ロシアウクライナ戦争開戦直後にカナダで出会ったウクライナ人
カナダ大学交換留学中の2022年の3月上旬のことでした。
大学の授業中にロシア語の記事を読んでいる女の子が私の隣に座っていました。
私は、ロシア語を学んでいたことがあるため、
ロシア語を使えるかもしれないと少し期待しました。
しかし、常になんだか体がこわばっていて、
息が詰まっていて、張り詰めた雰囲気が
漂っていることに気がつきました。
思えばロシアとウクライナは戦争を開戦して間もない頃でした。
そこで、
「その記事ロシア語だよね。あなたはロシア人なの?」と聞いてみました。
すると、
「ううん。ウクライナ。」
と気まずそうな苦笑いを浮かべて答えました。
私は息を呑みました。
今まさに戦争が始まってしまい、ロシアに侵攻されている国を母国とする人が目の前にいたからです。
少し話を聞いてみると、
数年前にその子はカナダに来たけれど、
家族はまだウクライナにいるのだそうです。
幸運なことに、家族は無事だとも言っていました。
そこで初めて戦争を身近に感じました。
日本にいたらウクライナ人と出会うことは
そうそうありません。
そのため、戦争と言っても
「遠い世界のどこかで起きている大変なこと」
と、どこか他人事のように感じていたのでした。
そして、戦争の脅威に怯えている人がいるということもなかなか実感しにくかったのです。
しかし今隣には、気を抜いたら次の瞬間には家族の訃報が飛んでくるかもわからず、気が気でなく過ごしている若い女の子が座っているのです。
正直私は、なんと声をかけていいかわかりませんでした。
なぜなら、海外の事情に無知だったり、
世界情勢に疎かったりする一日本人として、
迂闊なことを言ってしまって
相手を傷つけてしまう可能性がある
気がしたからです。
そこで、
「日本は普段他国の事情に関心が薄いんだけど、ウクライナのことは応援しているから!」
と、東京都庁のウクライナカラーのライトアップを見せながら声をかけました。
すると張り詰めた表情だった女の子の顔が少し緩み、
「ありがとう!」
と笑ってくれました。
余談ですが、ウクライナでは
ロシアをルーツに持つ人が
多く生活しているために、
ロシア語が第一言語である人も
多いのだとその子は教えてくれました。
母国が自分のルーツである国から攻撃されているのはさぞ複雑な気持ちだろうと思います。
一刻も早くこの戦争が終結することを祈ります。
本日もご覧頂きありがとうございました。
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