はじまり。
2022年12月14日。
奇しくも、赤穂浪士の討入りの日。
後楽園ホールにて、GLEAT MMA大会がありました。
もう、青木真也選手が書かれていますから(是非読んでください)
僕の視点で書かせていただきます。
僕は、最初 興味がなかったのです。
(一過性のものかなぁ)とも思っていた。
プロレスをダシにされたらたまったもんじゃないと。
だが、田村潔司選手が語られていた。
これ見た時に(ん!?)となった。
その通りだから。
そしてインタビュー。
嬉しかったですね。
もう、プロレスラーに『強さ』を求めるのは老害と見做されてるんですから。
村松友視さんが訴えてた『プロレス内プロレス』で満足されてるんですから、今のファンは。
華やかな技の応酬で、キックアウトの連続で我慢比べ。
30分試合すれば、良い試合と称賛される。
そんな平成・令和プロレスに呆れると同時に諦めていた。
だが、打って出る。
プロレスラーが『プロレス内プロレス』で安堵してる時代。
ファンも『プロレス』と『格闘技』は別物と思ってる時代。
そのアンチテーゼになるかどうかだ。
初代タイガーマスクの佐山聡さんだって、若手時代にマーク・コステロとキックボクシングルールで相手の土俵で闘われた。
キックを習って半年という事だけで、試合に借り出された。
壮絶な試合。
ダウンの連続。
でも、佐山さんは闘われた。
負けた時、猪木さんや山本小鉄さんは「よくやった!」って労ってくれたそうです。
ただ、ある先輩レスラーが「情けねぇなぁ」と言った。
その悔しさが、佐山さんをよりキックや寝技の練習に励む糧になった。
プロレスの原点は『怒り』ですからね。
僕は、PPVを購入しようと思っていた。
だが、YouTube配信されるという。
無料。
無料ほど高いものはない。それだけ満足させれるかどうかが勝負となるからだ。
GLEATの本気が伝わった。
これを機に、一気に突っ走ると思ったからだ。
解説が青木真也選手だって事も嬉しかった。
試合が始まった。
プロレスラーとしては売り出し中の渡辺壮馬選手が、無惨にもパンチやキックで打たれる。自身のスタミナも奪われる。
無様なパンチを振り回す。
もう倒れたいだろう。
だが立っていた。
立ち向かっていた。
まるで、佐山さんの時と同じ様に。
それは、僕には美しく感じた。
試合終了後、ぶっ倒れた。
吐いていた。
その姿は、とても無様ながらも心奪われていた。
気合を見せてくれた。
何事も、最後は根性と気合なのだから。
『ファイター』だった。
福田選手は、目が良かった。
勝つ!と全力で望んでいた。
それで良いんだ。
プロレスは『闘い』なんだから。
田中稔選手は、藤原組・バトラーツ時代から見てきた。
リングスに上がっていた時代も。
だからこそ、何もできなくとも泥臭く負けた姿が、僕には輝いて見えた。
井土選手には期待している。
GLEATの顔にならなくちゃダメなんだから。
背負って欲しい。
だが、負けた。
猪木さんの言葉を借りれば『どうってことねぇよ』である。
反省点も見据えて、これから闘われていくのだろう。
ただ判定の時や入場時、いつもの井土選手だった。
派手なパフォーマンス。
怖かったんだと思います。
だから、いつもの井土選手でいたかったんだろう。
それが見えた・感じた時、また心動かされた。
すごい揺さぶられました。
やはり、プロレスラーが立ち向かう姿に心打たれた。
「MMAじゃないじゃん」って揶揄する人もいるでしょう。
そんな『競技』を見たい訳じゃないのです。
競技内の中で『プロレス』を見せてくれるかどうかなのです。
プロレスって書くと予定調和と勘違いする人も多いでしょう。
違う。
存在を映し出して、己とも闘い、その姿で僕達に生きるチカラを訴えていただきたいのです。
田村潔司選手がそうだったように。
プロレスラーの中でも(なんでやるんだろう)と思われてる人も多いでしょう。
闘った者が偉いんだ・凄いんだ。
PRIDE全盛期。
猪木さんの一声で借り出された選手は、たくさんいる。
嫌々ながらも。
だが、その悲壮感と覚悟を持っての入場はとても美しかった。
絶対にムダにはならないはずだ。
誇って欲しい。
負けても立ち上がるのが、プロレスラーなんだから。
なんでも、会場は満員とまでいかなかったと聞く。
それが、僕にはより感情移入させたのだ。
選ばれし者は、最初から光り輝く星ではないのだから。
『強さ』とは格闘能力だけじゃない。
厚み・深み。
そして個人の総合のチカラである。
ここからなのだ。
で、休む間もなく日曜日には大阪で試合をされる。
やっぱり凄いよ、プロレスラーは。
そして、解説をされていた青木真也選手が、年末の30日。
GLEAT TDCホール大会で、LIDET UWFルールにて、伊藤貴則選手と闘われる。
これこそ意味合いがより深くなった。
どうなるのか?
一寸先はハプニング。
楽しみにしたい。
猪木さんは言いました。
「やるんならトコトンやれ!」と。
GLEAT MMA。
やり続けて欲しいのです。
そして、それをGPROでも・LIDET UWFでも活かして欲しいのです。
やってくれるはずだから。
勝ち負けにこだわるからこそ、見えてくるドラマが見たいのだから。
それが『物語』となるのだ。
恐るな。
ここからだ。
どんな時でも、どんな場所でも、闘い続けるのが『プロレスラー』なんだ。