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どこ行くねーん吉本興業

いつの時代もおかしかったと言ってしまえばそうなのだが吉本興業の様子がおかしい。果たしてどうなってしまうのだろうか?


1:鎖国

少し前に吉本興業の劇場で開催されるライブに吉本興業所属の芸人以外は出演させない、といういわゆる鎖国問題があった。最近では吉本だろうが吉本以外だろうが事務所の垣根を超えて芸人が切磋琢磨し合うことでお笑い界を盛り上げてきた。それが新しいお笑いの形なんだろうと思っていた。

しかし、お笑い最大手としてのプライドを持つとある重鎮がそれを許さなかったのだろうか他事務所との接触を断った。その重鎮とは中田カウスである。

鎖国前から吉本はテレビ以外での他事務所との接触を拒む傾向があるらしく定期的に地下ライブ出場禁止令が出るらしいと聞いたこともある。

2:さらば∞ホールそして

2025年3月に渋谷にある吉本興業の劇場∞ホールが閉鎖する。そして∞ホールの後にできる劇場、それは「渋谷よしもと漫才劇場」である。

自分はこじらせた重度のお笑いマニアではないので∞ホールに強い思い入れがあるわけではない。芸人をやっている友人が出ていたピラミッドライブの下の下のライブを見に行ったくらいである。

ただ、∞ホールの後にできる新劇場の名前がどうもひっかかるのである。わざわざ「漫才」と銘打つ必要はあったのだろうか?

個人的にはそもそも漫才、コント、ピン芸、新喜劇、落語等の芸種に優劣を付けたくない派である。∞ホールから羽ばたいて売れっ子になったコント師やピン芸人もいるのに除け者にしたいという悪意があるようにさえ思える。

一個人の矜持として漫才至上主義を思うだけならいいがそれを他者にまで押し付けるのはどうなのかと疑問である。

3:上方漫才協会大賞って何なんだ?

ややこしい話だが上方漫才大賞と上方漫才協会大賞は違うのだそうで。上方漫才大賞はラジオ大阪が主催で上方漫才協会大賞は上方漫才協会と吉本興業が主催とのことだった。

嫌な言い方をすれば上方漫才大賞は吉本以外の芸人も選出されることがあって上方漫才協会大賞は吉本興業のゴリゴリの内輪の賞ということになる。

区別としての「何なんだ」はこんな感じなのだが賞の内容としての「何なんだ」が第10回に露見しだした。

まず大賞のドーナツ・ピーナツ、彼らはカウスの子飼いである。知名度を上げたという意味では2024年のM-1で爆発を見せたバッテリィズに軍配が上がりそうなものだが彼らは話題賞に選出された。身内贔屓ということだろうか?さらに言うなら第9回の大賞と話題賞も西贔屓が強い結果となっている。

次に10回から突如として登場した「審査員特別コント作家賞・コント演技賞」というのも取ってつけた感が否めない。漫才とはゴリゴリ関西弁漫才こそが正統派であることを無理やり押し通したいけれどそれだと反発があるから適当にコントにも何か作っておくかというかそんな感じで。

この上方漫才協会大賞と2の渋谷の新劇場の方向性がどうも気味が悪い

4:松本人志が窮地に陥ったと思ったら〜、松本以上の古の妖怪が出てきました〜

1から3を書いて思ったのは吉本興業は今後中田カウス主導のもと関西弁漫才至上主義による先祖返りが起きてしまうのではないかということだった。しかもそれはお笑いファンや若手芸人が望んでいるものではない。

松本の女癖の悪さも『昔』ではあったがそれ以上の『昔』が強引に推し進められてしまいそうなことには不安がある。

加えてカウスも老獪なところがあるというのも厄介な点である。それは良くも悪くも勢いがある霜降り明星粗品の盾になっていることである。

こういった投稿からも分かるようにカウスはあれだけ目上に噛み付く芸でお馴染みの粗品唯一の信頼できる大御所という美味しいポジションについている。粗品もああいう芸風・思想なので良いように言えば孤高の天才だが悪く言ってしまえば周りをヨイショの上手い後輩のようなイエスマンで固めた孤立している腫れ物芸人のようにも見える。そんな中でカウスから「俺だけはお前のことを認める」などと言われたらそりゃカウスにも懐くだろう。

だからと言って松本人志即刻復帰を唱えたいわけではない。いや、戻って来ても来なくても大きな混乱にはなりそうか?

5:ボヤっとしている場合じゃねぇぞ他事務所

1から4で吉本興業にとんでもないことが起きるかもしれないということをうだうだ書いてきたわけだがこのことは吉本以外の事務所からしてみたら好機になりうるかも知れない。

1:吉本を辞めて他事務所に移籍する芸人が出てくる

まず、吉本の方針についていけなくなって吉本を辞める芸人が出てくるかも知れない。出た方が売れるでお馴染みの脱竹芸人がどうしても目立ってしまうが元吉本芸人も結構いたりする。

例えばワタナベだったらロッチやファイヤーサンダー等が該当する。そして、特に力を伸ばしそうなのはハリウッドザコシショウ、錦鯉、バイきんぐと三大賞レースのチャンピオンが元吉本芸人のSMAだろうか。

2:過剰な賞レースドリームが落ち着くことで売れ方稼ぎ方の多様化がさらに進む

前に2023・2024年のM-1の令和ロマン史上初の連覇により賞レース漫才の究極系が出てしまったので2025年からM-1はシーズン3に突入するみたいなことを書いた。

その記事の最後に「売れ方に関しては賞レースだけでない売れ方の形がコロナ禍あたりからの配信等で出てきたようにも思える」と少しだけ書いたが今回の一連のゴタゴタで売れ方稼ぎ方の多様化は進むかも知れないと思った。

今の芸人が売れるチャンスが賞レースのような戦略系か水曜日のダウンタウンのような根性系の二通りだけが主流になっていることを問題視する投稿もあったが確かにそれも一理ありそうである。

自分も業界の人間ではない一般市民なのでテレビのギャラは(一部の大御所を除いて)そこまで良くないと噂には聞いたことはあるもののテレビ、劇場、営業、配信、YouTube等々どれが稼げるかは分からない。

加えて自分を含めた業界側ではない人間からしたら芸人が夜の全国ネットのバラエティ番組の時間から見なくなったらそれはもう「あの人は今」と認識してしまいがちである。在阪宣言をしたがゆえに一部では消えたと言われているミルクボーイがそんな感じだろうか。

しかし、「賞レースである程度良い結果残して、それきっかけでバラエティで呼ばれるようになり、上手くいけばMCにもなれる」という賞レースドリームは絶対的なものではなくなったようなような気もする。

それは賞レースに弱い事務所にとっては朗報なのではないだろうか?特に太田プロは主要三大賞レースのファイナリストは外様しか出せていない上に宮下草薙の草薙や納言の薄幸のような賞レース以外で知名度を上げた賞レースに頼らない吉本にはない強みがある。

6:やはりまとまらないまとめ

ここまでだらだら書いてきたが吉本が急激に懐古に走るのはよろしくないということである。

とは言えここに書いてきたことは結局妄想である。加えて自分は権力者でもないのでお笑い界を変えることはできない。なので生ぬるくお笑い界の今後を見届けようかと思う。


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