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フォルタン卿に倣って筆を執ることにした。 こちらに訪れてから数え切れないほどの想いに触れている。私個人で抱えて往くべきとも考えたが、彼らの物語を残し伝えることは義務だと感じた。 思い返せば以前はよく文字を書いていた。当時は派遣されてこの地に赴いた会社員であり、偶然の連続ではあったが暁の一員として各国を渡り歩いていた。少しは名の通った冒険者になっていたと思う。だがそれは前述の通り運が良かったし、何より共に助け合える仲間に恵まれていた。 今更ではあるが、我々は勇み足だ