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キングオブコント2024ガバガバ感想


0:はじめに

お笑いビギナーがキングオブコント2024の雑な感想を書く。

1:各組感想

1:ロングコートダディ

花屋のネタ。兎の横柄さがムカつくけどなぜか面白いと感じてしまった。「マイナス」は今大会で個人的に一番くらったパワーワードだった。怒りがひしひしと溢れる感じがして良かった。

2:ダンビラムーチョ

冨安四発太鼓という架空の伝統芸能のネタ。自分が田舎育ちということもあって大原の演じた田舎のやたら距離感が近いめんどくさい人が「あぁ、こういう人いるわ」と共感できた。嫌な腕時計など小ボケにも光るものがあった。

3:シティホテル3号室

通販番組のネタ。司会がトチ狂っているのかと思ったら社長がトチ狂った台本を書いていたというところの裏切りが分かったところが面白かった。台本だと分かった後狂気具合が増すところも良かった。

4:や団

工員の休憩時間のネタ。伊藤が分かりやすい狂気で大きな笑いをガツンと取った後で後効きのボディーブローのように中嶋の淡々とした狂気がじわじわ来るのが相変わらず面白かった。ただ、尻の穴に手を突っ込むところはちょっと生々しすぎたような気もしたが。

5:コットン

やたら重い人形劇をする子供とそれにのめり込むおじさんのネタ。これに関してはきょんがR-1決勝戦でコンビネタをピンネタに移植したことを思い出した。このネタもやりようによってはピンネタに移植できそうだなと感じた。審査員は(ピンネタにも移植できそうなことに対して?)「もっと掛け合いを増やしたら良かった」といった旨のことを言っていたが確かにそれも一理あると思った。

6:ニッポンの社長

野球部のネタ。野球の才能は完璧なのに声だけが小さい野球部員とやたらバイオレンスティックな監督の対比が笑えた。監督が怒鳴っているからツッコミのように見えるかと思いきや理不尽なキレ方もしていてボケ不在にも感じられた。そういったところに不思議な面白さがあった。監督のバイオレンス具合もネタが進むにつれ激しくなるのも面白かった。声が小さいということをフリにして回収したオチも綺麗だった。

7:ファイヤーサンダー

毒舌例えツッコミで犯罪者を見抜いてしまう芸人のネタ。最初に毒舌で本当に犯罪者を当ててしまうという裏切りがあった後に警察だと思っていた男が実は犯罪者という二重の裏切りがあったところに上手さを感じた。去年のネタもそうだったが裏切りの見せ方が巧みだった。

8:cacao

部室という狭い空間でしか野球ができない野球部のネタ。ニッポンの社長が野球部ネタをやった後だったので厳しいかと思ったが違いは見せられたように思えた。ただ、野球部員が強くなったあとはやや平坦にも感じられた。例えばプロ入りした後も大活躍とかでも良かったのかも知れないがそうなると暗転してプロ入り後を見せないといけない。しかし、それだと進行がダレるかも知れない。あれが限界だったのかも知れない。

9:隣人

2年連続でチンパンジーのネタ。賢くなりすぎたチンパンジーに飼い主のお爺さんがドン引きするという内容だった。人工音声特有の無機質さから言われるセリフのシュールさは確かに面白かった。しかし、審査員も言っていたが人工音声で何言わせるか大喜利はもっとはっちゃけても良かったかも知れない。

10:ラブレターズ

引きこもりの息子を持つ夫婦のネタ。設定の狂気とその設定に沿った演技力が印象的だった。冒頭の夫婦の倦怠感と息子がどんぐりYouTuberだと知った時のテンションの上がり具合の対比のインパクトが強かった。

11:ラブレターズ2本目

チャラい外人がナンパをするネタ。自分がイカれている側だと思っていたら自分以上にイカれたやつだと分かってパニックになる様が笑えた。唐突な釣りの部分も正直いるのかと言われたらどうなんだとも思えなくもないが勢いに持って行かれた感はある。

そして、最終的にラブレターズは優勝するのだがその優勝の仕方が「最後の組で滑り込んで息つく間もなく最終3組のトップバッターで出て優勝」というのがウエストランドがM-1優勝した時と一緒だと思った。ちなみにラブレターズとウエストランドは同期でもある。

12:ロングコートダディ2本目

石像(?)に呪いを解いてもらおうとするネタ。石像の言葉が分からず四苦八苦するが繰り返し言う言葉をヒントに一時的に分かろうとするも失敗する流れは落語の蒟蒻問答やすれ違いコントの変化版みたいで面白いと感じた。オチは石が台に乗っても面白かったかも知れない。おそらくどっちに転んでもいいように計算されていたのだろう。ただ、審査員が言っていた生身の人間とのやりとりが見たかったというのも少し分かるような気がした。

また、石像が話す言葉に90年代中盤〜後半生まれの視聴者は仮面ライダークウガのグロンギ語を重ねて見ていたのかなとも思った。

13:ファイヤーサンダー2本目

あまりにも律儀すぎる不良のネタ。律儀がどんどんエスカレートする感じはロッチのトイレを借りる人のネタと似ているような気もした。禁煙→局部を隠す走り方→校長との交渉と流れの見せ方も上手かった。オチ台詞の「脱ぐ側が着る側」というのは若干キザというかクサい感じもあったが妥協点といったところか。

丁寧にまとめられていたがその丁寧さゆえか「綺麗すぎた」と評した審査員もいた。そういうこともあり点数が伸び悩み1stで点数トップだったが最終的に3位となった。

さきほどネタがロッチと似ていると書いたがファイヤーサンダーもロッチ同様賞レースに弱いことでお馴染みのワタナベ所属芸人である。順位は2つ落としたがロッチほど大スベりしたわけではなくぬるっと順位落とした(実際、上位3組の点差もそこまで大きくはなかった)ので今回の件はロッチ現象というよりマイルドロッチ現象とでも言った方がいいか?

2:ネタ以外のところの感想

ネタ以外のところで気になったのは審査委員長の件だろうか。確か大会中は浜田や飯塚の口から「審査委員長」という言葉は出なかったと記憶している(間違っていたらすみません)

事前にTBS側から審査委員長というワードを言うなと圧をかけられたのか、圧はなくとも暗黙の了解で察したのかは分からない。ただ、(百歩譲って審査委員長の前に暫定という前置きをしたとしても)「審査委員長」という言葉を安易に出してしまっていたら松本人志はもう二度と戻れないと絶望する視聴者もいたかも知れない。実際松本に戻って欲しいという声もあったらしい。

そう考えたら今回の判断は無難だったのかも知れない。

3:おわりに

始まる前はファイナリスト経験者7組、初決勝3組(そのうちダンビラムーチョはM-1で決勝の経験あり)と8組が何かしらの賞レースでファイナリストということに対してなんとまあ新鮮味が無い決勝戦だなと思っていた。しかし、蓋を開けてみたら思いのほか楽しめた。

また、去年のキングオブコント、M-1に続いて賞レースあるあるの「賞レースのトップバッターは不利」というのを打ち砕いて今回も打ち砕いてくれた。これは見る側としたら「どうせトップバッターだしダメだろう」というネガティブな感情を減らすことに貢献したのではないだろうか?

ちなみに自分は松本の復帰に関して賛成でもなければ反対でもない。要は日和見だが松本不在でもなんとかなる希望も感じられた大会だったように思えた。


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