい普段会わないです。ネタ合わせの時と、ライブの時しか会わない関係性。
アソヌマ 今は本当にサークルみたいになってきてるね。
イツキ 遊びに行くとか、しなかったもんね。
アソヌマ 良くも悪くも!
イツキ 良くも悪くも、サークルになってきてる。
アソヌマ でもそれは、やっぱ自分達が出続けてきたのが大きいのかなって考えてます。やっぱりこれからも、ライブに出続けることはしたい。
好きな学生芸人
――好きな学生芸人を教えてください。
アソヌマ 僕、こういう時めっちゃ挙げたくなっちゃって、凄い挙げるんですよ。前回挙げたのに今回挙げてないみたいなのがあったら、凄く申し訳ない。
――前回はアカデミー賞(東京大学お笑いサークル笑論法)の名前を挙げていました。
アソヌマ アカデミー賞は、こういう時に絶対名前出したい。年1では戦ってきたし、常にちょっとは意識してる同期。今年、我々アカデミー賞と芸会予選が同じ日なんですよ。
イツキ うわぁ。うわぁだよね。
アソヌマ アカデミー賞、今頃芸会優勝とかしてんのかな。この記事があがる頃。
イツキ どうなんでしょうね。マボロシ(専修大学落語研究会お笑い企画STRIP GUN CLUB)とかもね。僕はフルメタルドック(早稲田大学お笑い工房LUDO)が大好きです。鯖のTシャツ(専修落研)も。今『レジスタリーグ』の出演者見ながら話しちゃってる。今日(取材日は乙女ブレンドのレジスタリーグ出演日)のメンツしかいない。
アソヌマ 最近よく一緒になるのはベロニカは死ぬことにした(中央大学お笑いサークルCOP)。
――仲が良い学生芸人でも大丈夫です。
アソヌマ 仲が良いでいうと、マジでベロニカ。最近全部一緒。
イツキ ベロニカのシェアハウスに泊まったりね。全部一緒みたいな人、いるよね。
アソヌマ たまにいるなぁ。最近は能率ランク(能率産業大学お笑い同好会イタダキ)とか、ちょいちょい一緒になり出してる。マシュマロ猫背(早稲田大学お笑い集団POP3)とかもそうだし…。あ、あとガム(千葉大学お笑いサークルP-RITTS)とか、@野次馬(P-RITTS)とかのP-RITTS1期下の子も好き。
イツキ 道端パンク。
アソヌマ 道端パンクはDONPAPAの1年生です。今年、40人入ったのもあって、活気もあるし、うちの子達、今凄く頑張ってます。道端パンクもそうだし、芳味鯛とか、ストップ10とかね。
イツキ 今年の芸会で誰かしらは結果出てるかな。
アソヌマ 出てるといいね~。好きな学生芸人、さっきの話に追加して後輩枠でいうとDONPAPAの玉葉会。
イツキ それこそ、僕らは2人ともDONPAPAでバリクナジャさんを見て入ってるんで、バリクナジャさんは圧倒的な先輩枠ですね。
アソヌマ 後輩枠の話しろって言ってんの。
イツキ あっ、後輩枠。後輩枠だと弘田CDです。相方がいなくなっちゃって、今フワフワしてます。横ノリcodeっていう、僕がもう1個やってるコンビとして組んでるんですけど、ボイパができるんで、後輩としては彼を推していきたいです。めっちゃ上手いんですよ。
――先日、レッドホット(法政大学お笑いサークルHOS)とツーマンライブを行っていましたが、今後一緒にライブをやりたい学生芸人はいますか?
イツキ レッドホットと乙女ブレンドが、どっちも芸会決勝いったら「味わい2」をやりたい。
アソヌマ いかなかったらやんないの!?
イツキ いかなかったらやんないです。それはもう覚悟なんで。
アソヌマ 覚悟すぎるだろ。
イツキ 去年の『M-1』3回戦いった学生芸人の中で同期がナユタ(LUDO)と、ピ夜(同志社大学喜劇研究会)なんですけど。
アソヌマ 2組はもう、僕らとは格が違うんで…。
イツキ ナユタとピ夜、3回戦でドカンとウケたじゃないですか。僕らは落ちウケだけど、あの2組はバズりウケだったじゃないですか。だから、その2組に追いつきたいなっていうのはあるんで、おこがましいけどスリーマンライブをやりたいな。
アソヌマ おこがましっ。おこがましいよ。
イツキ いやでも、普通に仲良いんですよ。
アソヌマ 乙女ブレンドでできると思うなよ。
イツキ 同期だし、めっちゃ喋ってくれるんで結構仲良し。それこそ、ナユタの2人は、新人戦の時から喋ってる。
アソヌマ 堀越とか、シルクド至上主義でいたからね。
イツキ 最初に仲良くなったLUDOの人って感じだし、仲良しだってちょっと思ってます。
アソヌマ じゃあ頑張んないとね。
イツキ だから頑張んないとなって。
これからのDONPAPA、乙女ブレンドについて
――今後の活動、目標について教えてください。
イツキ 今、僕がプロいくか迷ってる状態です。漫画も描いてて、そっちでもやっていきたいという思いもありつつ、迷ってるところです。ただ今後もね、乙女ブレンドで、なんかできたらなって。
アソヌマ えー!
イツキ 『M-1』は、どっちかがプロになったとしても毎年出られるじゃないですか。僕の今後は…全部のライブに呼ばれたい(笑)
イツキ どういうこと?
アソヌマ 『謎のユーモア』とか、『融解』とか、あの辺のやつ。面白い学生芸人のライブ。
イツキ 結構大学お笑い寄りのね。
アソヌマ ミックストマトジュースも乙女ブレンドも呼ばれないんですよ。『グレイモヤG』とかも呼ばれないし…。ああいうのに、呼ばざるをえないぐらいの結果を残したい。
イツキ たしかに。
アソヌマ あとは、DONPAPA6周年記念ライブを、東京でできたらなぁというのがあるんですけど、もっとDONPAPAが面白いっていうのを知らしめたいですね。やっぱり、アウェイすぎてウケないんですよ。
イツキ 特に後輩とかはね。
アソヌマ 後輩は面白いんですけど、アウェイで全然ウケなくて…。この前の『ちょい奢り』とかも凄く面白い後輩達がしっかりウケたんだけど、引き分けになって結局ジャンケンで負けたから、ちょい奢りすることになりました。僕らみたいに無理して東京出なくても、面白いんだぞってもっと知ってほしい気持ちがでかいです。
イツキ お客さんにDONPAPAの部員がいることってあんまりないから、常にホームじゃないよね。
アソヌマ 常にホームじゃないです。もうちょっと大学お笑いにDONPAPAの名を刻みたいと思います。
イツキ 『漫豪』とかもあるしね。
アソヌマ 『漫豪』も『コント進化論』も出られてないんで出たい。全部に呼ばれて全部で結果出したいなあ。
イツキ 賞レースジャンキー。賞レーサーっていう異名を惹女香花(LUDO・OB)さんにつけていただいてね。
アソヌマ 全然不名誉だけどなぁ。ありがたいけど。
イツキ 面白い芸人とかじゃなく、賞レーサーって言われてね。
アソヌマ 楽しませるお笑いじゃなくて、勝つお笑いしかしてない。
イツキ 僕は、勝つお笑いをしたくてやってます。考え方違う人が多いかもしれないですけど、何事も勝ちたい。目立ちたがりというか、これからも勝つお笑いを作りたいなって思います。寄席みたいなネタは、お客さんを楽しませることはできるけど、勝つってなると、もっと攻撃的なやつが必要だから、俺は勝てるお笑いを作っていきたいです。
アソヌマ そうだ、卒業までにやりたいこと。DONPAPAのことを知ってほしいもありましたけど、乙女ブレンドとミックストマトジュースがこんなに面白いんだぞっていうのは、もっと示したいです。
イツキ ミックストマトジュースの名前出しすぎだな。
アソヌマ 面と向かって言うと、自分の卑屈な面がよく出ちゃうんですけど「自分の相方達、こんなに天才で面白いぞ」っていうのを、もっと見せたいですね。それを客席に届けるのが自分の仕事です。夏も頑張ります。
――プロになるとしたら、乙女ブレンドでなる予定ですか?
イツキ そうですね。今は乙女ブレンドのネタしか考えられない脳になってます。1番やりやすいと思うんですけど…。
アソヌマ さすがに4年間やってくれば、お互いの性質とかも分かってきますね。
イツキ それを今から新しい人でやり直すのは、めっちゃめんどくさいなって思いがあるんですけど、ミックストマトジュースと乙女ブレンドの話し合いができてないんで、なんとも言えないです。
アソヌマ 2組でプロはいけないかな?
イツキ こいつはその野望があるんですよ。大学お笑いの1人2ユニット制みたいなやつを、プロに持ち込んで売れたいみたいな野望があるらしくて。
アソヌマ 野望すぎるだろ。
イツキ その野望を、叶えるのもありかなと思って。
アソヌマ 他の2ユニットやってる方とは違って、僕がネタを書いてない2ユニットなので、それぞれの魅力があって、色が分かれるっていうのはあると思います。そういうのも、できたら嬉しいですけど…。でも、そんなに簡単じゃないんだろうね。
イツキ そういうの許してくれる事務所ないですかね。だめかな。
アソヌマ じゃあ頑張って『ガチプロ』いくしかない。
ガブガブ海賊のYouTube
――ガブガブ海賊(乙女ブレンド、ミックストマトジュースによるユニット)のYouTubeについて教えてください。
イツキ 全然お笑いの畑の人ではない、ただただYouTubeの番組を作りたいっていう後輩の子が入ってきて、企画編集とか全部彼がやってくれてます。僕らはもう演者として出るだけって感じですけど、お笑いすぎない企画が多いので、どう立ち回ったらいいのかっていうのがあります。彼の最終的にやりたいことが、大型漁船の上で…。
アソヌマ でかい船にガブガブ海賊の4人を乗せて、そこで4人が作詞作曲した歌を歌って、後ろで花火をあげたいらしいんですよ。
イツキ なので、それに合わせていくっていうのが結構難しいですね(笑)大きいことやりたいっていう。最初は、大将が一番乗り気でミックスでやってたんですけど、どんどん下ネタ寄りになっちゃって、彼のやりたいでっかい企画ができなくなってきたから、僕を入れて4人で大型企画をやるチャンネルを作ろうっていうので始まりました。
アソヌマ このnoteがあがる頃には出てると思うんですけど、この前は24時間で大学の人とか知り合いに声かけまくって、お客さん100人集めて学内ライブできるかっていう企画を撮りました。
イツキ 乙女とミックスのネタライブで48人。本当に、めっちゃがんばって48人。
アソヌマ しかも、3分の1ぐらいDONPAPA員。
イツキ めっちゃ疲れたんですよ。昼間から呼び込みして、そこからネタをやらないといけないし…。2度目はやりたくないな(笑)ただ、やって良かったなっていう経験ではある。今年、スタッフも20人くらい入ってくれたおかげで、凄いセットも作ってくれました。そこでネタをできたっていうのが本当に楽しかった。
アソヌマ イツキもそうですけど、芸術専門のところがあるんで、ポスターに強い子とか、映像に強い子がいる。
イツキ 段ボール工作が強い子とかね。
アソヌマ 去年の5周年ライブも、オープニング映像が結構凄くてね。
イツキ 原さん以来のLUDOと兼サーしてるスタッフさんもいます。
アソヌマ だから、そういうのを出せるのもDONPAPAの良いところなんだと思ってます。これからはそういう企画も、ミックストマトジュースのとんでもない企画も、やっていくんだろうなと思いますね。
イツキ (スタッフが)いっぱいいるから本当に感謝。
アソヌマ いろいろ難しいこともありますけど、新しいことをやろうとする姿勢はやっぱり凄いなと思う。それにすぐ乗っかる大将のアンテナの早さもそうですし。
イツキ 彼はもうね、稼ぐことしか頭にない。
アソヌマ 『笑学祭』は優勝できなかったことより、30万逃したことが悔しかったらしい。
筑波コレクション
――今宣伝したいことはありますか?
イツキ 実は、僕がやってるネタだけあげてる乙女ブレンドチャンネルもあります。企画とかは一切やんないんですけど、そっちもぜひ見てください。
アソヌマ あとは、ぜひDONPAPAのライブに来てくれればなと思います。
イツキ あ!あと今年、筑波大学のミスターコンに僕がファイナリストで出ることになってます。もう投票期間だと思うんで、もし良かったら投票してください。ネットから、学内じゃない人も投票できると思う。『TSUKUBA COLLECTION 2024』で、ピンネタをする予定なので、そちらもお楽しみに。
アソヌマ 歌とかピアノとかのパフォーマンスに並んでね。
イツキ 歌とかは歌えないから。
アソヌマ で、早口言葉のネタやるらしいです。
イツキ 俺のミスターコンなのにアソヌマがいっぱい喋る、そういうボケをしようかなって。
アソヌマ 賞レースなら早口言葉じゃない方がいいんじゃない?(笑)