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ドバイで日本人は働けるのか。求人の種類や年収を現地採用が解説

こんにちは。ドバイの外資系コンサルティング会社に現地採用として勤務しているさんぺいです。今回は日本人がドバイで働くのは可能なのか、どのような職種の募集が多いのか、年収水準はどれくらいなのかというトピックをカバーできればと考えています。

はじめに:ドバイにいる日本人の属性

2024年現在、ドバイには約5000人の日本人が住んでいます。私自身がこちらに住んで得た知見やデータから、日本人の属性を大まかに分類してみます。

駐在員とその家族:3000人
まず、駐在員ですが、ドバイにある日系企業は約400社です。中東地域の支店や駐在員事務所は規模が小さく、駐在員の数は1〜4人に限られることが多いです。仮に2.5人として計算すると、約1000人が駐在員で、その家族が2人ずついると仮定すると、駐在員とその家族で約3000人となります。

キャビンクルー(CA):500人
次に、エミレーツ航空には約500人の日本人キャビンクルーがいると言われています。

日系企業の現地採用とその家族:750人
日系企業の現地採用は500人くらいと予想します。家族連れを考慮すると合計で約750人くらいでしょうか。

外資企業の現地採用とその家族:450人
外資企業の現地採用は約300人、家族連れも含めると450人程度と予想します。

その他:300人
最後に、会社経営や節税目的、若しくは教育の目的などで移住している人などが約300人と推定されます。

以上を合わせると、だいたいこんな構成で5000人くらいになるのではないかと考えられます。

もし、あなたがドバイで働くことを考えているなら、待遇の良い駐在員になるのが一番の王道ですが、駐在員になるには非常に狭い門を通過する必要があります。したがって、キャビンクルーの採用は特殊ですが、その他の選択肢としては日系企業や外資系企業の現地採用も視野に入ってくると思います。

属性ごとの年収レンジ

以下は完全に偏見交じりですが、人から見聞きした情報も元に、属性ごとの年収レンジをまとめてみました。それぞれの就職方法を取った時にどれくらいの給料が見込まれるかの参考にしてもらえれば幸いです。

駐在員
駐在員の年収は家賃や運転手の手当が付いていることもあり、家族がいれば教育費も支給されることが多いです。実質的な年収は1000万円から、商社の地域統括部長クラスであれば4000〜5000万円を超えることもあると思います。

CA
通貨レートによって大きく左右するという特徴もありますが、キャビンクルーの実質年収は500〜800万円ほどと言われています。

日系企業現地採用
事務職などのオフィスジョブでは最低でも500万円程度の年収をもらっている人が多いです。しかし、駐在員ほどの福利厚生は期待できませんし、最高でも700〜800万円が天井になるのではないでしょうか。

ホテルや飲食店などのサービス業では月25万円程度の給料も時に目にします。寮がついてくるかどうかも大きいですが、ドバイで生活するにはあまり余裕のない給料だと思います。

(コラム:インターンは条件を要チェック)
注意すべきは、「インターン」と称してほぼフルタイムかそれ以上に働かせて労働の対価はほとんど支給しない企業です。週6日、朝から晩まで働かされ、手当は月10万円以下で社宅は砂漠の中にあるような場所にある。という話も聞きます。
私自身、英語力を鍛える名目でアメリカやイギリスの牧場や農場でタダで働く代わりに寝る場所や食事を提供してもらうというような活動をしていたことで大きく英語力を鍛えられた経験があります。なので、悪条件でも将来のためにまずは経験を積むという成長戦略は悪くないと思います。ただ、蓋を開けてみたら思ったより待遇が悪かったというのは悲惨なので事前によく確認しましょう。

外資系現地採用
こちらの給料は本当にピンキリです。出稼ぎ労働者たちと同じ条件で働くのであれば、月給15万円程度で働くこともあり得ます。英語力が外国人に劣りがちな日本人には難易度が高いですが、オフィスジョブでスピード出征したり、歩合制の仕事で青天井の給料を受け取ることも可能です。歩合制の仕事は基本給があまり高くないことが多いのでその点は注意しましょう。

ちなみに私はこのカテゴリに該当します。給料面では前職の外資コンサルよりはやや良い条件で現地のコンサルティング会社に転職できました。

新卒でドバイに現地採用はできる?

新卒でドバイに現地採用されることは不可能ではありませんが、一般的な日本で教育を受けた人を想定すると、日本の採用サイトでかろうじて求人を見つけることのできるサービス業に限られる可能性が高いです。

ドバイでの転職活動の特徴

以下に、ドバイでの転職活動の特徴を挙げます。

  1. 面接回数が少ない: 面接は1~2回で終わることが多いです。クビにしやすいので、とりあえず採用して実力を試すという会社も少なくないのが現実です。面接での多少のブラフは問題ないと思いますが、やりすぎた嘘は禁物です。

  2. 給料交渉のチャンス: ドバイでは給料を公開しない契約が一般的なため、前職の給料を聞かれないことも多く、言わないという選択肢も一般的。交渉次第で自分の望む給料が手に入る可能性もあります。ただし、日本では給料言えない契約の人はあまり多くないと思うので、採用側もそのことを知っていれば、普通に聞いてくると思います。

  3. 外国人労働者が支える市場: ドバイでは外国人労働者が一般企業を支えており、海外からの人材にも多くのチャンスが提供されています。ビザ審査は先進国の中ではかなり緩いほうだと思います。また、全国民のうち10%未満の自国民の通称”エミラティ”は基本的に公務員になるので、外国人と職を取り合わないというのも特徴です。

  4. 実力主義の側面: 人種によって給料が決まることが多いですが、実力があれば大きく成功するチャンスもあります。例えば、優秀なインド人は日本の駐在員よりも高い収入を得ていることもあります。

ドバイ就職のメリット

ドバイで就職することには多くのメリットがあると思います。

  1. 超インターナショナルな環境: ドバイの人口の約9割が外国人です。多国籍な環境の中で国際感覚を磨くことができ、英語が流暢でなくても多くの人が親切に対応してくれます。

  2. 世界一が集まる刺激的な環境: 世界最大のビルや噴水、最速のパトカー、最深のダイビングプールなど、ドバイは世界一が集まる街であり、常に刺激を受けることができます。

  3. 治安の良さ: ドバイは厳しい法律と取り締まりがあり、UAEは2024年の「Numbeo」調査で世界で2番目に犯罪率が低い国とされています。

  4. 個人所得税が無税: ドバイでは個人所得税がなく、額面の給料がそのまま手取りとなります。健康保険の会社負担や退職金の支給が会社に義務付けられている点も魅力です。

ドバイ就職のデメリット

  1. 格差社会: 国籍によって給料が異なることがあり、同僚との収入格差に違和感を覚えることがあります。

  2. 英語環境: ドバイでは英語が共通言語ですが、ネイティブスピーカーは少ないため、綺麗な英語を身につけたい人には向いていないかもしれません。

  3. 永住権がない: UAEには永住権の制度がなく、何らかの理由がない限り長期間住むことが難しいです。

  4. 自己責任の環境: 駐在員とは異なり、現地採用は会社から守られているという感覚はあまり得られないと思います。給料未払いや即日解雇などのリスクも伴います。

  5. 日本の労働文化との違い: 日本の常識が通用しないことが多く、締切の感覚や働き方の違いに悩むこともあります。

  6. 高い家賃: ドバイの家賃は非常に高く、多くの人がシェアハウスで生活しています。

ドバイでの就職に特化したエージェントはある?

ドバイでの就職に特化したエージェントや転職サイトを利用することは、現地での仕事を探す際に非常に有効な手段です。しかし、日本国内の転職サイトでは、ドバイの求人はあまり多く見つけられず、見つかったとしてもホテル業や飲食業などのサービス業が中心です。

ただし、日本の転職サイトやエージェントにオフィスジョブの求人が全く来ないわけではありません。運次第ではありますが、たまにドバイの求人は見つかります。私は日本の転職サイト経由でドバイの現地企業に就職していますし、似たような境遇の現地で働いている知り合いもいます。

オフィスジョブでの転職を目指しているならば、現地のエージェントや転職サイトを活用するのも選択肢に入ってきます。この方法で現地の日系企業に就職した人も知っています。エージェントとしては本当にドバイで働く意思がある人間にしか時間を割けないので、単に登録するだけでなく、自分の熱意やスキルをしっかりとアピールすることが重要です。

現地のエージェントや転職サイトには数多くの求人がありますが、日本人に向いているものは少なく、給与が明記されていないことも多いです。例えば、「japanese」というキーワードで検索しても、ほとんど求人はヒットしません。そのため、どの求人が日本人向けなのかを見極めるのは難しいです。現地のジョブマーケットをよく理解しているエージェントと直接話しながら進めていくのが理想的だと思います。

また、ドバイではインド人やフィリピン人など、英語が堪能で比較的低賃金で働く労働者が多く、日本人を雇う理由が明確でなければ、採用されるチャンスは限られます。自分の強みをしっかりとアピールし、なぜ自分が適任なのかを常に考えておくことが重要です。

まとめ

前回は特に国を絞らず海外就職の方法について書いてみましたが、今回はドバイにフォーカスして日本人が働く場合の検討事項を整理してみました。何らかの形で皆さんの参考になれば幸いです。もし、最後まで読んでいただけたのであれば、今後の執筆のモチベーションになるので、いいね・フォローいただけると嬉しいです。

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