弁慶楽曲解説 波羅蜜篇 筆者:桜松葉ヶ丘雑波(耳コピ士)

序論

 昭和57年、早稲田大学に入学した私はマイルス・デイヴィスの影響でジャズ研に所属しユーフォニウムを手に取った。ウェイン・ショーターの「ネフェルティティ」を演奏する先輩に、僕にも楽譜をくれと頼むと、先輩はこう言った。
「耳コピしろ。話はそれからだ。」
 そんなこんなで6年間の修業期間を経てフリーランスの耳コピニストになった私は平成28年に下北沢の路上でオワリズム弁慶に出会い、バンド専属の耳コピ士として雇われることになった。どうやらバンドには耳コピができる奏者が一人もいらっしゃらないようで、しかしいずれは日本中の演奏家やパフォーマーを巻き込んで演奏したいなどというたわけた野望を持っていらっしゃるので、私の出番というわけです。
 というわけで今回は私が初めて聴いたオワリズム弁慶の幻のダンスチューン「波羅蜜」の楽譜を大公開します!とか言おうと思ったんだけど楽譜はまだ極秘資料としてバンド内ですら閲覧できる人が限られている状態にあるため、せめてコード進行とその説明を載せる程度に留めてほしい、とのことでしたので、仕方ねぇ、コード解析の観点から「波羅蜜」をざっくり解説していこうと思います!そこそこ専門的でマニアックな回になるので覚悟されたし。

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