キャッシュレスの未来の話
15日や25日。ATM前には多くの人が並ぶ。
そう、給料日だ。
振り込まれたお金を現金として引き出し、振り分け、預け入れる。これは何の作業なのか。何の時間なのか。
このような内容の記事は以前も紹介した。
今日はそれ以降の未来の話。
韓国はすでにキャッシュレス決済比率が約90%、中国は60%。気になる日本はランキングでいうと10位。20%以下だ。
日本でも最近増えてきているスマホアプリでの決済があるが、実は2004年から「おサイフケータイ」のサービスが始まり一部の人は使っていたであろう。
ただ、近年いわゆるスマホ決済が増えたのは電子マネーが使える店が増えたことと元々使っていた会社のカードやアプリから決済機能が追加されて「ペイ」を語尾にとってつけたようなものが出回っているからだ。
韓国がトップを走る理由とは
ではなぜ、韓国はこれまで急速にキャッシュレスが進んだのか。キャッシュレスにも種類がいくつかあるが、その中でも韓国はクレジットカードでの決済により一気に比率が上がった。
政府がクレジットカードの利用促進策を打ち出し、[クレジットカードを使うと年間利用の20%も所得控除(上限30万円)]を受けられるという仕組みを作った。
これにより一気に普及したといえる。
一方、日本はまだまだ現金(キャッシュ)文化が根強い。キャッシュレスが進まない理由としては
「治安がいい」ことと、「ATMの利便性が高い」ということが挙げられる。
つまりどういうことか。
ATMで現金を下ろした日本人が次々とスリや強盗、通り魔に襲われる被害があれば、キャッシュレスは進むのでは、ということだ。
広大な土地があるカナダなどは多くのATMの設置が困難でキャッシュレスが進んだ。
しかし日本には、土地も狭くあらゆる場所、身近な場所にATMがあり、いつでもどこでも現金の出し入れが可能なので現金信仰がなくならないのだ。
もちろん、現金のメリットもあると思うし、モノとして財布の中に存在する安心感もある。
それでも私はもう現金が存在する理由はあまりないと考える。そもそも、働いたことによる給与や会社で稼いだお金が銀行口座に振り込まれる必要はないと思う。
一人一つキャッシュレス決済用の万能口座を持ち、給与はそこに振り込まれるようにすればいい。さらに現金を使わない店が増えればこれだけでATMは必要なくなる。
機械に疎い人やお年寄りにキャッシュレスを進めるのは酷かもしれない。
しかし、ATMも機械。年金も銀行口座に振り込まれることから、スマホ以外のシンプルで使い勝手のいい「スマホ」と「財布」の中間に位置するシンプルなデバイスを開発すればATMも使わずに、もっと身近にキャッシュレス決済を行える。
しかし銀行と国債や債券の関係、企業が次々と電子マネー、スマホ決済用アプリを開発することで市場は盛り上がっている。
国が一人一つ決済用のデバイスや、銀行以外の口座を用意すればこの要素は薄まりお金の流れは悪くなるのかもしれない。
中央銀行と地方銀行、政府の関係はなかなか断ち切れない部分なのだろう。
私自身はすでに財布を持ち歩いていない。クレジットカードが登録されたApple Payだけで十分なのだ。支払いも一瞬、引き出す必要もない。
日本には高齢者がますます増える。深くまで根付いた「現金信仰」は完全にはなくならないどころか、あまり変わらない可能性だってある。
ただ、世界は自動化、機械化、電子化が目まぐるしいスピードで行われている。
先日のセブンペイ事件があったように、サーバー問題とセキュリティ問題は避けて通れないだろう。
どちらもうまくパスできた企業がのし上がっていくのかもしれない。