君達を呼んだのは他でもない 山北「ここからは一枚岩となって戦っていきたい」
山北:写真左・慶應義塾大学お笑い道場O-keis。3年生。
中村:写真中央・慶應義塾大学お笑い道場O-keis。3年生。
えいじ:写真右・慶應義塾大学お笑い道場O-keis。3年生。
――自己紹介をお願いします。
山北:山北です。
中村:中村です。
えいじ:須藤(すとう)です。
山北:誰ってなるよ。えいじの方がいいよ。
中村:山北にすら最近までスドウだと思われてたもんね。
山北:たしかに。そう思ってる人サークル内にもまだまだいると思うけどね。
えいじ:そもそも上の名前知られてんのかな。
山北 :それさえも怪しいな。えいじえいじ、って言い過ぎて。
CONTest優勝
――『CONTest』優勝おめでとうございます。この期間、大会中はどうでしたか?
中村:結構リラックスして臨めたかなと思います。元々勝てたらラッキーぐらいのつもりだったので。あんま気負わずにいられたかな。
えいじ:この1ヶ月はもうあっという間だった。5月はCONTestで凄い早かった。
山北:そう感じたんだ。まぁやりたいことできたね。
中村:のびのび。
山北 :ネタ選びとかもね。結構話し合ってて、昔のネタやるか、最近できたネタをやるかみたいな。結局は俺が坊主の時しかできないネタをやって、それが優勝したことなかったから凄い嬉しかったな。
――O-keis同期のトリオ3組で決勝でしたが、どうでしたか?
山北:結構予想通り。
中村:カオスネルドラントはやっぱ凄いウケるだろうなと。
山北:他のトリオのネタは全部知ってたから、カオスと風の通り道はどうせ行くだろうと思ってた。2本目いけば勝てるかなぐらいだったな。
入会から結成、NOROSHI2023
――お笑いサークルに入ったきっかけは何ですか?
山北:もともとM-1が大好きだった。高校生の頃からGYAO!で予選の動画観たりするぐらい好きで…。大学お笑いはうっすらとしか知らなかったんだけど、やってみようかなと。
中村:高校の卒論みたいな課題も漫才論をテーマにしたんだっけ。
山北:そうだ。いやだいぶ恥ずい。今思い返すとめちゃめちゃな内容だったと思う。
中村:僕も結構同じ。お笑いは小さい頃から好きで、特に賞レースは結構熱心に観てたと思う。大学に入った頃はランジャタイが大好きで、大学お笑い=しっかりしたコント漫才とかばっかみたいな勝手なイメージでスルーしちゃったんだけど、それはただの偏見でむしろ自由なネタをやって楽しんでる人が多いっていうのをあとから知った。それで大学お笑いに興味持って、サークルには2年生になってから入った。今はコント漫才も大好きですよ。
えいじ:俺も大学お笑いはそこまで知らなかったな。お笑い自体は勉強の息抜きでガキ使とか向上委員会をよく観るようになって、だんだんハマっていったと思う。O-keisはたかしさんが高校の部活の先輩だったからそれで知って入った。
中村:グラマラスグランマのたかしね。今やIOKのイメージが強いですが。ボート部だったんだっけ。
えいじ:そう。
――結成した経緯について教えて下さい。
山北:結構早いタイミングでえいじの相方がいなくなって、中村の相方もいなくなった。
中村:最初のコンビ決めで組んだ人は翌週のネタ見せですぐ飛んじゃって、その次に組んだ人も7月くらいにいなくなったね。
山北:ちなみに俺の最初の相方は今もいる。久保りんたろう君。
中村:(山北は)1年生の4月に久保と組んで、5月のデビューライブでは川口と赤ビーム。かなり引きが強い。
えいじ:その後に山北と2人で『木綿』って名前で一瞬だけやってた。七夕祭っていう7月にある学祭のライブにはそれで出た。
中村:今も七夕祭だけは毎年2人で出てるよね。
山北:俺がLINEグループで相方募集したら、えいじが声かけてくれた。2人で七夕祭に出て、そこに中村を入れる形になったんじゃないっけ。あんまり分かってないんだよね。
中村:木綿に入るっていう意識はなかったかな。1年夏の時点でまだ誰もトリオを組んでなくて、やってみたいねって話をえいじとしたのがきっかけだと思う。
えいじ:うん。それで9月ぐらいに誘ったと思う。
中村:実際にやったのは11月。三田祭でやったら結構評判良くて。
えいじ:ランクインもして。
山北:それでNOROSHIも出ようってなって、まあまあうまくいった。
中村:とんとん拍子でね。
山北:NOROSHIをきっかけに本ユニットになったかな。
中村:慶應は学祭が3回もあるから、いろんなユニットを試す機会に恵まれてると思う。そこから大会に出て本コンビになってっていうのはよくある。
山北:新入生でサークル悩んでる人がいた時に「O-keisの良いところは?」って言われたら、それ答える。自分のやりやすいものが探せるというか、見つけやすいところがマジで良いところだと思うよ。
――印象に残ったライブや大会はありますか?
中村:まあその時のNOROSHIですね。漫才はピュアラル、ピンは僕で出ましたね。
えいじ:ピュアラル懐かしいね。カズ・ヒラカズと吉岡のコンビ。
中村:気合いは入ってたけど、supermarket romance(明治大学お笑いサークル木曜会Z・『NOROSHI2023』チーム)が同じブロックだったから、準決勝いけるとまでは全く思ってなくて…。
えいじ:英語のネタがウケてね。
中村:このユニットで初めて作ったのが英語のネタで、三田祭でも評判良くてNOROSHIに持っていった。さっきちょっと言ったCONTestでやろうか迷ったのもこのネタ。
山北:予選はめっちゃウケたけど準決勝では全然ウケなかった。個人的にはその絶望の方が印象的かも。
中村:たしかに。その分翌年のNOROSHI準決勝で結構いい感じにウケたのは嬉しかったですね。
雰囲気
――O-keis内の雰囲気や同期についてどう感じてますか?
中村:切磋琢磨というよりかは、皆それぞれで勝手に結果を残してるという印象。けど最近は結束力が生まれつつある気もしますね。優勝しておめでとうって言ってくれた同期も多くて素直に嬉しかった。
山北:同期はやっぱり気持ち悪いやつというか、それぞれ個性のある人がたくさん集まってるなっていうのを感じてる。でも、ここからは一枚岩となって戦っていきたいと、個人的な思いはあります。NOROSHIがあるからっていうのもそうだし、どの大会でもこうなれたら嬉しいな。
中村:NOROSHIが好きな人が結構多いというか、芸会よりNOROSHI志向の人が多いイメージかも。さっき話したNOROSHIでウケたのも僕らだけの手柄ではなくて、チームメイトに助けられた面はかなり大きい。
えいじ:同期内だと派閥とかもないもんね。カトーラモと俺がめっちゃ仲良しとかはあるけど…。
山北:たしかにそこはね。
中村:えいじとカトーラモと柿島は特に仲良し。
山北:本当にそこだけ。えいじ派閥が1個あるだけ。あとは各々で仲良い。あ、特に廣田と吉岡はめっちゃ仲良かったかな。2人ともいなくなっちゃったけど…。
えいじ:他大だと、カンタービレの日野上(一橋大学お笑いサークルIOK)とか。
山北:日野上は慶應生だからね。部室にも結構来る。
中村:他だと本郷(日本大学経商法落語研究会)も仲良い。この3人が仲良いっていうとそのへんだね。
ネタの作り方
――ネタはどうやって作っていますか?
中村:必ず3人で集まって考えてますね。原案を出して他の2人のリアクションが良かったやつを考えていく感じ。
山北:いい原案が出ちゃえばすぐできる。
中村:まあでも滅多にないよね。設定ぐらいは予め考えておきたいけど、ライブによく呼ばれるようになってからは0の状態で集まることも多い。
山北:案は一応それぞれ持ち寄るんだけど、中村の原案に勝てない。本当にこいつのネタの提案が一番凄いと思う。
中村:そういってくれて嬉しいけど、1人でネタを作るのが無理で…。心細くなるというか、どんなによさそうな内容でもこれ合ってんのかなってすぐ思っちゃう。やっぱ一緒にいてもらうのがベストです。1人で書ききって相方に渡すみたいな人は凄いと思います。
山北:(一緒にいれば)試しにちょっとやってみたりもできる。
中村:でも原案は持ってきてほしいなって思います。普通にそっちの方が助かる。最近はアイデアを用意してくるのが僕だけで…。
山北:違う。用意してる時もあるよ。負けたりしてるよ。
えいじ:俺はなんも浮かばない。勝てる案が何か分からない。
山北:俺は毎回、今日は勝つネタ案だっていう気持ちはあるよ。
えいじ:良きライバルだね。
中村:まあでもネタ作りの面で変に主従関係が生じてないのは続けられてる秘訣かもしれない。
山北:たしかに。俺はまだ敵だと思ってる。まぁあと、ライブは焦る要因になるよね。CONTestでやったネタも、元々新ネタライブがあって急いで作った。
中村:戦後のネタね。何の案もなくて、せっかくだし坊主から作るかってなったね。
山北:坊主きついなって話してて、戦後の設定が決まってからは割ととんとん拍子に作れた。だから新ネタライブ『陽炎』の時から中身もそんなに変わってない。順位もそんなに高くなかったけど、まぁやっていくうちに良くなった。
好きな芸人
――好きな学生芸人を教えて下さい。
山北:先輩から言うと、五街道(東京大学落語研究会)とマボロシ(専修大学落語研究会お笑い企画STRIP GUN CLUB)。この2組のネタがめちゃくちゃ好きです。めっちゃ凄い。あとは金子(O-keis)さん。
えいじ:金子さんの前だと自然にいられる。何言っても拾ってくれる。大学お笑いの中でアウェーに感じることは多いけど、金子さんがいるとホームに感じて安心していられる。堤(O-keis)さんも。
中村:僕はピンの人が好きですね。『マギオン』ってピンのライブに出てた人達は全員好き。本当に全員。OBだと惹女香花(早稲田大学お笑い工房LUDO・OB)さんとかオールブルーあぶこ(同志社大学喜劇研究会・OB)さんとか、あと泉(IOK・OB)さんのユニットが好きです。
えいじ:ミックストマトジュース(筑波大学お笑いサークルDONPAPA)と自由軒(駒澤大学お笑い集団ナイフとフォーク・OB)が好き。この2組のライブはよく行く。
中村:本当にはっきりしてるよね。
えいじ:『スプーンどこ行った』も行く。自由軒だけじゃなくて、ナイフとフォークのあの代の雰囲気が好き。
山北:同期だと餡(法政大学お笑いサークルHOS)かな。とにかく餡が好き。他の同期でめっちゃ笑って好きだなと思っても、餡の動画見返すと、やっぱ餡だなってなる。餡、ですね。そんぐらい。あとはもうやってないけどオートクラス(経商法)と三熊グレイシーズ(O-keis)。新人戦で勝てなかった2組だ。2組ともめっちゃ面白いです。
中村:同期は伊東大成功(HOS)とかユーユユー(IOK)が好きですね。あとタージー(O-keis)。たしたつはいろんなユニットで結果出してるけど、ピンもかなり面白い。
えいじ:三熊グレイシーズに加えて、よしおかく~ん(O-keis)も好き。
山北:言うか迷った。
えいじ:あとは、健太郎(ナイフとフォーク)っていうピン。自由軒の系譜を継ぎそう。
中村:後輩だとヘビンザ・モニター(LUDO)とか好きですね。とにかく雰囲気あるピンに魅力を感じる。O-keisの後輩も僕の知らないところでめきめき強くなっていってる。
山北:えいじはO-keisの後輩について知ってる?
えいじ:川井(O-keis)かな。あんま話したことないけどスター性を1番感じる。
山北:まぁ分かる。
えいじ:ぷちぶんかっていうコンビで漫才をやってて。
中村:面白いよね。
えいじ:最初のつかみとかもスター性を感じるし、ずっと聞いていられる。猿ベルベット去るっていうコンビでやってるコントも毎回長いんだけどなんか見てられる良さがある。
山北:あ、鶏皮ぽん酢(IOK)。新人戦で観て面白かったな。キャラが立ってて、笑わせられた。あとは、さかなの乱(O-keis)の永松くん。O-keisで今一番いいボケ。4年まで全部込みでね。もう1人は、神戸(O-keis)くん。笑わせる能力がある後輩。『まだ足りないsomething』にはまだ出てないけど、今出ている連中も皆”いつか神戸にやられるぞ”と。俺は神戸くんに一番頑張ってほしいな。
最後に
――今後の目標を教えて下さい。
山北:O-keis18期一枚岩となって、頑張ります。
えいじ:目標で言うと、キングオブコント上がりたい。これだけは何年経っても出たい。
中村:大会で勝ちたいのはもちろんで、僕がもうラストイヤーなので、とにかくいろんなライブに出たいですね。やっぱり『コント進化論』とか特に出たくて、そのために芸会勝たなきゃなと。
山北:頑張るぞという感じで。