食卓に並ぶことにしたアジア人
私は留学中、とにかく英語が話せるようになりたかった。また、いろいろな国の人と一緒にいてみたかった。だから、他の国の人達と一緒に行動していた。その結果、半年間のカナダ留学で40カ国から来た数百人と交流するに至った。
帰国して姉に聞かれた。
「差別されなかったの?」
正直難しい。
ヨーロッパ系やラテン系の人の集団の中に、
「なんか1人だけいる唯一のアジア人」だった。
普段はその違いを気にしていなかったが、
ふとした文化の違いに触れる度に、
部外者のように感じられることは度々あった。
でも若者の間の差別って、自分とは異なる文化や見た目を持つ人間に対する慣れの問題だと思ってる。
いかに異なる種類の存在に若い頃から触れてきたかどうかということだ。
料理に例えてみたい。
私は料理好きな母親のおかげで、
小さい頃から色々な食材を食べてきた。
そのため、食べ物の好き嫌いがない。
しかし、ある人はアボカドが嫌いだ。
なぜなら、今まで1度も食べたことがなくて得体が知れないからだ。得体の知れないものを食べたくないのは当たり前だろう。食べる前から「嫌だ、なんか気持ち悪いし食べたくない」と言う。
私がアボカドを食べたいと思えるのは慣れていて、無害だとわかっているからだと思う。
だから私は他者の食卓に並ぶことにした。
つまり、アジア人との関わりのなかった人達にアジア人という未知の人種に慣れてもらおうという心持ちでそこにいたのだ。
私が一緒にいた他国からの留学生達は、
彼女達のそれぞれの母国の中でも
人種が均質な地方から来た子が多かった。
私と共に過ごしたことで
「結局アジア人は意味がわからないわ、変な文化を持つ人〜」
となった人もいるかもしれないし、
「なんだ、アジア人も同じ人間なんじゃん!」
と思った人もいるかもしれない。
どっちでもいいと思ってる。
食わず嫌いみたいなのをなくせた分、
それでいいんじゃないかと思ってる。
でもちょっとだけ、後者だと嬉しいなと思う。
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