どうなるM-1第3期

M-1グランプリは去年、松本人志の活動休止で審査員を9人体制に増員した。
しかし、2年連続で9人体制というわけにもいかない。
ここでは、今年7人体制に戻った時に審査員がどうなるかについて考察していく。

まず、M-1グランプリの審査員が7人体制に戻った2017年から2023年のうち、2回以上出演した審査員の分類をしていく

※丸数字は2017年〜2023年の審査回数

旧M-1グランプリからの審査員
・オール巨人⑤
・上沼恵美子⑤
・松本人志⑦
7人体制に戻る前に初登場した審査員
・中川家礼二⑦
・富澤たけし(サンドウィッチマン)⑥
・博多大吉③
7人体制に戻ってから初登場した審査員
・塙宣之(ナイツ)⑥
・立川志らく⑤
・山田邦子②

以上の通りである。

ここから、審査員の人選を考察すると、
①松本体制時代からの審査員2人
②去年初登場した審査員2人
③今年初登場となる漫才師の審査員1人
④非漫才師の審査員1人
⑤島田紳助・松本人志の後継者
が理想となる。

まず、①は礼二と塙で問題ないだろう。
富澤は2015年も合わせて7回審査員を務めており、塙より回数は多いが勇退っぽい形だったので1年で復帰はないし、大吉も審査員を務めた回数は5人体制の2016年を含む5回と塙より少ない。
初代王者と漫才協会会長が東西の大御所枠となる。

次に、②に該当するのはアンタッチャブル柴田、オードリー若林、かまいたち山内の3人である。
柴田と若林は東のツッコミ、山内は西のボケなので山内は確定となる。 新M-1世代から審査員を確保できたのは大きい。また、キングオブコントの王者でコント師としての活躍もあるが、かつてM-1で審査をした東のコント師である大竹まことやナンチャン、コント赤信号のリーダーやラサール石井とは違い、「西」の視点がある。

残る柴田と若林だが、王者ということもあり柴田を優先する。
前述の礼二(西のツッコミ)、塙(東のボケ)も含め東西のボケツッコミを揃えたことで、バランスは確保できた。

③は千鳥大悟ではないだろうか。
キー局で現在ゴールデン2つ、深夜1つと計3つの冠番組を持つ売れっ子にしてTHE MANZAIで3位1回、2年連続準優勝の実力者である。
審査員のテレビでの露出度を補強できると同時に、THE MANZAI世代の穴埋めも狙える人事となった。

④は今までの傾向からいくと、関東の落語家から選ばれると見ている。
M-1審査員の年齢層を考えると、50歳前後の実力者かつ、全国的な知名度も高い人物になりそうだ。
該当者は、笑点メンバーの桂宮治・春風亭一之輔のどちらかになりそうだ。
審査員のイメージに合いそうなのは一之輔ではないか。
宮治のいる芸協からM-1の審査員が出たことはなく、一之輔のいる落語協会からは近い関係にある春風亭小朝が審査員の経験者であることも大きい。
小朝→一之輔で談志→志らくの再現となるか。

⑤が一番難しい。2015年以降の審査員経験者かつ、当時の紳助・松本並のカリスマ性を持つ芸人でなければこの枠は務まらない。
有力なのはブラックマヨネーズの吉田くらいか。
現在関西の冠番組と在京キー局のゴールデンMCを務めており、過去にも東京と大阪でいくつもの冠番組を持ってきたお笑い第5世代の筆頭格である。
紳助・松本の両方が認めた王者にして、NSC出身・関西出身と、有吉がそう言った千鳥以上の「吉本の保守本流」であればこの枠は務まるのではないか。

まとめると、
礼二(中川家)、塙宣之(ナイツ)、柴田英嗣(アンタッチャブル)、山内健司(かまいたち)、大悟(千鳥)、春風亭一之輔、吉田敬(ブラックマヨネーズ)となる。
席順は左から、
塙 山内 大悟 一之輔 柴田 吉田 礼二
という並びが理想か。
理由は、
・礼二と塙が両端の場合、右端は礼二のほうが合う
・吉田は松本ポジションのため、右のほうに
・残りの4人は東西のバランスを考えて

である。
司会者は以前キングオブコントの改革案のときに述べたように審査員と出場者の中間に位置する見取り図が適任だろう。

しかし、吉田、大悟、山内と「西のボケ」が3人のバランスが悪い布陣になってしまった。
このうち2人が外れ、霜降り明星の粗品と令和ロマンのくるまが入っても面白くなるかもしれない。

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