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これで君もVJだっ!~様々な最小構成について~
この記事はScreenSaver様主催 #VJアドベントカレンダー 参加記事です。
導入
VJって複雑そう・・・機材とか高いんでしょ・・・?
どうやって会場出るの・・・?
そう思っている方はたくさんいると思います、そして最近は安価なサブスクや、EDMだけでなく、アニソン、ボーカロイド、Vtuber、Vsingerなどのサブカルチャーを中心としたデイイベントも増えてきて、多くの年齢層で、様々な音楽へのアクセスやクラブイベントへの参加ハードルが低くなってきていると感じている今日この頃。
フライヤーに載っているVJというお仕事に興味を持っている方もいらっしゃると思います。
今回はVJについての「最小構成」と題し、
「最悪もうこれぐらいのPCで」「とりあえずこれだけできれば」VJの第一歩としては十分でしょう。
といった初めの一歩を踏み出すための記事を、自分の経験をもとに書こうと思っております。
よろしくお願いいたします。
自己紹介
というわけで。おはようございます。こんにちは。こんばんは。
RakuLogic(らくろじっく)と申します。
私は2024年の5月からクラブイベントのVJとして活動しており、渋谷Nagomixという会場で行われる"Fog"というイベントのレギュラーのVJを中心に様々なイベントで出演しております。
様々なジャンルのアーティストが出るFogの中で、シェイプを使った演奏のようなVJや自分で撮影した実写素材などユニークな演出も含め多様な素材をベースに様々なエフェクトを使って映像演出をするスタイルでVJをしています。
(モーショングラフィックス勢なので3D素材とかは作れないので・・・)
そして最近11/8に自分の大好きな箱である、Club Asiaで開催されたFRICTIONにも出演することができました。
オーガナイザーの方も、いつもクラブイベントで話してくれる人にもいつもありがとうございます。
これからもVJとしてより大きな会場、大きなイベントでの出演を目指して、がんばっていきたい所存です。
モノについて解説
さて、今回は「最小構成」ですので、最低限のVJ装備のお話です。
もちろんこれ以上のものがある方がいいと思いますが、「限界でもVJがしたい!」という方に向けての記事です。
自分もVJを始めたときは限界だったので。
必要なモノ
VJをするにあたって必要なモノを説明していきます。
VJソフト
PC
USBメモリ
MIDIコントローラー
基本的にはこの4つです。それぞれ解説していきます。
VJソフトについて
まずはこれがないと始まらない!という感じのVJソフトについてです。
自分はResolume Avenueを使っています、通常版は約57000円、学生版で約27000円です。ブラックフライデーなどで安く手に入るときもあるのでセールを使っても手に入れてもいいかもしれません。
それ以外にもVDMX(Mac限定),virtualDJ,SynapseRackなどいろいろあるのですが…そこらへんはおそらく他の方のブログを見ていただいた方が参考になるかもしれません。
ごーぐる部さんによる、VJソフトに関する記事↓
PCについて
ここからがどちらかというと本編です。
PCについてです。
「VJって高スペックなPCが必須でしょ?」と思っている方は少なくないと思いますが、始めるにあたってはそこまでは必要ありません。
動いてくれれば、いったんVJそのものができると、私は思っています。
自分がVJを始めたときは大学で使っていたノートパソコンのメモリを16GBに増やしただけのPCでしたので。
DellのPCです(これの前モデル)
https://www.dell.com/ja-jp/shop/dell%e3%81%ae%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3/inspiron-14-%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%91%e3%82%bd%e3%82%b3%e3%83%b3/spd/inspiron-14-5445-amd-laptop/sin5445352201monojp
普段使っているPCがメモリが16GBなのであればとりあえず、Resolume Avenueは最低限動いてくれるのでここから始めていきましょう。
(8GBでも最低限動作はするのでは・・・?)とも思っています。
続くかわからないVJ活動に大きなお金を払うのはあまりにリスクが高いので、とりあえず安く始めておきましょう。
USBメモリについて
これも結構大事なUSBメモリのお話。
VJはDJと違って映像素材をPCの中でやり取りします。
なのでDJ以上にデータの通信速度が大事です。なのでSSDを購入しましょう。容量はお好みですが、とりあえず500GBくらいが最低だと思います。
まあSSDは使わなくなっても他の用途で十分使えるので、買ってみてほしいな、という気持ちです。
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MIDIコントローラーについて
次はMIDIコントローラーについてです。
自分はKORGのnanoKONTROL2を使っています。
フェーダーとダイアルがついててコンパクト。必要十分なボタン数です。(最近はごちゃごちゃしてきて新しいコントローラーが欲しくなっている、沼。)
でもとりあえず初めて始めるのには必要十分ですのでこれを買ってみましょう。
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実際のプレイについて
さて、機材がそろいましたらVJを始めてみましょう。というのも何ができればいいかわからないと思いますので。
VJを始めてしばらくたったときにまとめた、自分がどのようにプレイしてるか書こうと思います
※いまはイベントごとに変更したり、改良を施しています。
(自分のスタイルなので様々なスタイルがいると思いますので全員これでやってるというわけではありません。)
(適当に読み飛ばしてOKです)
Resolumeの基本レイヤー構成
※あくまで自分の解釈と最低限の事ができる構成なのでここからアレンジしていくのがいいかも
-基本レイヤー構成-
レイヤー1
レイヤー2(A)
レイヤー3(B)
レイヤー4
レイヤー5
レイヤー7
レイヤー8
レイヤー9
各レイヤーの用途
レイヤー1→保険(何も出ないことを阻止)
レイヤー2(A)→Loop素材
レイヤー3(B)→Loop素材
レイヤー4→Loop素材
レイヤー5→パーティクル、ライトリークなど
レイヤー6→フラッシュ系素材
レイヤー7→ノイズ/グリッジ系素材
レイヤー8→フェード イン/アウト
レイヤー9→ロゴ等
基本的に
①(A)と(B)を交互に入れ替え
②レイヤ−4をポン出ししたり上書きする
この2つで進行
この切り替えの動作にエフェクトでトランジションを行う
切り替えエフェクト(基本)
①ストロボ(白/黒)
②フェード(白/黒)
③グリッジ
④レイヤー4を一瞬重ねてチェンジ
その他諸々
エフェクト
①色反転
②モノクロ
③1トーン化
必要なスキル
①曲理解
→ある程度キャストがわかっているならキャストの代表曲くらい把握しておいてもいいかも
→あとやっぱりクラブである程度音楽の切り替えがどんな感じかは学んどくべき(勝手にいくだろって話)
②とにかく手を慣らす
→結局重大なミスをしないようにすればいい
→放っておいても正直OKなのでそれよりもミスを減らすために画面確認を注力したほうがいい...?
各フェーダー
1列目 (A)⇔(B)のフェード
2列目 上乗せするレイヤー3
3列目 ボタンとフェーダーそれぞれレイヤー4の透明度
4列目 レイヤー5のフェード・ポン出し(パーティクル、ライトリーク)
5列目 レイヤー6のフェード・ポン出し(フラッシュ系素材)
6列目 レイヤー7のフェード・ポン出し(ノイズ/グリッジ系素材)
7列目 レイヤー8のフェード(フェード イン/アウト)
8列目 レイヤー9のフェード(ロゴ)
ノブ
ノブ①→白色のストロボ(速さをフェード)
ノブ②→黒色のストロボ(速さをフェード)
ノブ③→コンポジション全体の再生スピード
ボタン
①色反転
②モノクロ
③1トーン化
④パーティクル
は?という感じだと思います。
自分はあまりオートでできるものを使っていないので、かなりフィジカル任せなVJをしているほうだと思います。
とはいえほかのVJの皆さんもなんかしらの形で数多くのエフェクトや映像を扱っているわけですが、「そこまで難しいことできねぇよ!」と思いますので。
「まずはここから!」みたいなことをここから先では記そうと思います。
VJで個人的に大切なこと
私自身VJをしていてうれしいと思う瞬間は「映像めっちゃいい!」といった書き込みがあることです。
どうしてもVJというとフライヤーに載るお仕事ではありますが、DJほど注目されるわけではありません。その中でVJが良かったといわれたら、そのイベントでは「良いVJができた」といえるんじゃないでしょうか。
とってもシンプルに考える
VJは、「曲、会場の雰囲気に合わせた映像を演出する」という役割を持ちます。もちろん音に合わせてエフェクトをかけたり、動きを持たせることも大事ですが、まずは曲や会場の雰囲気に合わせるといった感覚を身に着けてみてはいかがでしょうか。
正直、これがある程度できるようになってくると作った素材や、用意してきた素材を適切に出すことができ、「曲、会場の雰囲気に合わせた映像を演出する」という行為ができると思います。
音楽を聴いたり、クラブに通うこと自体は、VJに興味を持っている方なら、きっとしてると思っています。
MV・ジャケット写真をみて、雰囲気を掴んでみましょう。
例として、PAS TASTAの「river relief ft. 崎山蒼志」
から想像できるものとして「風景」「川」「流れ」「PAS TASTAのキャラクター」「音割れ」「ピアノ」などなど様々なものが想像できます。このような曲のイメージを自分の中でつかむようなことを考えてみるのが、手を慣らすよりも手っ取り早いかもしれません。
普段の音楽鑑賞から一歩外に出て、MVを見たり・アートワークを見てみるっていうのは。お勧めです。
もちろん、いろんなエフェクトを使ったり、なんかいろいろやることはあることあるんですけどもう全然それは後でいいです本当本当に。始める前にやらずに終わることがほんとに怖いのでとりあえずこの記事見て始めてください。
真似てみよう
これはどんなことにも言える事でもあるのですが…これはいい演出だ!と思った場合に何かしらメモを残しておくことをお勧めします。
それを自分の持っているスキル内で再現するっていうのをやり続けてみて下さい。
素材を探してみたり、はたまた自分で作ったり、エフェクトの数値をいじったり、いろいろ近づける方法はあります。
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コンポジションについて
さてこの話を前提にして、VJソフトの画面に行きましょう。
これが自分にとっての「Resolumeの場合の最低構成」だと思っています。
ほかのソフトでもこの「映像を切り替えるレイヤー二つ+エフェクト素材+ロゴの計4レイヤー」を作ってみてください。
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あとはエフェクトに「strobo」を白黒両方で追加しておけば大丈夫です。
(白色・黒色に点滅するやつ)
まあとりあえずした二つのレイヤーを入れ替えることができればOKです!
そこから始めましょう!
エフェクトはResolumeの内部のエフェクトを調べれば結構いいのがあったりしたり、ノイズ系の素材をそこに置いておけばOKです。
Resolume内部でおすすめのエフェクト→Noisy・edge detection等…
このレイヤーは音に合わせて出してみて下さい!
あとは素材をBeeple,booth,Envatoから探したり、自分がクリエイターなら自分で撮ったり、作ったり、いろいろして集めて、その素材の中で音楽にあったものを出しましょう!
(自分はモーショングラフィックス・実写素材を作ることができますのでそういう素材は作ったりしてます・・・)
素材の集め方は他の記事を参照していただけるといいと思います・・・!
これであなたもVJです!(自分の主観的に)
VJ以外でも大事な事
とりあえず向き不向きはやってみないとわからない
正直、VJをやっている方の中には様々なバックグラウンドをもった人たちがいます。モーショングラフィックスができる人、撮影が上手な人、絵をかいていた人、などなど。
VJ(映像オペレーター)(ヴィジュアルアーティスト)(プログラマー)(スイッチャー)(映像クリエイター)(その他多数)
なのでこの記事が刺さらない人もいますが…
向いているか向いていないか、面白いと思うか思わないかはやってみないとわからないと思います。
そのために今回の記事を書きました。どんな限界な環境でもVJといったものを少しでも体験してもらうことが第一歩だと思います。
会場に出るためには
さて、ここまで来たら会場に出るための方法を伝授しておきましょう。
「とにかく声をかける!」ただそれだけです。最初にVJをする機会が一番大変です。
「自分やれます!」「やってみたいです!」とオーガナイザーに話しかけたり、SNSで発信していきましょう・・・!
話しかけ続けていれば最初のチャンスが、来るはずです!
自分もまだまだですが、一緒に頑張っていきましょう!
まとめ
今回はVJをするにあたって「まずはここから!」みたいな概念を説明させていただきました。
めっちゃ難しいって思うVJもきっとこのような思考をもとにVJを始めていると思います。
もちろんこれ以上に考えることはたくさんあるのですが、そこまで覚えるのはあとにしておきましょう・・・
とにかく、やってみて楽しいと思うか、見極めていきましょう!