24卒オタクの就活 (1) 何から始めたらいい?
はじめに
もし君がそう思うなら、このnoteが多少は役に立つはずだ。漠然とした焦燥や恐怖は往々にして、見通しが立っていない時に生じる。
この記事は、2024卒(学部生) 文系大学生オタクの就職活動についてだ。でも別にオタクじゃなくても読める。
ここでは自分が就活をする時に知りたかったことを纏めている。25卒の学生諸君の就職活動にもきっと役に立つだろう。
筆者は定時で帰って遊びたいが故のホワイト企業狙いの就活をしていたが、そうでない人にもある程度は参考になると思う。
書き始めてみたら思ったより長くなってしまったので分割して投稿する。(1) は主に概観について、(2)以降はより具体的・実用的なテクニックの話をしている。
> 24卒オタクの就活 (1) 何から始めたらいい?(今読んでいる記事)
> 24卒オタクの就活 (2) 企業研究
> 24卒オタクの就活 (3) ESの書き方
> 24卒オタクの就活 (4) Webテスト・面接
> 24卒オタクの就活 (5) OBOG訪問
> 24卒オタクの就活 (6) 便利情報
この記事(24卒オタクの就活 (1))では以下について書く。各項目の要旨は目次からでも分かるよう心掛けたので、興味のあるものがあれば見ていってほしい ↓
1.どこで働きたい?① イメージしてみよう
もう志望業界決まってるしもっと実用的なミクロの話を知りたいって人はここを飛ばして任意の項目や(2)以降の記事に行ってくれ。
この記事は主に、そう考えている人向けに書いている。
何を隠そう、自分もそうだった。何ならこのnoteを開いているだけで既に偉い。就活とかやりたくないもんな!
じゃあ遊ぶイメージをしよう。働くために生きるよりは、遊ぶために働きたい。
まずターゲティングだ。具体的なイメージが湧かないとやる気も出ない。
5年後の自分
5年後の今日を想像してみよう。社会人3~4年目になっている頃だろう。以下は自分の例だ。
このささやかな夢を叶えるには何が必要か?
至って普通かもしれないが、都内一人暮らしだと多分年収600万くらいないとこの生活は無理だ。駅近一人暮らししたいし、コンビニで値札を見たくない。あと好きな時に有給取れるの地味に大事。
普通が贅沢! なんて時代になりつつあるが贅沢したいものはしたいんだからしょうがないだろ。
という訳で、これを叶えるための条件をもう少しシンプルにまとめてみよう。
定時で帰りたい。夜卓したいし原稿したいし酒飲みながらゲームしたい
→残業時間の少なさ
休みも有給も欲しい。遠征に行けるし推しが死んだら寝込める。
→有給取得率、完全週休2日/年間の休日数
金が欲しい。一人暮らししたいし新作買いたいしグッズも欲しい。
→可処分所得
月給、ボーナス、残業代の有無、借上社宅や家賃補助制度などの福利厚生(ちなみに、家賃補助より借上社宅の方が所得税を節約できる)
結論:金払いのいいホワイト企業を狙おう!
身も蓋もない結論で恐縮だ。
この例ではシングルライフを想定しているが、家庭がある人、持ちたい人についても、上記の条件が揃っている企業は大体介護や出産育児などのライフイベントのケアも手厚いのであまり心配しなくていいと思う。
このように、近い将来のイメージをざっくり描いて、逆算する形で就活をしてみることを勧める。
就活サイトでは、収入や成長性、ワークライフバランスなどの各項目で順位をつけていく方法がメジャーだが、それだといまいち具体的なイメージが掴めないことが多い。
この方法だと、何となく1年目から年収500万欲しいな……とかよりも、自分の理想の条件がクリアにしやすい。
あの三菱商事だって初年度は月給24万とかだ。Up or Out の戦略コンサルなんかはシビアなので10年以上生き残るのはレアキャラだし、初年度年収600万でも残業時間エグいところだと時給に換算すると1000円台とかザラにある。
健康やプライベートをどこまで天秤にかけるか、という点でも、体を壊して休職するくらいなら、そこそこの給与で長く働く方が生涯年収や幸福度は上だと思う。一回壊れたら戻らないぞ。
何となく海外やグローバルな働き方に憧れる……といっても、20代のうちに駐在したいのか、ある程度勉強して30〜40代で行くのか、出張だけでいいのか、でも全然違う。英語スキルを活かしたいなら、わざわざ外に出ずとも、リモートで事足りる時代になってきた。行きたいエリアでも違う。欧米に行きたいのか? 新興国に行きたいのか?
これは偏見だが、なんかキラキラしたセレブ生活がしたいなら旅行のほうが絶対いい。日本の食文化や衛生水準以上の国はほぼないので、イメージ先行だと幻滅する可能性のほうが高い。
こんな感じで、20代のうちに年収1000万貰ってモテたいなら商社や金融、30代でFIREして南の国でセカンドライフを送りたいなら外資系金融で命を燃やして一生分の金を稼ぎまくる、起業したいならコンサル、ベンチャーなどを狙ったりするのも一つの手だ。安定が欲しいなら公務員も悪くない。転職前提でスキルを身につけたいなら研修制度で選ぶのも良い。
やりたい職種や業界が明確なら理想像もまた違ってくるだろう。この辺は自分の理想像と照らし合わせよう。
うまく決められないなら、インターンに参加してみて探そう。
これだけは嫌だという条件から、消去法で選ぶのもありだ。総合職がいいけど地方に転勤したくないからIT、コンサルみたいな子も結構いた。
2.どこで働きたい?② ホワイト企業って?
で、筆者が志望する結局ホワイト企業って具体的にどんなところよ?
というと、競合が少ない、専門性が高い分野に多い。
設備投資や研究費用など、初期投資が大きいほど参入障壁も高く、市場を独占して利益を上げられるからだ。
あと、元官営だったりすると福利厚生がめちゃくちゃいい。Jで始まってRで終わる交通会社とか。
業界だと以下が例として挙げられる。
ホワイト業界、ホワイト企業でググればいっぱい出てくる。
それ以外の業界に関しても、例外はあるだろうが、基本的に1番給料・待遇・環境がいいのはその業界のトップ企業だと考えていい。そういう企業ほど社員の人柄も大体良い。なぜか?
金と休みがある人間は他人に優しくなれるからだ。
3.インターンのすすめ
ES書いて面接受けて、その結果得られるのが労働を体験する権利……?
と思うとアホくさくなるかもしれない。
でも、インターンにもメリットがある。
めんどくさい、と思って敬遠する前に、これから説明するメリットだけでも見てほしい。このnote自体めんどくさいのに書いてるってことはそれ以上の価値があると思っているからだ。
・ インターン参加のメリット
どんな業界、企業があるか知ることができる
企業の社風を知ることができる
選考の場数を踏める
周囲の学生のレベル、自分の立ち位置がわかる
選考優遇/早期内定につながる
1.どんな業界、企業があるか知ることができる
インターン出す前にどんなところがあるか調べるだろう? 四季報を買って読んでもいい、先輩や親に聞いてみるのもいい、テレビのCMの見方も少し変わるかもしれない。
また、最近はYou TubeやZoomなどの配信で説明会に参加できる。合同説明会の形を取っているものも多く、最初は名前を知っている企業だけ、という気持ちで見始めたら、知らなかったけど面白そうな企業と出会う、なんてこともある。昔みたいにわざわざ会場までリクスーで出向いて……という手間は掛からなくなったので、空きコマとかにも見れる。
2.企業の社風を知ることができる
インターンの選考や、インターンそのものへの参加を通して、社員の方と交流する機会がある。
説明会に出ている1〜2人の人事だけでなく、5〜6人の社員と会うことで、会社全体の社風や働いている雰囲気が分かる。同じ業界でも、複数の企業のインターンに参加すると、企業ごとのカラーが見えてくる。あと、人事が連れてくる現場社員はだいたいイケイケ枠なので、もしここで活躍したいならこんな感じか……と想像がつく。
たまにキラキラ感出してるけどやりがい搾取凄そうなブラック企業も拝める。そういう企業の説明会を何個か見てると嗅覚が働くようになってくる。
3.選考の場数を踏める
インターンの選考は大体面接とセットだ。24卒のインターン面接時はほぼオンライン面接だった。25卒も大差ないと思う。
本選考の二次面接とかだと話は変わってくるだろうが。
面接は緊張するし、最初はうまく喋れないだろう。でも、あくまでインターン。本選考という一発アウトの本番よりは全然マシだ。本命企業を受ける前のタダで使える練習台くらいの気持ちで行っていい。3〜4個受ける頃には慣れてくる。やっぱり場数だ。
それに夏インターンなどでは周りも面接慣れしていないので、一部の超ガチ勢を除けば冬インターンや本選考よりもライバルのハードルは低い。
4.周囲の学生のレベル、自分の立ち位置がわかる
グループ面接やGD(グループディスカッション)、実際のインターンを通して、その業界、その企業を志望している学生のレベル感が掴めるし、自分に足りていないものも見えてくるだろう。
就活生どうしの情報交換も地味に有益だ。どの業界を併願しているかを参考にしたり、他の学生が先輩からの情報でネットに書いてあること以上の企業の内情(インターンの優遇度合いなど)を知っていたりする。
早慶や旧帝以上のハイレベルな学生ほど、就活に早期から熱心に取り組んでいる印象だ。おそらく、皆がやってるから自分もやる、という空気なのだろうが、それが質の高い情報交換や選考対策に繋がり、結果として採用実績にも反映されているのではないか。学歴フィルター云々が言われるが、その内情はこういう要素も少なからずあると思う。
もし機会があれば、グループワークの合間などに彼らと交流してみてほしい。自分はインターン期間中の付き合いだけでも十分収穫になったが、インターンが終わった後も積極的に連絡を取り合って就活仲間を作るのもいい。彼らが持っている情報の量・質は桁違いだ。そこから得られるものは大きいだろう。
また、サボりたくなった時もあったが、周囲が結構やっていると焦るのでモチベ維持のためにも良かった。
5.選考優遇/早期内定につながる
企業によってはアツい選考優遇もある。
学生時代のド派手な実績とかないが……? という人こそ参加するべきだ。インターンに参加したという実績自体が武器になる。某保険会社のサマーや外資コンサルのジョブインターンの実績とかめっちゃ強い。
大抵の企業はインターンは本選考に一切関係ない、というがそんな訳ないだろう。
しかも今年からは経団連がインターンを選考要素に含めていいと言い出した。(リンク先 p.10参照)
インターンは就業体験と同時に、自己アピール、企業による篩い落としの場でもある。現場社員や人事だって暇じゃない。
金と手間と時間を掛けて集めた学生のデータを一切取らないと思うか?
実際、インターン参加者限定の座談会など、優遇をもらった企業もある。本選考でも有利になる。志望動機にインターンでのエピソードを盛り込めるし、インターンに参加したこと自体が志望度の高さのアピールにもなる。
早期内定をもらえれば、精神的な安心感を得られる。また、それ以降の就活では、その企業より下のところは受けなくていいので、より志望度の高い企業に向けて入念に対策を練ることができる。
とまぁ、ここまで、インターン参加のメリットに関してごちゃごちゃ書いてきたが、一番重要なのは、その業界、仕事内容、社風が自分に合うかどうか試せることだと思っている。苦労して入ったのに入社後のミスマッチで辞める……という悲劇を防ぐためにも。
かくいう自分も、最初全然志望していなかった業界の企業のインターンに参加したら想像以上に面白かったことから、その企業が第一志望となり、幸い内定を頂けたのでそこに入社することになった。
人生何があるかわからんし、話のネタにするでもいいし、人生最後の社会科見学くらいのノリで手当たり次第出してしまえ。ミーハー就活上等だ。
興味ない業界でもトップ企業だけは大体応募したし、そこそこ興味のある業界なら3〜4社出した。40〜50社近く応募して通過率は半分弱、スケジュールの都合上参加できたのは夏冬合わせて15社くらい。自分は秋冬ちょっとサボってしまったのでもっと出してる人は全然いると思う。夏インターンである程度興味の持てる業界を複数絞り込めると、秋以降はそっちにフォーカスできるので楽になった。
応募数エグいと思うかもしれないが、ESの書き方(詳しくは次の記事で説明する)を知れば、使い回し、流れ作業にできるのでそこまで怯えなくていい。
4.年間スケジュール
予定立てるのめんどくさい? 死ぬほどわかるその気持ち。
流されるように生きていたいよな。でも、楽したいならどこで頑張って、どこで手を抜くかを見極めたほうがいい。
サボるために見通しを立てるんだ。
以下は24卒の就活スケジュールだ。25卒も多分そんなに変わらないと思うので、参考にしてほしい。
基本的に、夏インターン→秋冬インターン→本選考 という流れだ。
志望する業界が外資、コンサルやマスメディア、放送系なら本選考の時期ももっと早い。志望業界がざっくり決まっているなら選考時期も調べよう。気づいたら募集終わってた、とか目も当てられないからな。
戦コン(戦略コンサルタント)や外銀(主に外資系の投資銀行、証券会社)のジョブなど、選考が超早期の業界を狙う場合は2年の冬から対策した方が有利だが、そこを狙わないのであれば3年春からぼちぼち始めても十分余裕を持って準備できる。
夏インターンに行きたいなら、3年の5月の時点からエンジンを掛けよう。
3年の1月以降から始めて間に合うのは高学歴の体育会系ぐらいだぞ。あの溌剌とした爽やかキャラは本当に強い。オタクが頑張ってアレを偽装するのは無理。OBOGの繋がりも強い。
(ちなみに、体育会系が強いとされるのは、甲子園出場などの飛び抜けた実績があるならともかく、大半は「根性があるか」「先輩後輩(上司や部下)と円滑なコミュニケーションを取れるか」が担保されるからだ。逆に言えば上記の点を別の形でアピールできるなら文化系だろうと何の問題もない)
以上の理由から、特に飛び抜けた実績や強みがないなら早めに就活を始めるべきだ。引きこもり癖のある陰キャとか特にそうだ。
夏インターンを頑張るなら5〜7月、秋冬インターンメインなら11〜12月が重要だ。インターン選考時の対策、下準備に力を入れよう。
インターンでどう振舞って差を付けるか、とか、始まってからも色々あるが案外どうにでもなる。
ショートコント:インターン!
愛想良くして積極的な発言・質問で社員に絡みに行けばいい。強そうな陽キャの真似をしよう。絶対いるから。
意識高い系の質問してる奴と懐に入るのが異様に上手い奴。
見様見真似で盗んで自分も次のインターンで同じことをすればいい。普段のキャラじゃないからって恥ずかしがる必要はない。どうせみんな猫被ってる。
それに、こちらから積極的に連絡を取らない限りインターンの参加者とプライベートで再会することはほぼない。
お互い同じ企業の内定者になった……とかなら話は別だが。
話が逸れたがまずはともかく、インターンに参加できなければ意味がない。
どこで注力するかは、学業やサークルの年間スケジュールと相談しよう。バイトのシフトに関しても、長期休みは多めに空けたい旨を数ヶ月前から店長に言っておくだけで心証は全然違うだろう。
夏/秋冬どちらかだけでもいいのでインターン選考へのチャレンジ、できればインターン参加も勧める。面接練習やインターンでのグループワークは場数がモノを言う。
自分の場合、夏に集中した。2023年6月からの実習の前に就活を終わらせるべく、早期内定が欲しかったからだ。この戦略は正しかったと思う。
参考までに夏インターンの結果をまとめると、応募したのは30強、書類通過は8割、面接まで通過したのはその半分の15社くらいだ。実際にインターンに参加したのは10数社で、うち6社から優遇をもらった。(インターン優秀者の内々定、早期選考案内、特別座談会、人事経由のOBOG訪問の案内など)
>24卒オタクの就活 (2) 企業研究 に続く