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晴天を誉めるなら夕暮れを待て。

鈴木秀樹選手の応援に行ってから、プロレスを観ていない。

世間は、夏休み・お盆休みだったが、僕には関係ない。

仕事・仕事・仕事なのだ。

休みがないのはしょうがないし、別に良いんだけど、プロレスが観たい!

本当は、鈴木秀樹選手対藤田和之選手が観たかった。

IGF対決ですよ。

仙台大会。

だが、勤務と勤務の間の明けの日だったので、どうしても休めない。

悔しい!

また、凄い試合をされていた。

カシン選手の行動には、ちょっとやられた。

観に行けなくて悔しかった。

やっと、19日の朝に勤務が終わって、少し休日をいただける事に。

プロレスだー!!(叫)

19日には、後楽園で鈴木秀樹選手の試合がある。

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拳王選手。

と、シングル初対決。

僕は、拳王選手とは思い出すんですよね。二年前の事ですけど。

まずは、N-1だろうが、この試合に勝てば、シングルベルトに挑戦も見えてくる。

でも、先ずは一試合からでしょう。その試合で今後が左右される。

行こう!!決めた。

そんな18日の朝から19日の朝まで、忙しい。

搬送の繰り返し。一睡も寝ていない。

勤務が終わって、朝風呂に入って、身支度して、バスと新幹線で、淡路島から東京へ出発!

バス乗り継いで、新神戸の駅で待ってる間、大勢の家族連れの皆さんが騒がしい。

何事かと思ったら、ドクター・イエローが!

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幸せを運んでくれる新幹線。鈴木秀樹選手勝つかな?良い事あるかな?とドキドキさせてくれた。

新幹線内で朝食兼昼食。

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うまし!

東京駅に着いた。

約 片道5時間の旅。ホテルへチェックイン。少し休んで後楽園ホールへ!

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着くと、東京ドームにも人並みが。そうか、タイガース戦があるんだ。

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(阪神タイガース頑張れ!)と願いつつ会場へ。

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期待感は膨らむ。隣の席の青年はケンスケさんと言う。なんでもお父様がプロレスの大ファンで佐々木健介さんが大好きだった。だから息子さんにケンスケと名前を付けられたという。そして、ケンスケさんは健介ファミリーだった中嶋選手の応援に、アルバイトして稼いだお金でノア観戦されているという。

感動!ここでも『プロレス』という大河ドラマがご家族に流れ込んでいる。お父様のお歳を聞いたら50歳だった。僕と同年代だった。僕も子供がいればこれぐらいの歳なのかなぁと、何故かセンチメンタルに。ケンスケさんはお茶を奢ってくれた。ありがとうございます。

試合開始。

藤田和之選手が観れた。

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後楽園ホールで聞く、炎のファイター・オーケストラバージョンは最高だった。

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藤田和之選手の圧勝だった。

良い試合が続く。会場の雰囲気も良い。

さぁ、セミファイナル。

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是非、観ていただきたいのです。

良い試合でした本当に。

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ロープワークなどなく、基本から忠実に意味ある試合をされていた。

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ネルソンで締め落とそうとする辺りは、素晴らしかった。

良い試合なのだ。

良い試合だからこそ、僕は徐々に大いに湧く後楽園ホールに取り残されていった。(これはドローだな・・・)とわかった瞬間に緊張の糸が切れた。選手はすごい試合をされている。だが、その範囲以上に「すげぇ試合」とは僕には感じ取れなかったのだ。

思った以上に噛み合った。噛み合ってしまったのかもしれない。

大技ラッシュだからプロレス?グランド中心だからプロレス?お客との呼吸があってるからプロレス?単純だからプロレス?

色々と試合中にも関わらず考えさせられていた。

だが、25分経ってからだろうか。拳王選手は打ち合いを望んだ。拳王選手の攻撃はキックではなく張り手だった。

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これにはグッときた。

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おもしれぇ事するな!と鈴木秀樹選手の顔にも書いている。

最後は、お互いに譲らず30分ドローだった。

拳王選手は、すぐにリングから出て鉄柵蹴って引き上げていった。

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色んな感情が渦巻いたのでしょう。

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鈴木秀樹選手も満身創痍であろう。

でも自力で引き上げていた。

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拳王選手は、コメントでも真摯に選手や自身に向かってストレートに本音をぶつけている。『承認欲求』がこの試合のキーワードだと思っていたからだ。

リーグ戦だからこそ、お互いに負けられなかった。わかっているのだ。わかっているからこそなのだ。

会場は拍手が続く。僕は少しモヤモヤした気持ちでメイン待つ。メインは清宮選手と船木誠勝選手の一戦だった。

この試合観て、僕は(お!)っとなった。船木誠勝選手が清宮選手に合わさないのだ。清宮選手が攻撃してもスカす。ドロップキックなど攻撃されるが、

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大半は船木選手グランドだった。そして打撃。

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(お前、会社の指示通りに動いていてそれで良いのか?)と攻撃を見ながら聞こえてくる。

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自分は無いのか?と。

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外見の前に『強さ』が無いならプロレスラーではないぞと。

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最後は、船木誠勝選手が清宮選手に、武藤敬司選手直伝のシャイニング・ウィザードで負けた。

握手を求めた清宮選手に船木誠勝選手は応じた。だが、直後に強烈な張り手。

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それで良いんだ!

最後は僕には、清宮選手ではなく船木選手が締めてくれたと思った。

甘かねぇんだ!と。

僕が望んだ『緊張感』がメインの船木誠勝選手に見えた。

清宮選手も、わかっているだろう。

プロレスは『生き物』だ。その日・その時によって選手側・観る側の視点も変わってくる。だからこそおもしろい。摩訶不思議な『比類なきジャンル』である。

思想・信念・主義・主張が見えてくるのか?訴えてくれるのか?対戦相手だけでなく観客との勝負でもある。

だから『闘い』なのだ。すべてにおいて『闘い』なのだ。

プロレスは難しく見ないで良いと、昔 蝶野さんが言われた。難しくしたのは当時のマスコミだと。鈴木秀樹選手もその意見かもしれない。だが、もう50歳を過ぎた者にとっては考える事がプロレス特有のおもしろさになっているのだ。だから僕は、感じている事を書いている。忖度すれば意味がないと思ってるから。

思考する。だから感情移入されているのです。

プロレスは興行であり『パッケージ』だ。そう考えればこの日の大会はとても満足できるモノだったのだ。

だからこその、セミファイナルであり、メインイベントだったと思った。ランクではない。立場の問題なのだ。セミファイナルで闘う者、メインイベントで闘う者としての。

会場を出た後に、鈴木秀樹選手の事を考えた。今日の試合納得されているのだろうか?負けられない試合だったからこそ。

だから、思うのであった。

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応援に来て本当に良かったと。こういう感情が出る事が会場で観る本質なのであるのだから。

また、鈴木秀樹選手の試合を観に行こう。

今回の興行は、鈴木秀樹選手という晴天を望んでいたら、夕暮れのメインの船木誠勝選手で、僕は感情を取り替えさせられていた。

だから、僕は全試合終了後足速にホテルに戻っていた。そして夜空を見て思った。

闇の中から、薄らな明かり。

それは優しく、そして時には残酷に。

僕達に、何かを与えてくれる。

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鈴木秀樹選手も『月』の人なのかも知れない。

そして、2022年8月20日。

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今日もプロレスラーは『闘う』のだ。

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