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推しが出る2.5舞台を観た話
大好きな俳優さんが、刀ミュに出た。
今になってやっと書ける話なので備忘録みたいなものだけれど、キャラクターと俳優どっちが好きとか気にする人はスルーして下さい。
俳優観劇以外にもオタクしているので吐き出し長文です。
2021年1月1日、新作公演である「東京心覚」の発表をひとりぼっちの家で知った。
いつもなら出演するキャラで好きだの嬉しいだの騒ぐのだけれど、そのとき私がツイッターで叫んだのは俳優の名前だった。
私にとっての刀ミュは、トライアル公演から観劇し続けて地方公演も回って、円盤も写真集も関連雑誌も配信も買って追いかけてきた作品だった。
そんな数年間ずっと大好きな演目に、大好きな俳優さんが出る。
それだけでお正月のお年玉が分厚くなった気がした。もらえる歳でもないのだが。
いやね、その俳優さんが別の2.5舞台に出てたり、アニメやゲームの声優をされてるのは知ってはいたんですよ。でも全部をプレイしたり見たりしてたわけじゃなかったんですね。
ストレート舞台に出ているその人が好き、というのもあったんですけど。
で、個人の勝手な所感だけれど、2.5次元作品は原作を履修しなきゃ分からない舞台も結構多くて。もちろん知らなくても楽しめる作品も多いのだけれど、それでも「知っていればさらに楽しい」みたいな内容だったりする。
私はアイドル系ゲームやコンテンツにあんまり興味がもてなかった。
彼が出てる作品のグッズや舞台化も大人気だったのだけれど、チケットも悪しき文化のブラインドグッズも自分よりフォロワーに協力したりしていた。
そんな中、彼がとある2.5舞台に出たとき、私もプレイしているゲームが原作だったのでチケットを取って観ることにした。
私にとって、彼が出る2.5舞台を初めて観る機会だった。
大体ひとりで観劇に行くので、知り合いはいない。けれど、その時たまたま物販列の前後になったお姉さんたちと暇つぶしに話をしていて「声優をしている彼が役者をやると聞いて、初めて2.5を見に来た」と言われてびっくりしたことを覚えている。
そうか、彼は声優さんだったのか。
それくらい、私は彼を「舞台俳優」として認識していた。
たぶん役名をもらったことがある若手俳優なんて2.5に出ていない方のほうが少ないんじゃないかなと思う。そしてその舞台で感動して、初めてその俳優を知るなんて人も多いはずだ。
けれど、私は2.5じゃないところで彼を知った。
すごく芸歴がある方だったので、もしかしたら私なんぞよりもっと長く見ているファンの方もおられると思う。それこそ2.5の彼が好き、みたいな人も。
私は数年前にストレートの舞台のほうで彼を知った。
そしてただ「すごいなあ、この人」と思ったのだ。
ストレート舞台は初見時のわくわく感がたまらない。物語はどうなのか、作中でどう変わるのか、終盤で冒頭の場面を思い出したり、なるほど!となる発見?すっきり?体験のようなものが病み付きになる。
もちろんそのまま追いチケして何度も観ることもある。初見以上に毎回新しい発見があって面白い。舞台は生き物。ほんとそれ。
何となくでも、この登場人物はこういう性格なのかな?と仮定して見ていくと、自分の友人知人、親兄弟に似ていて感情移入しやすかったり、逆にそういう人もいるのだなと他人事に思えたりもする。
ただ、あくまで私の場合だが、どうしても「自分が知ってる人・似ている人」に重ねて観てしまうと、「登場人物は〇〇に違いなかったのに、どうしてそういう言動をしたのだろう」と、物語に「自分」という邪魔が入ってしまうことがある。
そういう見方も勿論正解だとは思うし、そういう現実スレスレを魅せてくれる舞台も大好きだ。
けれど、物語によっては、私が「せっかく現実じゃない世界を覗きに来たのに」と思ってしまう。メタ発言も面白いときとあかんときがあるみたいに。あ、ティラミス面白かった。
話を戻すと、彼はそういう現実と舞台との距離感の見せ方が抜群に上手いと思った役者さんだった。
感情移入した登場人物がいても、あくまで客観的に見せてくれた。これは現実に起こることかもしれないけれど、舞台だから、人生の一例だからというような。
他にも彼が出ている舞台を見たし、あとで見返すために円盤も買える範囲で買った。完売もあったので正直まだ未練があってちょっと探してる。
2.5って元々の設定が確立されている分感情移入するキャラも多そうで、最初は怖かったんですよ。先に書いたような「自分」を持ち込んでしまいそうで。贔屓のキャラとかもあるでしょ。
とはいえ、初めて観た彼の2.5はおっかなびっくり感動した。
見た目的な要素(ウィッグとか衣装とか)はコスプレイヤーさんが着てもまあまあキャラにはなるのだろうけれど、ちゃんと生身で言葉を発するキャラクターが存在していて感動したのだ。
ずっと猫背とかすごい。歌える人なのに歌わな…あっ踊っ……そこだけ!?みたいな、もっと見せて~~~と心の中で叫んだりもした。けれどそれは別の舞台で彼が「歌って踊れる人」だと知っていたから思ったことで、それだけでは甘かった。
原作ゲームだと台詞の抑揚があまり上下しない(感情差分があまりない)キャラだと思っていたけれど、そんなことはなくて、ちゃんと仲間を仲間として想い、妬んだり羨んだりする気持ちもあることがよく伝わってきた。
ストレート舞台で登場人物を探り探り観ていた感覚とは違って、前知識があっても、観ていて追加されるキャラクターの情報量、生身だからこそできる関係性に面白さを感じた。物語もものすごくよかった。見終わった後、失礼ながらも名前で呼んでいたのがキャラ名に変わったくらい。
刀ミュ以外2.5舞台をほぼ知らなかった自分が、色んな2.5舞台のチケットを増やしていくのはこれがきっかけだったりする。バカにしていたわけじゃないんですけど、純粋に面白いな、元気になれちゃうなと思えた。
終演後に、物販列で知り合ったお姉さんたちと合流して、お茶をしながら彼の話をした。私はこの方々と二度と会えることなく現在に至るけれど、彼女らと興奮して話したことは忘れない。ケーキ美味しかった。余談。
そんな感じで数年越しの今年。東京心覚。
刀ミュはキャラクターがそこにいる。どこにそんなキャラそのまんまの役者さんがいて引っ張ってくるんですか!?ってくらいに毎回すごいなと心底感心する。
設定も分かりやすいと言うか、これだけメジャーになってきたと思えば、一般人でも何となく刀の擬人化(正確には付喪神だけど)ってだけで通じるようになる。
刀剣乱舞作品って、ゲームシナリオをなぞるわけではないので(というかゲームシナリオとは?特命調査?天保江戸?)ある意味「刀たちがどのように人に寄り添うか」みたいなところが私は好きだった。
「三百年の子守唄」の物吉貞宗や、「つはものどもがゆめのあと」の六振り。「結びの響、始まりの音」はラストシーンに泣いて泣いて大変だった。ハンドタオルぐっしょり。パライソは2020も2021も見た。ぐっしょりハンドタオル2冠達成。
そんな中、水心子正秀役として発表されたのが彼だった。
正直言うと、最初はキャラクターとしてゲーム同時実装された源清麿のほうが好みだった。清麿はカンストしていて、水心子はまだレベル10かそこら。
水心子は近侍にしても放置しないとかわいいこと言ってくれないし、どんな刀なのかわからなくて、正直ちょっと敬遠してもいたからだ。
肩肘張りすぎた感じがして、一部のセリフだけを拾うと昭和のおじいちゃんみたいな頑固さというか、なんかちょっと怒られているような感じさえあった。それは私が苦手だった学校の先生がそんな感じだったから重ねていただけなんだけど。
そのキャラクターを、彼が演じる。
どうしようかと思った。
けれど、まあ、お察しの通り、彼はさすがだった。
てのひら返しで本当に申し訳ないけれど、水心子が大好きになった。
すごかった~って思うのは毎回なんですけど、ちょっと心に刺さりすぎてnote開設するまでになっちゃった。
すごく努力される方なのは知っているつもりだったけれど、水心子のキャラクターそのままというか、重ねて見てしまうところも多かった。でもちゃんと距離感はあった。そこがすごくて、私は大好きなんだ。涙が出た。
もちろん東京心覚から受け取ったメッセージもちゃんとあるんですけど。
でも何より水心子に対する感情が、とんでもなく大きいものになってしまった。
アーカイブ配信が始まったので書いちゃいますが「守る価値があるのだろうか」という台詞にまずはびっくりした。
それが「笑顔になれることを増やせばいい」に変わるまでの水心子の表情の変遷が細やかで。
冒頭での曖昧な表情から、最後の清麿と笑い合うところの穏やかさ。本当だったら、こんな顔をする男士だったんだなって思った時にはもう彼が何を考えて感じて何を伝えたかったのか、分かった気がして審神者だめでした。
冒頭の「ここが、東京」の場面も、初日は嬉しそうだった表情が千秋楽には愕然とした何とも言えない表情で演技が少しずつ変わっていって、きっと地方公演でも気付かれないようにじわじわと変えていったのだろうと思う。
後半のほうの一人場面で「ありがとう」と言う言葉も、届けと感じられるほど強い口調だったものが、落ち着いて語りかけるような言い方に変わっていて、優しい印象になっていた。
どこで水心子は変わったのか、きっかけとなる転換場面はあったけれど、それでもあんなに表情が穏やかになるなんて…と。マスクで顔が見えない生活が長いからか、なんだか久々に表情がある人の顔を見た気がした。
設定的に、彼らは人ではないから(役者さんだし)何とも言えない感覚はあるんですけどね。
俳優さんも人間なので当然と言えば当然なんだけど、同じ次元で、同じ時間の流れで「一緒に頑張っているよ」と思えることの心強さ。
刀剣男士がどこかで戦ってくれてる、もしくは守ってくれた歴史の一枝にいるのかなと、そう思わせてくれる現実と非現実の距離感がすばらしかった。
いや刀剣乱舞自体が非現実なんだけど、なんていうのかな。
つたわるといいな…!!
何を言いたいのかわからなくなってきたんだけれど、大好きな俳優さんが大好きな物語に出た色々な嬉しさしんどさを吐き出したかった。
俳優さんってすごいね。
いつかこの制限観劇体制が元に戻って、きゃーきゃー黄色い声を出せるようになったら、彼らに思いっきり浴びてもらいたいな。わたしたちの大歓声。
以上、殴り書きでした。