
Onryo メイキング
初めに
私たちはデジタルハリウッド大学の第1年の4クオーターで、心理ホラーゲーム『Onryo』を制作しました。
4Q Trailer
『Onryo』は、1940年代を舞台に、恐怖と苦悶の物語を描く一人称視点の心理ホラーゲームです。このプロジェクトの目的は、現在Overnight Artelierとして活動しているチームが、初めて結成された際に制作パイプラインを構築することでした。そして、私たちは1Qに開発を始め、わずか1ヶ月で初期のトレイラーを作成しました。
4Q Trailer
開発の歩み
ここでは『Onryo』の開発における技術的な工夫や挑戦をいくつかピックアップしました。
時代設定
『Onryo』の舞台は昭和時代の1940年代に設定しており、建築様式、家具、照明、壁の質感など、すべてのデザインエレメントはこの時代を基に制作されました。特に資料収集には実際の建築物や当時の写真資料を活用し、細部までリアリティを追求しました。
建築図面の制作

学校全体の建築図面を作成し、設計段階での空間の整合性を確保しました。これは、実際の日本の学校の建築図面をもとに設計しており、現実の空間構造を再現することを目的としました。
壁の質感表現

Substance Painterと Substance Designerを駆使してプロシージャルに壁のひびや劣化を表現しました。プロシージャルなシステムを作成したため、自動的に様々なパターンを生成することができました。
配置品のリファレンス
実際に見学した廃校の写真や実物を参考にし、設定した時代に使用されていたものを調べ上げてゲーム内の小道具を制作しました。

イースターエッグ
リアルな表現を採用しつつ、私たち独自の遊び心を加えたイースターエッグをゲーム内に配置しました。



細部表現

アキトの手の画像をグレースケールに変換し、3Dモデルのディテールに使用しました。手のモデルはZBrushを使用して作成しました。

Photoshopで作成し、賞状にはメンバーの名前を取り入れ、カタカナ名は当て字を使用しました。また、賞状の内容には学校の名誉ある賞としての設定を施し、歴史的な雰囲気を再現しました。印鑑には実在の学校印を参考にしつつ、オリジナルのデザインを加えました。
VertexアニメーションとHoudiniのシミュレーション
小さな生物にボーンを適用するのは非効率なため、パフォーマンス向上のためにVertexアニメーションを使用しました。


今後の課題
時間的な制約により、環境表現における不完全さを内包することができませんでした。今後は最適化を一歩押し進めていきたいと考えています。
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記事執筆:パーレント太陽
記事編集:アルバリ アキト
最終更新: 2025/02/11